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中谷 崇 先生(法学部)

 


『数学物語』《改版》(角川文庫 ; 15121 . 角川ソフィア文庫 ; 371)
矢野健太郎 [著] (角川学芸出版、2008年)

数字の表し方の成り立ちから始まり、著名な数学者とその理論が紹介されています。伝記は多少断じ過ぎな嫌いもありますが、気軽に中学数学の復習ができます。数学を遥か彼方に置き忘れてきた学生には思い出すいいきっかけになると思います。あとアラビア数字のありがたみが分かります。
*コメントは《初版》(1961年刊)に対するものです

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『勝ち続ける意志力 : 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」』 (小学館101新書 ; 132)
梅原大吾著 (小学館、2012年)

某格闘ゲームで世界一になったプロゲーマーの著書。ただ結果を出すのではなく、「出し続ける」ことに対する著者の姿勢、そして一般にはあまり認められていない分野に人生の大半を費やし、結果を出した心力には素直に感心する。将来の進路に悩んでいる方は一定の示唆が得られると思います。
*本学ではBKC メディアライブラリー(読楽コーナー)で所蔵しています。取り寄せできます。

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『ことばの哲学 : 関口存男のこと』
池内紀著 (青土社、2010年)

齢14歳にして『罪と罰』の独語訳版を辞書と首っ引きでとにかく読破したという逸話を持つ不世出のドイツ語学者・関口存男(つぎお)の評伝。意味形態論という独自の理論を定立し、2300頁をこえる『冠詞』を著しました。しかし、その人生は順風に帆を上げるものではありませんでした。一人の言語学者の数奇な生涯を追体験してみてください。

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『アリストテレスはじめての形而上学』(NHKブックス ; 1192)
富松保文著 (NHK出版、2012年)

ある物体を別の物体と分かつ境は何のか。どうやら「本質」というのが問題らしい。そこで本質概念が知りたくて手に取ったのが本書。具体例を交えて説明してくれるので思ったより読みやすいです。普段は考えない「本質」について考えるよい契機になると思います。

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『ラテン語のはなし : 通読できるラテン語文法』
逸身喜一郎著 (大修館書店、2000年)

アリバイ、エゴ、アニメなどラテン語由来の言葉は多い。正直、ラテン語文法の知識がないと「通読」は厳しいですが、文法部分はテキトーに読んでもウンチク本として楽しめます。文法を一通り修めた後に読むと語学本として楽しめます。一粒で二度おいしい。

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『ローマ法とヨーロッパ』(Minerva21世紀ライブラリー ; 76)
ピーター・スタイン著 ; 関良徳, 藤本幸二訳 (ミネルヴァ書房、2003年)

「十二表法」とか「市民法大全」とか世界史で習ったと思います。しかし「ローマ法」はそこに留まるものではありません。中世イタリアで復活し、現在のドイツ・フランスなどの法に「法の継受」という形で大きな影響を与えました。本書ではそのローマ法の欧州における歴史を鳥瞰できます。ヨーロッパ史が好きな人にはおすすめです。

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『教会法とは何だろうか』(成文堂選書 ; 26)
ホセ・ヨンパルト著 (成文堂、1997年)

中世イタリアの大学では法学徒はローマ法と教会法を修めていたそうな。日本の法概念にも教会法の影響を受けたと目されるものもあります(pacta sunt servanda:パクタ・スント・セルウァンダや過失責任主義など)。では教会法とは何か。法学部でもなじみのない分野ですが、法の歴史に興味がある方は是非。

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『リーガル・マキシム : 現代に生きる法の名言・格言』
吉原達也, 西山敏夫, 松嶋隆弘編著 (三修社、2013年)

「社会あるところに法あり」。法学部の学生なら誰でも聞いた(聞かされた?)ことがある言葉だと思います。でもその由来をご存知ですか?類書で出典不明とされていた法諺(ほうげん)も、かなりの程度出典を挙げてくれている。学説だの判例だのにウンザリしている人はこんなところから法律の勉強を始めるのもいいかもしれません。

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『法と日本語』(有斐閣新書 ; A-76)
林大, 碧海純一編 (有斐閣 、1981年)

法律の用語や文章は難しいと思いませんか。ではなぜ難しいのか、分かりやすくすることはできないのか。本書は著名な法学者らが法と言葉について分析を加えています。法における「分かりやすい」とは何か、そしてその限界を考える一つ材料になると思います。

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『翻訳語成立事情』(岩波新書 ; 黄版 189)
柳父章著 (岩波書店、1982年)

「彼・彼女」「美」「社会」。当たり前のように使っていますが、これらは翻訳語なのだそうです。本書ではいくつかの翻訳語がどのように形成・定着していったのかが検証されています。必ずしも全てが良い翻訳語という訳ではないようで、言葉を翻訳するということの難しさを痛感しました。近時のカタカナ語の濫用もやむを得ないのか。

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『象は鼻が長い』《改訂増補版》(三上章著作集)
三上章著 (くろしお出版、2002年)

国語で習った副助詞「は」と格助詞「が」を覚えてますか。両方とも主語の文節をつくるとかなんとか習ったと思います。では、この題名の主語は何でしょう。「象は」ですか?「鼻が」ですか?そもそも主語ってなんでしょう。気になった方は是非本書をお読みください。ニホンゴムズカシイ。

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『政治的に正しいおとぎ話』
ジェームズ・フィン・ガーナー著 ; デーブ・スペクター, 田口佐紀子訳 (ディーエイチシー、1995年)

行き過ぎたポリティカル・コレクトネスに対する痛烈な皮肉。白雪姫や赤ずきんちゃんもあたかも別作品のようで、読んでいてついつい突っ込みを入れたくなります。軽々に差別やら偏見やらと結びつけて言葉を統制するのは如何なものか。本書を読んで考えるきっかけにしてみてください。

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『訴えてやる! : ドイツ隣人間訴訟戦争』
トーマス・ベルクマン著 ; 中野京子訳 (未來社、1993年)

訴訟社会というとアメリカを思い浮かべる方も多いかと思いますが、なかなかどうしてドイツも負けていません。鶏が毎朝3時に鳴くことを理由に訴訟沙汰など面白い事例満載です。いささか古いですが、本書を通じてドイツ人の権利意識の一断面を知ることができると思います。

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『三酔人経綸問答』(岩波文庫 ; 6773-6775, 青-110-1, 青-385)
中江兆民[著] ; 桑原武夫, 島田虔次訳・校注 (岩波書店、1965年-)

洋学紳士、豪傑君、南海先生の三人が酒を飲みながら三者三様の立場で天下国家を語るという形で話が進みます。明治期に出版されたものですが、今の日本の状況に置き換えて読んでみると面白いかもしれません。現代語訳されていますので読みやすいです。

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『銀河英雄伝説 シリーズ』(創元SF文庫)
田中芳樹著 (東京創元社、2007-2008年)

銀河の統一王朝であるゴールデンバウム朝銀河帝国と民主共和政を掲げ帝国に抗し続ける自由惑星同盟をめぐるスペースオペラ。いや、むしろ群像劇ないし大河小説です。帝国のラインハルト、同盟のヤンという二人の異才を中心に物語は進みます。正義の同盟が悪の帝国を倒すという単純な勧善懲悪ものでないところが好きです。

本学では所蔵していません。


『民法はおもしろい』(講談社現代新書 ; 2186)
池田真朗著 (講談社、2012年)

題名を読者に実感してもらうためにいろいろと工夫されています。民法は一生かかわるものなので、知らないと損しますよ、という視点で取り上げられている題材が多いので、飲みこみやすいと思います。民法改正に対する著者の考え方には共感を覚えます。

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『民法の聴きどころ』
米倉明著 (成文堂、2003年)

民法を主題に執筆されたものですが、とにかく法学部生には一読してもらいたい。特に一回生は、第一部を読むだけでも講義にどのように臨むべきか一定の指針が得られると思います。「授業料を払っておいて聴講もせずというのは損ではないか。」(本書18頁)

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『私法の道しるべ』《第二版》(民法案内 / 我妻榮著 ; 1)
我妻榮著 ; 遠藤浩, 川井健補訂 (勁草書房、2013年)

民法全体を鳥瞰するものではありませんが、法律学、特に私法の学習をする上で有益な示唆が盛り込まれています。文体も語り口調で読みやすいです。ある程度、民法の学習が進んでから読んだ方が理解が深まると思います。付録「私の試験勉強」も一読の価値あり。

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