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浪田 陽子 先生(産業社会学部)

2018.06.01

浪田 陽子 先生

浪田 陽子 先生の研究概要

【研究概要】
専門分野はメディア・リテラシー(メディア教育)です。様々なメディアがあふれる現代社会において、メディアの仕組みや社会におけるメディアの役割を理解し、メディアのテクスト(メッセージ)を読み解き、また自らも発信する力(=メディア・リテラシー)をどのように身に着けることができるかを探るとともに、学校教育の中にメディア・リテラシーの学びを普及させるための取り組みもしています。子ども時代を含め長期にわたり北米で暮らしていたので、カナダとアメリカ合衆国のポピュラー・カルチャー分析やカナダ人のアイデンティティー形成とメディアの関係性についても研究しています。


『Media education : literacy, learning and contemporary culture』
David Buckingham 著 (Cambridge, U.K.、 2003)

<カテゴリー:メディア学>
イギリスのメディア教育(メディア・リテラシーを教える/学ぶ教育)の分野において第一人者の一人であるバッキンガム博士の代表作です。メディア・リテラシーの理論やメディア教育の系譜・課題などがよくまとまっています。比較的やさしい英文なのでぜひ原書を読んでみてください。

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『メディア・リテラシー : マスメディアを読み解く』
カナダ ・ オンタリオ州教育省 編 ; FCT 訳(リベルタ出版 新興出版社 (発売)、1992)

<カテゴリー:メディア学>
カナダのオンタリオ州において、世界で初めてメディア・リテラシーが学校のカリキュラムで必修化された際に、教師用に作られたリソースガイドです。少し古い本ですが、テレビ、映画、ラジオ、新聞など媒体ごとにメディア・リテラシーの実践がわかりやすく書かれており、その理論や実践法は現代でも有効です。メディア・リテラシーとは何かを知るには最適な1冊です。

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『マクルーハンの光景メディア論がみえる』
宮澤 淳一 著(みすず書房、2008)

<カテゴリー:メディア学>
マーシャル・マクルーハンは、「メディアはメッセージ」「グローバル・ビレッジ(地球村)」などキャッチーなフレーズで知られていますが、彼の著作を理解するのは少々難しいかもしれません。本書は講義という形を取りながら、マクルーハンのテキストを丁寧に読み解き、解説しているのでマクルーハンを知るには最適な入門書です。「学術文献を深く読み込むというのはこういうことなのか!」というお手本としてもお薦めです。

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『さよなら、消費社会 : カルチャー・ジャマーの挑戦』
カレ ・ ラースン 著 ; 加藤 あきら 訳(大月書店、2006)

<カテゴリー:メディア学>
ほぼすべてのマス・メディアには、スポンサー(広告)がついているため、発信される情報の内容は制約を受けます。市民による市民のための情報発信の場として、広告が一切ない雑誌『アドバスターズ』を創刊した編集長による著作。カナダ・バンクーバーに本拠を置くNPOが本誌を発刊するに至った経緯とともに、メディアの影響を受けて大量消費社会に巻き込まれている私たちの生き方に問いを投げかけます。

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『実践カルチュラル・スタディーズ : ソニー・ウォークマンの戦略』
ポール ・ ドゥ ・ ゲイ [ほか] 著 ; 暮沢 剛巳 訳(大修館書店、2000)

<カテゴリー:メディア学>
カルチュラル・スタディーズに関する著作はたくさんありますが、本書は「ウォークマン(初期のカセットのです!)」という商品を現代の文化的産物 / メディアとしてとらえ、表象・アイデンティティー・生産・消費・規制の5つのプロセスから分析しているケース・スタディです。カルチュラル・スタディーズの理論の解説や関連する基礎的な文献も掲載されており、具体的で読みやすい入門書です。

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『池上彰・森達也のこれだけは知っておきたいマスコミの大問題』
池上 彰、 森 達也 著(現代書館、2015)

<カテゴリー:メディア学>
ジャーナリストの池上彰氏と映画監督・作家の森達也氏が、ジャーナリズムや現代の諸問題、メディア・リテラシーについて対談形式で語っています。各ページの下3分の1ほどの脚注に、事項・人物などの解説が書かれており、本文で議論されている国内外の出来事についてよく知らない場合でも、わかりやすく読めるようになっています。メディアを学ぶ学生のみならず、現代社会の諸問題を知りたい、時事問題に詳しくなりたいという人にもおすすめの一冊です。

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『はじめて出会うカナダ』
日本カナダ学会 編(有斐閣、2009)

<カテゴリー:カナダ>
G8の国のなかでも比較的地味なカナダは、行ったことのない人には具体的なイメージがあまりわかないかもしれませんが、比較研究の対象としても非常に興味深い国の一つです。歴史・政治・経済・文化・教育・福祉・環境など様々な分野でカナダ研究をしている専門家が、わかりやすくカナダを紹介しています。地域の特色や研究に役立つ参考文献・サイトなどの資料も充実しています。まさに、はじめてカナダに出会った人に、この国の魅力を伝えます。

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『現代カナダを知るための57章』
飯野 正子、 竹中 豊 編 著(明石書店、2010)

<カテゴリー:カナダ>
本書も『はじめて出会うカナダ』と同様、日本カナダ学会に所属するカナダ研究の専門家が、自然環境・民族・社会・文化・政治・経済・歴史などの諸分野におけるカナダの動向を紹介しています。細分化された様々なテーマを扱っているため全57章・14コラムから構成されていますが、各章とも4~5ページ程度にまとめられていて気軽に好きな所から読めます。あなたの興味があるテーマも、必ずや見つかるでしょう。

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『カナダを旅する37章』
飯野 正子、 竹中 豊 編 著(明石書店、2012)

<カテゴリー:カナダ>
『現代カナダを知るための57章』と同じ編者による、姉妹書。タイトルには「旅する」とありますが、旅行ガイドブックではありません。カナダの歴史・代表都市・政治・文学・日系人・アートの7つのテーマに沿って、カナダを「知的に旅する」ことを目的としたものです。本書を読んで多様性を抱えた国カナダについて知ると、実際に訪れて自分の目でその魅力を確かめたくなるかもしれません。

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『失われた祖国』
ジョイ ・ コガワ 著 ; 長岡 沙里 訳(中央公論社、1998)

<カテゴリー:カナダ>
第二次世界大戦中、北米の日系人は強制収容所に送られました。戦後長いこと、日系人はそのつらい体験を語ることがありませんでしたが、本書は日系カナダ人の著者が戦中・戦後の体験をフィクション化し1981年に出版したもので、全米図書賞などアメリカ合衆国とカナダで複数の賞を受賞しました。世界で唯一、法的基盤に基づいて多文化主義政策を取るカナダですが、そこに至るまでの道のりは平たんではありませんでした。原書の英語も平易で読みやすいです。

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『Obasan』
Joy Kogawa 著(Anchor Books、1994)

<カテゴリー:カナダ>
『失われた祖国』の原書。推薦の言葉は上記をご覧ください。

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『ボクの音楽武者修行』
小沢 征爾 著(新潮社、1999)

<カテゴリー:音楽>
世界のオザワが、まだ20代のころに書いた留学生活の回想記。偶然にも大学院時代に留学先の大学図書館で手に取りました。貨物船に乗って何週間もかけて、まさに背水の陣でヨーロッパへ留学した著者に比べ、好きな時に飛行機で往復し、インターネットでたえず家族や友人とつながっていられる自分の留学生活はいかに生ぬるいかと愕然としました。何かを成し遂げるには、ここまでの覚悟が必要なのですね。留学する人にも、自分の夢を見つけて走り出そうという人にも、ぜひ読んでほしい一冊です。

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『絶対音感 = Absolute pitch』
最相 葉月 著(小学館、1998)

<カテゴリー:音楽>
皆さんは様々な音や音楽は、どのように聴いているでしょうか。「鳥のさえずりや救急車のサイレンがドレミで聴こえる」と書かれた本書の新聞広告を見て、「それって普通じゃなかったの?」と逆にとても驚いて、本書を手に取りました。自分にとって当たり前のことでも、実は全く当たり前ではないことに、私たちはなかなか気づく機会がないのかもしれません。研究者によるデータに基づいた著作『絶対音感神話』(宮崎謙一著、化学同人、2014年)も合わせてどうぞ。

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『言語はどのように学ばれるか : 外国語学習・教育に生かす第二言語習得論』
パッツィ ・ M. ライトバウン, ニーナ ・ スパダ 著 ; 白井 恭弘, 岡田 雅子 訳(岩波書店、2014)

<カテゴリー:言語学・英文学>
グローバル化が進むこの時代において(いや、国際化が叫ばれた何十年も前から?)外国語の一つや二つが身についていれば、仕事のチャンスも増え生活圏も広がると言われてきました。翻訳や通訳に頼らず、世界の人々と直接コミュニケーションを取れることが、最大の利点であり楽しみかもしれません。第二言語習得に関する理論や効果的な学び方・教え方を説いた本書を読んで、学生のうちに外国語を一つはマスターしてみませんか。

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『How languages are learned (Oxford handbooks for language teachers)』
Patsy M. Lightbown and Nina Spada 著(Oxford University Press、2013)

<カテゴリー:言語学・英文学>
『言語はどのように学ばれるか : 外国語学習・教育に生かす第二言語習得論』の原書。推薦の言葉は上記をご覧ください。

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『The remains of the day (Vintage international)』
Kazuo Ishiguro 著(Vintage Books、1990)

<カテゴリー:言語学・英文学>
昨年ノーベル文学賞を受賞した著者の長編第3作目で、アンソニー・ホプキンス主演で映画化もされています(邦題『日の名残り』)。英国の執事が旅をしながら過去を回想するお話ですが、読むたびに新たな発見があり、自分の人生についても考えさせられる1冊です。翻訳版や映画にもそれぞれ良さはありますが、著者の流れるような美しい英文を味わってほしく、原書をおすすめします。

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