2026年6月6日(第3449回)

庭園とメランコリー 現代のイギリス写真における「庭」という主題

立命館大学先端総合学術研究科 教授 竹中 悠美

英国式庭園という様式で知られているように、庭はイギリスを代表する文化のひとつであり、暮らしに深く根ざした身近な空間です。庭園の散策やガーデニングを楽しむだけでなく、庭は文学や絵画の中で繰り返し描かれてきました。美しい庭園の写真も目にすることが多い中、近年、庭を主題とした写真展や写真集の出版がイギリスで相次いでいます。そこに共通するのは、プライベートな庭に漂う特別な気配を、感情と思考を含めて表現していることではないでしょうか。

この講演では、その中から7人の写真家がひとつの庭を撮影した『Picture from the garden』(2023)とひとりの写真家が自宅の庭に集う人々を撮影した『The Garden』(2024)を取りあげます。そして、庭という場所が喚起するさまざまな感情の中からメランコリーに注目し、「自然が映し出す時間」と「写真の本質的な特性として論じられてきた時間性」とに照らし合わせながら、庭を主題とする今日の写真について考えてみたいと思います。

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