NEWS

博士課程後期課程3回生のYANさんが学会で受賞されました

博士課程後期課程3回生のYANさんが、20221104日~06日に韓国・ソウルにて開催された2022 Korean Scholars of Marketing Science (KSMS) International Conferencehttp://www.kams.org/index)にて2022 Best Conference Paper Award (Excellence Award) に選ばれました。
Yan Xiuyan氏は筆頭著者として、UNDERSTANDING PERCEIVED BEHAVIORAL CONTROLLABILITY IN BOYCOTT CAMPAIGNS BETWEEN SOUTH KOREA AND JAPAN(金昌柱氏・立命館大学、井上真里氏・中央大学との共著)の論文タイトルで報告を行いました。本研究は、Theory of Planned behaviorTPB)を応用しながら、20197月頃徴用工問題をめぐる歴史や経済措置などに対する認識のズレから最近の緊張局面が続いている日韓関係の下で、両国の消費者(韓国人571名と日本人500名)が相手国の商品や企業をどのように考えているかを考察するものです。

 本研究の結果に基づくと、消費者にとって相手国の企業が提供する商品に対する購買行動の統制可能性(Perceived behavioral controllability、すなわち特定の商品などを消費しなくても困らない程度) が高い状況では、両国のデータにおいて1)ボイコットに対する個人の態度(Individual attitude、すなわち個人の意見)が強いとき、ボイコット意図が強まる。そして、予想とは反対に、2)主観的規範(Subjective norms、すなわち知り合いなど社会の意見)の正の調整効果は統計的に見られない。しかし、3)日本のデータでは主観的規範が強いときに、消費者のボイコット意図が弱まるという発見が挙げられます。 

 本研究を通しては、日韓の消費者は相手国の商品に対する購買行動の統制可能性が高い状況では、社会の意見ではなく、自分の意見に基づいてボイコットするかしないかを判断することが言えます。この点が、既存のマーケティング研究において十分に考察されていない、新規性のある発見です。そして、TPBに日韓の消費者文化を加味した国際比較分析を行っている点において、理論的な貢献もあると考えられます。現在は、同大会で得られた洞察力を手掛かりにしながら、Asia Pacific Journal of Marketing and Logisticsなどアジア諸国におけるマーケティング理論と実践を議論する国際ジャーナルへの掲載に向けて取り組んでいます。

 この大会は,マーケティング分野における世界最大規模のGlobal Marketing ConferenceGMC21回開催)を開催するGlobal Alliance of Marketing & Management AssociationsGAMMA)がオーガナイザーであり、毎年11月頃韓国ソウルで開催される定例の国際会議である。今回の大会テーマは,New Marketing in Turbulent Environmentでした。

20221201YAN