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仲田 晋 先生(情報理工学部)

2025.01.6


勇気が湧いてくる本


『星の王子さま』(岩波文庫)
サン=テグジュペリ著、内藤濯訳(岩波書店、2017年)

古くから世界中で読み継がれてきた童話で、読んだことがある人も多いと思います。子供向けの文体ではありますが、内容的にはむしろ大人こそがハッとさせられるようなメッセージが多いです。この本の冒頭、「おとなは、だれも、はじめは子どもだった。しかし、そのことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない。」とあるように、子供のころの純粋な感覚を持ち続けることの大切さが一つのテーマとなっています。大学生の今だからこそ得られることもあると思いますし、自分の素直な感覚を信じていいんだという意味で勇気をもらえる本と思います。

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『四つ話のクローバー』
水野敬也著(文響社、2011年)

4つの架空のエピソードを通して自己啓発的な教訓を伝えるという内容になっています。各エピソードは読み物として面白く、肩の力を抜いて気軽に読めるのですが、同時にとても深いメッセージが込められていますので自己啓発本に慣れていない人にも読みやすい本です。前向きに取り組む意欲がわいてくるエピソードもあり、大学生のみなさんには特に有益と思います。

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『嫌われる勇気』 (自己啓発の源流「アドラー」の教え1)
岸見一郎、古賀史健著(ダイヤモンド社、2013年)

2010年代に大きな話題になった本です。嫌われる勇気というタイトルですが、決して嫌われることを推奨する本ではありません。副題にもあるようにアドラー心理学に基づく自己啓発本です。社会で成功するための方法論というよりも、私たち一人ひとりにとって大切なことは何か、大切でないことは何かを考えさせる内容になっています。大学生のみなさんにとっても多くの意外な発見があると思いますし、自信を持って物事にチャレンジするためのヒントがたくさん隠れていると思います。

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『僕らはソマリアギャングと夢を語る:「テロリストではない未来」をつくる挑戦』
永井陽右著(英治出版、2016年)

この本の著者は、紛争が長く続くアフリカ北東部のソマリアで困っている人の力になりたいという思いで大学1年生のときに一念発起し、日本やソマリアの若者たちと力を合わせて組織を立ち上げ、最終的には現地での支援プログラムを実現したそうです。この圧倒的な行動力を真似するのはなかなか難しいかもしれませんが、様々な困難にぶつかりながらも大胆な発想で道を切り開く過程が書かれています。本学のみなさんにとっても勇気を持って思い切った活動をするきっかけになればと思います。

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『サピエンス全史:文明の構造と人類の幸福』上・下
ユヴァル・ノア・ハラリ著、柴田裕之訳(河出書房新社、2016年)

この本は相当なボリュームがあり、最初から最後までとことん濃密な内容なので、完読するにはかなりのエネルギーが必要です。ただ、それに見合うだけの重要な知見が多く書かれていて、世界中でたいへんな話題になりました。この本は、人類誕生から現在に至る歴史を俯瞰することで人間の本質を問い直すという、壮大なテーマに取り組んでいます。私たちが普段当たり前に受け入れているさまざまなことが虚構にすぎないこと、農業革命や産業革命が必ずしも人類の幸せにつながらなかったことなど、驚くほど意外な視点での社会の見方が相当な説得力を持って書かれています。この本のような広い視点で世の中を見ることはみなさんにとって有益と思います。

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