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高橋 康介 先生(総合心理学部)
2025.01.6
心理学-認識と行動の科学-
『感情:人を動かしている適応プログラム』(コレクション認知科学9)新装版
戸田正直著(東京大学出版会、2007年)
人間にどうして「感情」という機能が備わっているか考えたことはありますか?私たちの感情は現代社会にうまく適応しているでしょうか?本書では世界的な認知科学者の戸田正直氏が、アージ理論を下敷きに進化適応という観点から感情について読み解いています。初出は30年以上も前ですが、今も、いや今でこそ学ぶところが多い良書です。
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『超常現象の科学:なぜ人は幽霊が見えるのか』
リチャード・ワイズマン著、木村博江訳(文藝春秋、2012年)
科学技術が発達した21世紀でも、例えば占い、予知夢、オーラ、前世の記憶など、超常現象や超能力はまだまだ社会の中で生き残っています。科学的にはありえないもの、だけど一部の人が信じるもの。これを生み出しているものは人間心理に他なりません。本書はこれらの超常現象がいかにして生まれ、信じ込まれるのか、マジシャンでもあり心理学者でもある著者が説得的に論じています。『ムー』愛読者にもおすすめの一冊です。
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『偶然の科学』
ダンカン・ワッツ著、青木創訳(早川書房、2012年)
なぜあの歌が流行ったのか。なぜあの企業が成長したのか。私たちは特別なものごとに直面したとき、そこには何らかの理由があるはずと思いがちです。ところが本書は、現実の社会で起こったさまざまな事例を取り上げ、いかにそこに理由などないか、人々が信じている理由が幻想で後付けのものなのか紹介しています。あなたが他でもない本書を手に取ったとしたら、そこに理由はあるのでしょうか?それとも偶然でしょうか?そんなことを考えさせてくれる社会科学の名著です。
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『身体がますますわからなくなる』
小鷹研理著(大和書房、2024年)
「身体って何だ?」知っているようでよく知らない不思議なもの、それが自分の身体。本書では身体認知研究の第一人者として大活躍する著者が、自身の体験や研究を紹介しながら、身体に関するさまざまなアイデアを自由奔放に語り尽くしています。知れば知るほどわからなくなる身体の不思議な世界の中で、学問の奥深さと面白さを存分に味わってください。
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『視覚の文法:脳が物を見る法則』
ドナルド・D.ホフマン著、原淳子、望月弘子訳(紀伊國屋書店、2003年)
私たちは「見ること」のエキスパートです。あまりにも上手く、自動的に、無意識のうちに「見ること」ができてしまっているので、普段は見ることの不思議さや複雑さについて考えることはありません。あなたは世界をありのままに見ているのでしょうか?本書はそんな「見る」の背後にあるヒトの驚異的な視覚のメカニズムについて解説した、知覚心理学の不朽の名著です。
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『ナマケモノ教授のムダのてつがく:「役に立つ」を超える生き方とは』
辻信一著(さくら舎、2023年)
研究者はたびたび問われます「その研究は何の役に立つんですか?」と。一体、役に立つとはどういうことでしょう?ムダとは何でしょう?コスパやタイパの現代社会の中で見失いがちな視点です。著者ならではの語り口で役に立つムダの哲学を論じた本書は、本当の「役に立つ」についてじっくりと考えるきっかけになることでしょう。研究者、学生、そして研究のステークホルダーであるあらゆる人々におすすめの一冊です。
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『なぜ壁のシミが顔に見えるのか:パレイドリアとアニマシーの認知心理学』(越境する認知科学10)
高橋康介著(共立出版、2023年)
「顔文字の起源からお化けの謎まで認識の不思議な世界をめぐる(おそらく)世界初!『パレイドリア』の学術的解説書、誕生」(本書のオビより)ということで、ヒトの認識についてのそれなりに難しいことを、専門外の人にとってもわかりやすく解説しています。本書を読めば、普段見ている風景がちょっと違ったものに見えてくるかもしれません。なお推薦者は著者本人です。
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