Peace Studies Seminarで学んだ、多様な視点と平和実現に向けた新たな気づき

三科 彩花 さん
国際関係学専攻 1回生

多様な出身国の学生が夏休みに広島を訪問し、平和について考える、国際関係学部独自の英語開講科目「Peace Studies Seminar」。1回生で参加した三科さんにプログラムの経験をお伺いしました。

国際関係学部を志望した理由を教えてください。

三科高校時代、世界史を学ぶ中で、戦争が繰り返されてきたことに疑問を持つようになりました。そこから、戦争を防ぎ、平和を実現する方法について学びたいと思うようになり、国際関係学に興味を持ちました。

入学してみて学部のイメージは変わりましたか?

三科大きくは変わっていません。入学する前から「立命館の国際関係学部は勉強量が多くて大変だ」と聞いていたので、ある程度は覚悟していたつもりでした。実際に入学してみると、特に語学面(英語)の授業は想像していた以上にレベルが高く、苦労しました。授業についていくことだけで精一杯で、最初のころはとにかく目の前の課題をこなすことに必死でした。

専門科目の授業については、入学前に想像していた以上に面白いと感じています。まだ1回生なので、これから専門的な国際関係の学びが増えていく段階ではありますが、高校までの授業とは違って、これまで触れたことのなかった学問分野や、現在の国際情勢を理解するための考え方を学ぶことができ、毎回の授業から新しい発見があってとても充実しています。

入学してみて特に印象に残っているのが、周囲の学生の意欲の高さです。向上心が高く、自分のやりたいことや目標を持っている学生が多いので、日々刺激を受けています。自分とは違うことに関心を持っていたり、自分にはなかった視点を持っていたりする人も多く、授業の内容だけでなく、友人や周囲の学生から学ぶことも多いです。

今回、Peace Studies Seminarに参加した理由を教えてください。

三科日本では、広島・長崎について、「原爆投下によってどのような被害があったのか」という側面から語られることが多いと思います。一方で、原爆投下をどのように評価するのか、どの程度学校で学ぶのかなどは、国や地域、立場によっても違います。私は、そうした違いがなぜ生まれるのか、そして、それぞれの立場から原爆投下という出来事がどのように見えているのかを知りたいと思い、このプログラムに参加しました。

Peace Studies Seminarに参加することを決めた当時は、まだ十分な知識もなく、留学生と共に学ぶための英語力にも自信がありませんでした。プログラムについていけるのか、自分にとって意味のある学びにできるのかという不安もありました。それでも、これから自分が深く学んでいきたい問題だからこそ、まだ自分の考えが固まっていない段階で、さまざまな国や背景を持つ人の考えに触れることが大切なのではないかと思い、参加を希望しました。

実際に参加してみると、他の参加者の知識の多さや先生からのレスポンスの速さに圧倒され、自分の力不足を感じました。しかし、分からないことがあったときには他の参加者に教えてもらい、自分一人では考えつかなかった視点に触れることもでき、大変なことも多かったですが、それ以上に参加してよかったと思っています。

広島でのフィールドワークではどのようなことを学びましたか?

三科一つ目は、実際に現地に足を運ぶことの重要性です。

フィールドワークでは原爆資料館を訪れ、被爆者の方から直接お話を伺うことができました。被爆者の方のお話の中で、現在の平和記念公園がある場所はもともと公園だったわけではなく、広島でも屈指の繁華街であり、多くの人が行き交う賑わいのある場所だったことを知りました。しかし、原爆により崩壊し、戦後都市計画によって整備され、現在の姿になったそうです。平和記念公園は広く、緑が豊かな場所ですが、かつてそこには人々の暮らしがあり、今なお眠る多くのご遺骨に思いを馳せると、なんともいえない複雑な気持ちになりました。

その日の最後の振り返りの時間には、現在の広島の整然とした街並みと京都の狭く入り組んだ街並みの違いが話題になりました。広島は原爆によって街が一瞬にして破壊され、一から再構築された一方、京都は空襲の被害が少なく、昔からの街並みが残っています。今、目にしている景観は、その土地の歴史と結びついているのだと実感しました。その場所の歴史を知り、実際に歩きながら、当時暮らしていた人々のことを想像する経験は、机上の学習だけでは得られない学びだと思います。

三科二つ目は、異なる視点に触れることの意義です。

このプログラムには、さまざまな国やバックグラウンドを持つ学生が参加していたため、原爆投下についても、学んできた内容や持っている認識はかなり多様でした。教科書に原爆投下についての記述が一行ほどしか書かれておらず、授業でもほとんど扱われてこなかった、という国の人もいれば、原爆投下は「戦争終結を早め、日本本土での地上戦を避けることで、結果的に多くの人命を救った」という文脈で学んだ国の人もいました。また、戦時中に日本の植民地支配を受けていた側の国の立場から原爆投下を捉える視点もありました。

プログラムに参加するまで、国やそれぞれの背景が異なっていても、原爆投下についてはある程度共通した認識があるものだと私は思っていました。しかし、実際にこうしてさまざまな国の人と話してみると、同じ出来事について話していても、見えているものや、そもそもの前提がこれほどまでに異なることがあるのかと驚きました。

三つ目は「平和」に対する考え方の変化です。

三科プログラムを通してさまざまな立場の人の話を聞く中で、平和の実現に向けては、国家や国際機関、企業、NGO、そして個人など、それぞれの立場によって異なる役割やアプローチがあることを学びました。

これまで私は、暴力や紛争がない状態こそが平和であり、それを実現しなければならないと考えていました。また、国家や国際機関などの大きな規模の主体が取り組めることと、個人ができることを同じ尺度で捉えていました。そのため「一個人が行動しても社会は変わらない」と無力感を覚えることもありました。

しかし、平和を単に紛争を止めることだけではなく、その先によりよい社会をつくっていくことまで考えると、個人でもできることはたくさんあります。誰かと平和について話すことや、異なる考えを持つ人の話を聞くことも、自分なりの平和への関わり方になり得るのではないかと思うようになりました。

今回のプログラムでも多くの対話や意見交換の機会がありました。こうした一つひとつの行動も、私にとって平和について考え、関わっていくための具体的な一歩になりました。

Peace Studies Seminarでの経験をこれからの学生生活にどのように活かしていきたいですか?

三科まずは、今回のプログラムで得た学びをさらに深め、専門的な知識を身につけていきたいです。

プログラムでUNITAR(国連訓練調査研究所)のシンポジウムに参加した際、「核兵器は日本の広島、長崎だけの問題ではない。核実験の歴史は帝国主義や植民地主義の歴史と深く結びついている」というお話がありました。核の歴史はグローバルなものであり、現在にも続く問題だと思います。この話を聞いて私は、その解決に向けて、日本でも広島や長崎以外の場所で、平和について継続的に考えたり、話し合ったりする機会がもっとあってもよいのではないかと感じました。今後の学生生活では、そうした機会や場所を自分でつくることにも挑戦してみたいです。また、必ずしも新たな場を設けることにこだわらず、まずは身近な人と平和について話すなど、自分にできることから取り組んでいきたいと思います。

国際関係学部を志望する受験生へメッセージをお願いします。

三科国際関係学部には、本当にさまざまなバックグラウンドを持つ人がいて、友人との何気ない会話の中でも、自分にはなかった視点に気づかされることがたくさんあります。また、高校までは周囲と同じ内容を学ぶことが多いと思いますが、大学では、自分が「もっと知りたい」と思ったことを、自分自身で掘り下げていくことができます。国際関係学部には、そうした知的好奇心を思いきり追求できる授業やフィールドワークなどの機会がたくさんあります。

受験勉強は大変だと思いますが、その先には、とても広く、魅力あふれる世界が広がっています。ぜひ、自分の「知りたい、学びたい」という気持ちを大切に、頑張ってください!

2026年9月更新

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