深尾 浩次 先生(理工学部)
2021.05.01
『大栗先生の超弦理論入門 : 九次元世界にあった究極の理論 』
大栗博司著(講談社、2013)
『重力とは何か : アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る』
大栗博司著(幻冬舎、2012)
『数学の言葉で世界を見たら : 父から娘に贈る数学』
大栗博司著(幻冬舎、2015)
この三冊の著者大栗さんは、私の大学時代の同期です。だからこの本を推薦すると思われるかもしれませんが、それが理由ではありません。まずはこれらの本を読んでみて下さい。最先端の物理学の成果、数学の内容などを、ここまで解りやすく、しかも厳密性を失わずに説明した本を私は知りません。これらの本を通して、物理と数学の面白さ、素晴らしさを感じて欲しいと思います。私たちの住んでいる宇宙がひもからできていると言われてもそんなの理解できませんよね。でもこの本を読めばなんとなくわかった気になるでしょう。また、重力の起源や数学が如何に私たちの生活に役立っているのか、そんなことをわかってもらえたら嬉しいです。
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『京都ぎらい』
井上章一著(朝日新聞出版、2015)
立命館を選ぶ学生さんの多くは、「立命館は京都にある」というのを理由とします。一方で、京都は「いけず」な人が多くて、住みにくいという人もいます。京都育ちで、ずっと京都に住んでいる著者が書いたこの本を読めば、京都への見方がかわるかも知れません。ただ、衣笠・朱雀キャンパスの周りの京都人がみんなこの本に出てくるような人であることを保証するわけではありませんので念のため。
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『カラマーゾフの兄弟』
ドストエーフスキイ著(新潮社、1978)
私は大学時代に、京都の狭いアパートにこもってこの本を読みました。ドストエーフスキイの作品では罪と罰が有名ですが、私はこちらをお勧めしたいです。こんな長い本は、時間のある大学時代しか読めませんので。複雑な人間関係、父親殺しの疑いを掛けられた子供の裁判を中心に様々な物語が絡み、なかなか内容を理解しがたいですが、「読んだ感」はすごく残る本です。
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『それから』
夏目漱石作(岩波書店、1989)
夏目漱石は中学・高校で読んだ人も多いと思います。とくに、「こころ」はいくつかの教科書に掲載されており、有名だと思います。私も漱石の作品は大好きですが、ここでは、「それから」を薦めることにします。この作品は、三四郎、門に挟まれた漱石の前期三部作の真中の一冊で、修繕寺の大患後の後期三部作 彼岸過迄、行人、こころに至る、漱石の心の葛藤が全面に出てくる前の、ある意味、清々しさのある漱石の作品の代表だと思います。主人公長井代助の生き方は、漱石が好んで用いた「高等遊民」そのものです。ごく一部の方に限られたとは思いますが、当時の社会には、そのような生き方のできる人を許容するような優しさがあったと思います。ちょっと憧れの生活です。
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『ソ連が満洲に侵攻した夏』
半藤一利著(文藝春秋、2002)
皆さんは、昭和20年8月に何があったかを知っているでしょうか。立命館憲章は平和と民主主義に基づいているのは聞いたことがあるでしょう。でもそんなことより、実際に、終戦直後に当時中国大陸にあった満州国で起こったことを知れば、平和の大切さが実感できると思います。この本は、満州に住んでいた日本人を襲った悲劇を淡々と書いています。
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