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川村 貞夫 先生(理工学部)

 


『フランス革命と数学者たち : デカルトからガウスまで』
田村三郎著(講談社ブルーバックス  1989年)

学生の皆さんがよく知っているガウス、フーリエ、ラプラス、ポアソン、ラグランジュ、 ダランベール、カルノー、ボルダ、クーロン、デカルト、フェルマーなど16世紀から フランス革命前後までの数学者・科学者の生き様が歴史的事実や当時の状況と重ね合わせて 説明されています。高い業績を残した人物たちが、どのように苦労し、人生を生きたかを知ることは、有名な公式や原理を記憶するだけでは得られない多くの内容を我々に教えてくれます。

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『論語と算盤 : 現代語訳』
渋沢栄一著(ちくま新書  2010年 他)

君子の尊ぶべき道とされる論語と市場経済原理の象徴としての算盤。この2つは背反するものではないことを渋沢栄一がすでに100年以上前に指摘していました。100年以上前にも現在と同様の問題が発生して、その問題解決のために渋沢栄一が明快な考え方を述べています。企業活動では、論語と算盤の両方を重んじることの重要性がよく理解できます。経営学、経済学以外の理工系の学生諸君も、今後の長期的視点での企業活動の在り方を考える機会としてほしいと思います。

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『サムライと英語』
明石康, NHK「英語でしゃべらナイト」取材班 [著](角川書店 2004年)

立命館大学客員教授でもあった著者の明石康氏から直接この本を送って頂きました。幕末から明治にかけて、サムライたちがどのように英語と格闘して、社会を切り開いていったかが、よくわかります。現代に生きる我々は、当時のサムライの覚悟をもって英語を勉強しているだろうか。19世紀のサムライたちが使命感をもって英語を勉強する姿勢から21世紀に生きる我々が学ぶことが多いと思います。

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『デクステリティ巧みさとその発達』
ニコライ A. ベルンシュタイン著(金子書房 2003年)

人間やロボットの構造に共通する多関節構造には、複雑な特徴があり、その運動原理には多くの謎が存在します。現在でもスポーツ等で人間の運動方法を絶妙に変化させることにより大きなパフォーマンスの向上が達成されています。ベルンシュタインは1940年ごろにこの本を著し、人間の運動には多くの不思議な能力があることを、豊富な知識を基盤に指摘しています。スポーツ科学のみならずロボティクスの研究テーマとしても非常に興味深い内容であり、学部学生諸君にも容易に読める表現となっています。

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『大空への挑戦 : 航空学の父カルマン自伝』
カルマン[著] (森北出版 1995年)

航空学、ロケット工学の基礎を築いたカルマンの自伝です。流体力学の深い科学的考察を基礎に実際の航空機製作という高度な技術を構築する過程を、カルマン自身の表現で、生き生きと描かれています。第1次世界大戦後のドイツでの航空機製作からアメリカでのロケット開発までの科学と技術の概要を知ることができます。また、工学として産業界と学界がどのように連携し協力すべきかのヒントも隠されているように思います。流体力学を専門としない学生諸君にもぜひ読んでもらいたい一冊です。

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『飄々楽学 : 新しい学問はこうして生まれつづける』
大沢文夫著(白日社 2005年)

生物物理学の大沢文夫氏の研究者としての記録をまとめものです。しかし、大沢氏の個人の記録でありながら、新しい学問がどのように生まれるかを深く理解することができます。また、研究のはじまりは素朴な興味やアイディアであり、研究費が無くとも知恵と工夫で研究を開始できることを学ぶことができます。物理学、化学、生命科学以外の分野の学生諸君にも新しい学問の生まれる過程を理解してもらいたいと思います。

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『ロボットにかける夢 : 知と身体の調和をめざして』
有本卓著(岩波書店 2000年)

立命館大学の教授も務めた有本卓氏が、ロボティクスと哲学、機械知能、機械と人間の思考、身体性とロボティクス等について、分かりやすくまとめた本です。機械、電気、情報、スポーツ科学等の分野の学生にとって、分野を横断するロボティクスの概要を理解することができると思います。また、同氏の著書「数学は工学の期待に応えられるか」 岩波書店 2004年も数学と工学について考えるよい機会となると思います。

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『映像の世紀 : the 20th century』
(NHKエンタープライズ  2005年)

「映像の世紀」は、NHKの放送開始70周年記念番組として制作・放送されたドキュメンタリー番組です。世界30か国以上のアーカイブから収集した貴重な映像と回想録や証言等で20世紀を描いています。20世紀は人類が初めて映像という手段で記録を残せました。これらの記録から我々は、我々の未来のために多くのことを学ばなければならないと思います。山根基世氏のナレーションと加古隆氏の音楽もすばらしい効果を出していると思います。大学卒業までには一度全巻を視聴して、何かを考えてほしいと思います。

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『武士道』
新渡戸稲造著 ; 奈良本辰也訳・解説(三笠書房 1997年 他)

日本を理解するうえで一度は読んでほしい書です。本書は武士道という日本人に大きな影響を与えた考え方を紹介し、その優れた点のみならず、問題点も指摘しています。今後、国際人の教養として、一読することを勧めます。訳・解説の奈良本辰也氏は、立命館大学文学部の教授を務められました。

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