2022年11月19日(第3368回)

京都の街並みを守る初期消火対策

立命館大学理工学部 准教授 金 度源

 京都のような美しい日本の歴史文化都市の防火対策として、大きく二つの特徴が考えられます。その1、木造密集市街地であるため火災が発生すると隣の建物への延焼の可能性が高く、火災が発生してから如何に早い初期消火対応をするかによって被害の大きさが変わること。その2、京都の街並みにはよく見かけられる「赤い防火バケツ」がありますが、京都における防災対策は景観面を考慮した意匠面の工夫も求められることです。

 本土曜講座では、美しい京都を火災から守る美しい初期消火の取り組みについて、実践的な事例や最新の研究の取り組みである「天水バケツプロジェクト」などを紹介させて頂きます。天水バケツプロジェクトは、日常生活における初期消火用水の確保を目指して、京都の市街地ではよく見かけることができる防火バケツに、雨水から常に綺麗な水を確保するプロジェクトとして立ち上げられました。日常から防災するアイデアやその意義について皆様と一緒に考えられるきっかけになればと思います。