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遠藤 保子 先生(産業社会学部)

 


『To dance is human : a theory of nonverbal communication』
Judith Lynne Hanna著 (University of Chicago Press、1987年)

著者は、著名な舞踊人類学者の一人であり、アフリカやメキシコ等でフィールドワークを行いながら、舞踊を多面的に研究している。本著は、人間の行為としての舞踊を身体的、文化的、社会的、心理的、経済的、政治的、伝達的局面より見ながら、人間の思考と行動としての舞踊理論を一般化しようとした刺激的な本である。特に、ターナーの理論をもとに、ナイジェリアのウバカラダンスプレイを考察している点が興味深い。

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『舞踊と社会 : アフリカの舞踊を事例として』
遠藤保子著(文理閣、2001年)

著者は、アフリカ(ナイジェリア、エチオピア等)でフィールドワークを行いながら、舞踊人類学研究を行っている。本書は、公表された研究成果を1冊にまとめたもので、次の4部構成から成る:1.アフリカと舞踊とのかかわり 2.舞踊人類学研究の国際動向 3.アフリカの舞踊に関するフィールドワークの事例研究 4.まとめと今後の展望。アフリカの舞踊に関する入門書ともなっている。

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『舞踊論叢』(松本千代栄撰集 1)
松本千代栄著(明治図書出版、2008年)

著者は、日本の舞踊教育を確立させた第一人者であり、本書は、公表された研究成果を選集(5巻)にした第1巻である。著者は、長年にわたり、創造的芸術経験としての舞踊の特質を考察している。特筆すべきは、舞踊教育の核心を「ひと流れの動きに生命あり」と指摘していることである。舞踊研究に欠かすことができない必読書である。(2010年には、同出版社から『松本千代栄撰集第2期』(3巻)も出版されている。)

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『舞踊学講義』
舞踊教育研究会編(大修館書店、1991年)

著者は、松本千代栄ゆかり研究者たちであり、本著は、舞踊と舞踊教育に関する理論を体系的に記述したもので、次の3部構成である:1.舞踊学講義‥舞踊の意味と価値、民族と舞踊、舞踊の歴史、舞踊教育等 2.舞踊学各論‥ダンステクニック、ダンスの指導法等 3.資料編‥文献解題、用語、人物解説等。舞踊の入門書として貴重である。

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『舞踊学原論 : 創造的芸術経験』
マ-ガレット・N.ドウブラ-著(大修館書店 、1974年)

著者は、アメリカの舞踊教育を制度的に確立した人であり、本書では、舞踊を芸術・科学・哲学の面からとらえ詳細に論じられている。特筆すべきは、舞踊には感情に調和・統一を与える内的活動とそれらを外から見てわかるように置き換える外的活動があり、その2つが、有機的に融合したときに舞踊が完成するとみていること等である。舞踊研究に欠かすことができない必読書である。

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『おどりの美学』
郡司正勝著(演劇出版社、1963年)

著者は、歌舞伎や日本舞踊研究の代表的な研究者であり、本書は、日本における舞踊の歴史を概観し、舞踊の特徴や本質について述べられた名著の中の名著である。内容は、おどりの生態、おどりの歴史、おどりの美学等5章から成っており、踊りを鑑賞する人や習う人の必読書である。そのため出版社は、品切れにならないように努め、再版を重ねている。

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『世界舞踊史』
クルト・ザックス著(音楽の友社、1972年)

著者は、比較音楽、楽器分類、舞踊史の世界的権威者の一人である。本書は、世界の様々な地域から収集された資料をもとに、舞踊に関する初期の近代的な専門研究書といえる。内容は、1.世界の舞踊 2.各時代における舞踊 の2部に分類され、1では舞踊の類型化を試み、2では時代の流れを時系列的に記述し歴史的な位相を明らかにしている。

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『おどりは人生』
鶴見和子, 西川千麗, 花柳寿々紫著(藤原書店、2003年)

著者の鶴見は、日本舞踊の名取として舞台にも立った社会学者、その他の著者は、国内外で活躍している舞踊家であり、本書はその鼎談をまとめたものである。内容としては、舞踊の基本は、歩くことであり、それは自然や社会とかかわっていること、さらには井上八千代や武原はんに対する批評等、舞踊の本質に迫る深く広い洞察が述べられている好著である。

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『古典舞踊の基礎』
蘆原英了著(日新書院、1942年)

著者は、日本の著名な舞踊評論家の一人である。本書は、日本で初めて古典舞踊(特にバレエ)の基礎知識と舞踊文法に関する7編:バレエの歴史、古典舞踊の原則、古典舞踊の技法、バレエ團の構成等が体系的に著されたものである。文献だけではなく、著者のヨーロッパにおける舞踊研究や実際的経験をもとに執筆された貴重な本である。

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『舞踊のコスモロジー』
市川雅著(勁草書房、2002年)

著者は、日本の著名な舞踊評論家の一人である。本著は、次の5部から成る:1.舞踊のコスモロジー 2.バレエ 3.現代舞踊 4.現代舞踊作家論 5.舞踊の深層と周辺。輪や回転などの身体の動作と宇宙に関する考察、バレエの概念、アメリカの現代舞踊、ポストモダンダンス等にも言及しながら、舞踊を文化のなかでトータルにとらえようとした本である。

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『身体論 : スポーツ学的アプローチ』
稲垣正浩著 (叢文社 、2004)

著者は、スポーツ史研究では日本を代表する研究者の一人であり、本書は、身体とは何か、を様々な観点からアプローチしている。特に、舞踊する身体や武道する身体とは何かを問いながら、舞踊の舞と武道の武は同根性があること、ハイデガーやバタイユの考え方を論議しながら、「エクスターズ」(脱自、脱自態)する身体に言及している。とても興味深い本である。

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『劇場の構図』
清水裕之著(鹿島出版会、1985年)

著者は、建築を専攻している研究家であり、本書は、様々な芸能空間を、芸能行為との対応関係においてとらえながら、芸能と建築の創造的交流のための共通言語を見出すことを意図している。特に、芸能空間の基本的な形態として包囲型、対向型、扇形型等に分類し、視軸(空間における主体と対象の位置関係を示すもの)という新しい概念を導入しながら、空間的特質の差異を明らかにしているのがユニークである。

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『ぼくはこうして世界の四大アーティストになった』
嶋本昭三著(毎日新聞社、2001年)

著者は、具体美術協会結成メンバーであり、斬新な創作やパフォーマンスを展開している現代芸術家である。本書のタイトルは、ロサンゼルス現代美術館の展覧会で、ジャクソン・ポロック(米現代美術の代表的作家)、ルーチェ・フォンタナ(欧州現代美術の第一人者)、ジョン・ケージ(現代音楽家)の楽譜と共に、著者の作品「穴」が展示されたことに由来している。本書では美術活動や日常生活がユニークな視点からとらえられ、人生をポジティブに考えられるようになる。

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『スポーツ学の冒険 : スポーツを読み解く「知」とは』
船井廣則 [ほか] 編著(黎明書房、2009年)

著者は、稲垣正浩の薫陶をうけた研究者たちであり、本書は、3部:1.身体に立ち合う 2.民俗に立ち合う 3.歴史に立ち合う から成る。実験系の科学から生み出される科学だけではなく、スポーツ現場の活動を通して培われた経験知と宗教学・哲学・社会学・民俗学等の文系的知も含めて、スポーツを総合的にとらえようとした本である。

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