2025年12⽉13⽇(第3437回)

白川研の貴重資料 ―「飯尾宗祇画像」の紹介 ―

立命館大学文学部 教授 川崎 佐知子

立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所が近年収集した「飯尾宗祇肖像画」を紹介します。同資料は、准勅撰『新撰菟玖波集』や『水無瀬三吟百韻』などで知られる室町後期の連歌師・古典学者宗祇(1421―1502)の肖像画です。宗祇は文亀二年(1502)七月三十日に箱根湯本で客死しました。その肖像画は、生前に描かれた壽像を中心に、様々なバリエーションが現存します。本講演では、新出の「飯尾宗祇肖像画」が、これまでに報告されている肖像画とどのように関わるのかをお話しします。「飯尾宗祇肖像画」は、公家の近衞前久(1536―1612)が、連歌師紹巴(1524―1602)に与えたのち、江戸時代の柳営連歌師里村南家が所有し、その後、南画家の富岡鉄斎(1836―1924)の手にわたりました。「飯尾宗祇肖像画」の伝来と用途にも言及いたします。

講座お申込み