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北村 佳久 先生(薬学部)

2018.11.01


『二重らせん(講談社文庫 P460)』
ジェームズ ・ D ・ ワトソン 著; 江上 不二夫 ・ 中村 桂子 訳(講談社、1986年)

James D. Watson,
The Double Helix (Weidenfeld Publishers Ltd., 1968)
著者のワトソン博士は、クリック博士およびウィルキンス博士とともに1962年にノーベル生理学・医学賞を受賞されました。私が学生の頃、生化学・分子生物学を教えて頂いた恩師の先生方が学生時代、影響を受けたバイブルの1つです。ワトソン博士の目線から見たDNA構造解明の黎明期の興奮が伝わってきます。

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『二重螺旋 完全版』
ジェームズ ・ D ・ ワトソン 著; 青木 薫 訳 (新潮社、2015年)

James D. Watson,
The Annotated and Illustrated Double Helix (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2012)
「The Double Helix」が発表されてから40年余りの時を経て、旧版にはなかった貴重な資料写真・関係者間での書簡・実験ノートなど多数収録され、「完全版」として現代に降臨。「二重らせん」と合わせて読むと、タイムスリップして自分もこの研究に携わっているかのような感動と興奮を体験できるでしょう。

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『精神と物質:分子生物学はどこまで生命の謎を解けるのか』
立花 隆 ・ 利根川 進 著(文藝春秋、1993年)

近年、ノーベル賞は2・3人での共同受賞が一般的になっている中、利根川博士は単独で1987年ノーベル生理学・医学賞を受賞。大学の学部生時代は化学科で学び、その後、分子生物学の道に進み、「ウィルス→免疫→脳」へと研究分野を横断的に極めた巨匠。私の年代のバイブルの1つです。研究への熱い意気込みを感じてください。

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『人間はどこまで耐えられるのか』
フランセス ・ アッシュクロフト 著; 矢羽野 薫 訳 (河出書房新社、2008年)

Frances Ashcroft,
Life at the Extremes: The Science of Survival (Harper Collins Publishers, 2000)
私たちヒトは、重力 1G、1気圧、20.9%酸素の条件で生活しています。では、チョモランマの山頂、深海の底、灼熱の砂漠、極寒の北極、さらに宇宙空間の無重力状態ではどうなるのでしょうか?私たちの限界を脳内妄想により、体感してみましょう。

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『ヒト : 異端のサルの1億年(中公新書2390)』
島 泰三 著 (中央公論新社、2016年)

私たち現生人類(ヒト)は、動物学上、霊長目真猿亜目ヒト上科に属するホモ・サピエンス・サピエンス(Homo sapiens sapiens)です。ヒト上科には約300万年前に絶滅したアファール猿人(アウストラロピテクス・アファレンシス)も属し、その内ルーシーは発掘中、ビートルズの楽曲「Lucy in the sky with diamonds」が流れていたことに由来して名付けられたことは有名です。現生するヒト上科には、オランウータン、ゴリラ、ボノボ、チンパンジーも属しています。私たちヒトは、どのように分岐し進化したのでしょうか?異端のサルの1億年の旅をしてみましょう。

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『背に腹はかえられるか : 生物の極性とからだづくり』
石原 勝敏 著 (裳華房、1996年)

私たち哺乳動物は立体構造、つまり頭尾・腹背・左右から成り立っています。このような立体構造は、どのようにして形成されるのでしょうか? 皆さんが持っているスマートフォンの位置情報は、約2万キロ上空のGPS衛星からの信号で認識されています。アメリカでは携帯電話のことをセルフォン(cellphone)と呼んでいます。一方、細胞(cell)は体の最小単位を意味します。分化した細胞は、体内のシグナルで位置情報を読み取り、移動すると考えられています。現在、3次元の形態形成に関与する遺伝子が、色々と同定されています。この本は、約20年前に出版されたものですが、形態形成の原理を入門編として分かり易く説明しています。背に腹をかえてみませんか。

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『数字で読み解くからだの不思議:楽しみながら学べる人体の入門書(ブルーバックス B-1752)』
竹内 修二 監修 (講談社、2012年)

2013年にヒトの体は37兆個の細胞によって形態形成されていると論文発表されました。この本は2012年に出版されたもので、一部、データが古いものもありますが、基本的には現在と同じ情報です。 自分自身の体について、数値で読み解いてみましょう。

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『ホワット・イフ?』
ランドール ・ マンロ ー著; 吉田 三知世 訳(早川書房、2015年)

Randall Munroe,
What If?: Serious Scientific Answers to Absurd Hypothetical Questions (xkcd Inc., 2014)
著者が運営するウェブサイトに寄せられた質問と回答をまとめたもの。摩訶不思議で、くだらない質問に対しても、まじめに科学的に解答してくれています。何の役にも立ちそうにないものばかりですが、そのまじめさには脱帽。愚直にサイエンスと向き合ってみませんか。

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『新薬の狩人たち:成功率0.1%の探求』
ドナルド ・ R ・ キルシュ、 オギ ・ オーガス 著; 寺町 朋子 訳 (早川書房、2018年)

The Drug Hunters: The Improbable Quest to Discover New Medicines
イタリアのアルプス氷河で見つかった約5300年前のミイラ(エッツィ)はカンバタケというきのこを持っていました。現在、これは当時の常備薬ではないかと考えられています。このように、ヒトは昔からドラッグハンターとして、よく効く薬物の発見・開発に挑んできました。この本は、新薬の狩人(ドラッグハンター)たちの挑戦の歴史について、色々な知識をちりばめながら、紹介しています。将来、創薬研究者を目指す人は必読です。

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残念ながら、この図書館にはありませんが、 私は中高生の時、手塚治虫の「火の鳥」(全12巻)を愛読し、「生命とは何か、人生とは何か」について色々と思いを巡らせていました。その後の進路・人生観、さらに現在の研究テーマにも影響を受けました。もし、機会があったら、手に取って見てください。
皆さん、どうでしたでしょうか?
これらの本では、まだ満足できないという人は、下記の本を参考に、さらに刺激を求めて、自分探しの旅に出発してみてください。

人生を狂わす名著50
三宅香帆(京都天狼院)著; (ライツ社、2017年)