桃田 朗 先生(経済学部)
2022.05.01
『博士の愛した数式』
小川洋子著(新潮社、2003年)
これは学術書ではなく小説です。80分しか記憶が続かない数学者の世話をすることになった家政婦とその息子が、博士と次第に心を通わせていく物語です。数学の美しさをも垣間見ることができます。小川洋子氏の文章は静謐であたたかく、心がしずまります。
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『経済社会の学び方 : 健全な懐疑の目を養う』
猪木武徳著(中央公論新社、2021年)
経済学の研究と教育に半生をささげてきた大家が、これまでに実感してきたことを若い世代に伝えたいという思いで書かれた本です。社会研究における理論の功罪、因果推論の効果と弱点、人間心理や歴史について深い洞察がなされています。やや難解な箇所もありますが、ぜひ手に取ってもらいたい本です。
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『絶望を希望に変える経済学 : 社会の重大問題をどう解決するか』
アビジット・V・バナジー, エステル・デュフロ著 ; 村井章子訳(日経BP日本経済新聞出版本部、2020年)
移民・貿易・差別・偏見・格差・貧困・自然破壊・災害など現代の社会問題を経済学の視点から考えます。一般常識的にも正しいと思われていることを、調査や統計を元に論破しつつも、単純な議論に陥らず、複雑さや難しさを認めながら解決策を探るという姿勢が貫かれている点が印象的です。
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