廣野 美和 先生(グローバル教養学部)
2024.04.1
RARAフェロー/アソシエイトフェローお薦め本
『一帯一路は何をもたらしたのか:中国問題と投資のジレンマ』
廣野美和編(勁草書房、2021年)
「一帯一路は中国が世界への影響力を強めるための方策である。」日本や西側のアナリストやメディアの言説で、このような見方をされることが多い一帯一路。しかし、発展途上国内部で中国が何を行い、また、発展途上国の人々が一帯一路をどう捉え、自らの利益のためにどう利用しているのか。一帯一路を支える中国アクターや発展途上国を分析の中心に捉えた著作です。
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Social States : China in International Institutions, 1980-2000
Alastair Iain Johnston(Princeton U. P. , 2008)
なぜ中国は物質的国益に利さないにも関わらず国際的協力をするのかという問いのもと、国際関係理論を批判的に分析した上で「社会化」の概念を明示し、中国の国際社会への三段階の社会化プロセスについて実証研究をしています。国際関係の理論を用いながらきめ細かい実証研究を行う研究の見本となる必読書。
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China, the UN, and Human Protection: Beliefs, Power, Image
Rosemary Foot(Oxford U. P. , 2020)
中国の「人間の保護」に関する研究書。中国の国連への支援はどのように理解できるのか、またそれはグローバル秩序やその秩序を形成する規範にどのような意味合いを持つのか。国際関係論における構造主義や英国学派の理論を枠組みとして使いながら、中国の理念と行動が「人間の保護」に関する規範の解釈や規範の実践にどのような影響を及ぼしているかを検証。現在の様々な戦争や紛争に対する中国のアプローチを理解する上で重要な本です。
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