挑戦する力と自分の可能性を大きく広げることができたJDPでの4年間。2か国で学んだ経験を活かして日本と世界をつなぐ存在として成長し続けていきたい。
田尻 大貴 さん
アメリカン大学・立命館大学国際連携学科 4回生
立命館大学とアメリカン大学で2年間ずつ学ぶ国際連携学科のジョイント・ディグリー・プログラム(JDP)。4回生の田尻さんにJDPでの4年間の経験と将来の目標についてお話を伺いました。
国際関係学部のJDPを志望した理由を教えてください。
田尻私がJDPを選んだ理由は、日本で唯一、海外大学に2年間正規留学し、立命館大学(RU)とアメリカン大学(AU)の両方の学位を取得できるプログラムだったからです。
私は英語で学べる大学を志望し、国内外の大学を幅広く検討していました。しかし、国内大学の多くは留学期間が最長でも1年間であり、一方で海外大学に4年間通う場合は学費の負担が大きいという課題がありました。その点、JDPは2年間アメリカで学びながら、両大学のJoint Degree(共同学位)を取得できるため、学びの内容と費用のバランスが非常に魅力的だと感じました。
また、私は幼少期にアメリカのメリーランド州で3年間暮らしていた経験があり、ワシントンD.C.にあるAUの近くを何度も訪れたことがあります。幼い頃から親しみのある場所で学べることにも魅力を感じ、JDPへの進学を決めました。

立命館大学での最初の1年半の学修はいかがでしたか?
田尻RUでの最初の1年半は、AUでの学びに向けた準備期間として最適でした。中でも印象に残っているのが、2回生の春学期に履修した「Global Studies Research」という授業です。この授業では、AU Home生(アメリカン大学から学修を始めるJDP生)とともに、グローバル国際関係学の諸課題を分析するための研究手法やエッセイの書き方を学びました。私は「インドネシア高速鉄道計画を題材に中国の一帯一路政策を評価する」というテーマで研究に取り組みました。
この授業を通じてリサーチする力を大きく伸ばすことができました。研究では20本以上の学術文献を読み込む必要があり、インドネシアの内政など、それまで馴染みのなかった分野についても理解を深めなければなりませんでした。そこで、文献の序論と結論を先に読み効率的に取捨選択するとともに、AIを活用して内容を要約し、短時間で必要な情報を整理しました。また、授業後には毎回教授にエッセイの添削をお願いし、改善を重ねました。
その結果、自分自身が納得できる研究を完成させることができ、授業では最高評価をいただきました。この経験を通じて、「限られた時間の中で情報を収集・分析する力」と、「粘り強く研究を磨き上げる姿勢」を身につけることができ、AUに行く前に大きな自信がつきました。
アメリカン大学での授業はいかがでしたか?
田尻AUではRUにはない多様な分野の授業を履修することができました。特に印象に残っているのは、「Creative-Aesthetic Inquiry」分野の科目の1つである「映画学」の授業です。この授業では、映画に使われる映像表現を多角的に分析する課題に取り組みました。例えば、映画の20秒ほどのワンショットについて、カメラワークや音響の変化が作品に与える効果を分析するレポートや、映画館までの道のりや観客の様子など、上映環境そのものを観察するレポートも作成しました。
私はもともと映画に詳しかったわけではないので、最初は授業についていけるか不安もありました。しかし、カメラワークや色彩、編集など、一つひとつの演出が作品の印象を大きく左右することを学び、映画の奥深さに強く惹かれました。そのため、毎回教室の最前列に座り、積極的に発言することを心がけました。その結果、授業では非常に高い評価の成績をいただき、好奇心と挑戦心があれば未知の分野でも成果を出せると実感しました。
田尻また、国際関係学部生として「Political Violence」という授業を受講しました。この授業では、世界で紛争が起こる要因について、政治・歴史・文化など多様な視点から学びました。事前にリーディング課題を読み込み、授業ではその内容を基にディスカッションを行う、生徒主体の学習スタイルが特徴的でした。
紛争は1つの要因だけでは説明できず、さまざまな背景が複雑に絡み合っていることを学び、毎回新たな発見がありました。AUに在籍する、多様なバックグラウンドと異なる意見を持つ学生との議論を通じて、自分の考えを論理的に伝えることの大切さを実感し、積極的に発信する姿勢をさらに磨くことができました。
アメリカでの2年間の生活はいかがでしたか?
田尻アメリカでは、本当に多様な経験をすることができました。その中で印象に残っているのは、Japanese Cultural Exchange(JCX)での活動と、日系商社での3か月間の長期インターンシップです。
JCXはAUにある日本文化を発信する学生クラブの1つです。私は現地生とともに、週1回の日本語会話教室を立ち上げました。きっかけは、「普段の日本語の授業ではスピーキングの練習機会が少ない」というAUの日本語学習者からの課題を聞いたことです。初心者と上級者に分けた教室運営や話しやすい雰囲気づくりを心がけた結果、「日本留学への不安が和らいだ」といった参加者からの嬉しい声をいただくことができました。この活動が評価され、翌学期にはJCXの代表を務めることになりました。JCXでの経験は、「相手のニーズを捉えて解決する力」や「リーダーシップ」を培いました。

田尻日系商社でのインターンシップでは、アメリカ政府の通商政策に関する調査・レポート作成業務を担当しました。特に同社営業部から依頼された米国・メキシコ・カナダ貿易協定に関する調査が印象に残っています。
政府資料は膨大で最初は苦労しましたが、上司との意見交換を重ねながら、営業担当者が活用しやすい形で情報を整理したレポートを作成しました。その結果、「必要な情報が分かりやすく整理されており、業務に役立った」と評価をいただき、大きな達成感を得ることができました。
そのほかにも、シンクタンクのセミナーに参加して上司向けの概要メモを作成したり、アメリカに輸入される鉄鋼製品のデータ整理を担当したりするなど、幅広い業務を経験しました。インターンシップでの経験を通じて、ビジネスの現場で自分が果たすべき役割や、自らの強みを明確にすることができました。
入学前と比較して一番成長したのはどのような部分だと感じていますか?
田尻「行動力」と「自己管理能力」が成長できた部分だと感じています。
アメリカでは日本と比べて相手からのメールの返信が遅かったり、返信が来なかったりすることも多く、授業の課題に関する相談やサークルの予算申請が思うように進まないことがありました。返信を待つだけでは解決しないと考え、催促のメールを送るだけでなく、必要に応じて担当者のもとへ直接足を運び、問題の解決を依頼しました。
また、アメリカでの留学中は、学業・クラブ活動・インターンシップなど、複数の活動を並行して取り組みました。例えば、ある日は午前中にインターンシップへ出勤し、その後大学で授業を受け、再びインターンシップに戻った後、夜は大学でサークルイベントを運営するというスケジュールで、朝9時に家を出て夜22時に帰宅することもありました。このような限られた時間の中で、それぞれの活動の優先順位を考えながら課題やサークルのイベント企画を計画的に進めることを常に意識していました。
異国の地でいつも支えてくれる家族が近くにいない環境だったからこそ、こうした自ら課題を解決する力や、時間を計画的に管理する力を養うことができたと思います。
将来の目標を聞かせてください。
田尻将来は、日本と海外をつなぐ人材として活躍したいと考えています。
卒業後は民間企業への就職を予定していますが、将来的には政府機関や国際機関で働くことも視野に入れています。日本語と英語を使いこなし、2つの国で長く生活した経験があるからこそ、多様なキャリアに挑戦できる可能性が広がっていると感じています。これは、JDPならではの大きな魅力だと思います。
また、いつかワシントンD.C.で働き、卒業生としてAUを訪れることも私の夢の1つです。2年間の留学で得た経験を最大限活用し、日本と世界をつなぐ存在として成長し続けていきたいと考えています。

国際関係学部を志望する受験生へメッセージをお願いします。
田尻国際関係学は、政治・経済・歴史・平和研究など幅広い分野を横断的に学ぶことができる学問です。そのため、新しい知識を身につけながら、自分が本当に興味を持てる分野や将来の方向性を入学後に見つけることができます。進路がまだ明確でない人にも、ぜひ挑戦してほしい学部です。
その中でもJDPは、RUとAUの2つの大学で正規生として学べる、日本で唯一のプログラムです。2つの国で2年間生活し、多様な価値観に触れながら成長できる環境は、JDPならではだと思います。
そして何より、JDPは「挑戦する機会」が多いだけでなく、「挑戦する人を後押しする環境」があります。特に、同じJDPに所属する仲間の存在は大きかったです。日本とアメリカでそれぞれ2年間学ぶことを承知の上で入学しているので、学習意欲が高く、チャレンジ精神にあふれています。そんな仲間と切磋琢磨することで自然と自分も成長したいと思えますし、困ったときには手を差し伸べてくれる心強い存在でもありました。私がこれまで挑戦してきた活動も、仲間の支えがあったからこそ実現できたものだと感じています。
「新しいことに挑戦したい」「自分の可能性を広げたい」そんな思いを持つ皆さんに、JDPは最高の環境だと思います。皆さんがJDPで充実した4年間を過ごせることを心から願っています。

2026年8月更新
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