航空部 航空部

団体紹介

1931年6月に創部された体育会航空部は、2017年7月現在、28人が所属している。航空部が乗るグライダーは、エンジンがなく、気流に乗って空を飛ぶスカイスポーツで、年齢や体格、性別に関係なく楽しむことができる。

月に1度は岐阜県木曽川滑空場や大野滑空場で他大学と合同合宿を行い、飛行訓練を行っている。学内では、勉強会やフライトの分析、機体の整備に取り組み、毎年3月に開催される全日本学生グライダー競技選手権大会での優勝を目指し、訓練に励んでいる。

部員紹介

岡持景太さん(政策科学部4回生):運行指揮者、機体係 自家用操縦士(上級滑空機)ライセンス所持

航空部の活動の一番の魅力は、空を飛び、普段見ることのできない景色を見ることができることだ。ときには、鳥ととても近い距離で飛ぶことができるのだという。岡持さんの入部時は、部員が6人と少なく、実力としてはまだまだだった航空部だが、合宿を頻繁に行い、活動が活発化したことで意欲も高まり、今では部員数も大幅に増え、東海・関西の中でも勢いがついてきた、と力強く話す。

伊藤華英さん(経済学部4回生):機体係 自家用操縦士(上級滑空機)ライセンス所持

岡持さんとともにアメリカでライセンスを取得した伊藤さん。立命館大学の特徴でもある海外での訓練や空を飛ぶという経験は、他では味わうことができないものだという。
航空部は、以前よりも部活として成長してきたと話す伊藤さん。「2.3年かかるライセンスを1年で取得することができ、大会に出場する姿を後輩たちに見せることができた」という。今後は、機体係として、後輩の育成にも力をいれていく予定だ。

機体

航空部が所有する機体は、単座機(1人乗り)のJA21RD(立命ディスカス)とJA2457(立命23)。共に縦7m、横が約15mの機体で、訓練の前後に整備を行い、万全の状態で、訓練に臨む。滑空場まではトレーラーを使い、車で機体の運搬を行っている。一人で空を飛ぶには、滑空場が所有する複座機(2人乗り)で教官の指導を受け訓練し、自家用操縦士(上級滑空機)のライセンスを取得する必要がある。航空部では、現在6人の学生が自家用操縦士(上級滑空機)のライセンスを取得している。

グライダーが空を飛ぶまで

エンジンもプロペラもないグライダーは、ウインチというドラム式の索(ウィンチと機体を繋ぐ1kmほどのワイヤー)巻き取り機を使用して引っ張り、空まで引き上げる。ある程度の高度になるとパイロットが索を離脱し、上昇気流に乗って滑空する。

滑空場での役割

グライダーが飛ぶには、何人もの協力が必要であり、滑空場ではいくつかの係を分担している。

機体係
機体を組み、整備を担当
ウインチマン
グライダーを曳航するウインチを操作する
ピスト(運行指揮者)
訓練全体の指揮をとり、管制官の役割も果たす滑空場の司令塔
ディスパッチ
ピストの補佐であり、飛行順を決める
機材係
パラシュートの準備、布板(着陸する際の目印)を回収する
リトリブ係
離脱したウインチの索を軽トラックで回収する役割。車の運転技術が求められる。
ラジオ係
無線機の調整

その他にも車を整備する車係などもあり、いくつかの係を兼ねている部員もいる。機体係、ウインチマンになるには、先輩の推薦や試験を受ける必要があり、機体係になるには1年ほどかかるという。機体は高価なものであり、安全に関わるため、試験も厳しい。

グライダーの計器板

ボールゲージ
黒い球が動き、グライダーの滑り(傾き)を表す
バリオメーター(昇降計)
大気の上昇率・下降率を知らせる計器で、1秒あたりの上昇もしくは下降を示す
オーディオバリオ
大気の上昇率・下降率を音で知らせる
  • フライトコンピューター
  • 速度計
  • コンパス
  • 高度計
  • 無線機

グライダー競技

競技は、気象条件などによって定められたポイントをいかに早く回り、索が離脱してから、ゴールするまでの時間で競われる。全てのグライダーが同時に離陸することはできないため、くじで飛行順が決められ、順にウインチを使って離陸。団体戦は個人の得点を合計したものが得点となる。GPSを搭載し、確実にポイントを回っているかを確認し、ポイントを回る順や方向はルールによって定められている。
航空部が出場する大会は、東海・関西グライダー競技会や関関同立グライダー競技会、久住山山岳滑翔大会、新人戦などで、東海・関西グライダー競技会の上位6校が出場できる全日本学生グライダー競技選手権での11年ぶりの優勝を目指している。