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小野 雄三 先生(理工学部)

 


『心の休ませ方』
加藤諦三著(PHP文庫、2007年第5刷)

副題に『「つらい時」をやり過ごす心理学』とあるように、人生にはそういう時が必ずあり、その対処方法を事前に考察しておくことは望ましい。前著『「日本型うつ病社会」の構造』に対して「ではどうすればよいか」の回答を与えた書とも言えよう。

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『日本人の忘れもの』
中西進著(ウエッジ、2005年第9刷)

文化功労者の著者が、日本に失われつつある「人間を尊重する心豊かな社会」を保つために忘れずにいたいことを淡々と綴っている。これに続き2と3が出されている。似たようなことを急進的に声高に唱えたのが、「国家の品格」(藤原正彦、新潮新書141、新潮社、2006年14刷)と言えるかも知れない。

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『京都インクライン物語』
田村喜子著(山海堂、2002年)

BKCに着任し、琵琶湖疏水の建設が大学の卒研成果から始まったことを知らされ、感銘を受けて探し出したのがこの本である。田辺朔郎の強い意志もさることながら、21歳の工学士を主任技師に当たらせた京都府知事の行政面の手腕も見逃せない大ロマン物語である。同じ内容を史実的に扱った「よもやまばなし琵琶湖疏水」(浅見素石、淡海文庫34、サンライズ出版)もある。

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『薬師寺再興』
寺沢龍著(草思社、2000年)

薬師寺金堂の再興を一般大衆の百満巻写経を勧進して建立基金を調えた高田好胤住職と、宮大工の西岡常一棟梁のドラマを描いたノンフィクションである。祖父の西岡常吉、西岡常一、弟子の小川三夫の三人には職人の本質を見るような気がする。

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『大黒屋光太夫』
山下恒夫著(岩波新書、2004年)

鎖国の江戸中期、アリューシャン列島に漂着した光太夫らが帝政ロシアのペテルスブルグでエカテリーナ二世に謁見、直訴して帰国を果たすまでの10年間の数奇な漂流物語。幕末の漂流記「ジョン万次郎漂流記」(井伏鱒二、新潮文庫、新潮社、1986年、直木賞受賞)は、後年通訳(旗本)となり活躍した幕末動乱期の歴史を含め興味深い。

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『生物と無生物のあいだ』
福岡伸一著(講談社現代新書、2007年)

分子生物学を平易に説いた内容もさることながら、人を飽きさせずに物事を理解させる著者の筆致には思わず引き込まれてしまう。科学啓蒙書はかくあるべしというお手本のような本。科学ジャーナリスト賞を受賞と知り納得。

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『人の値段 考え方と計算』
西村肇著(講談社、2004年)

青色発光ダイオード発明者の中村修二氏の発明について、理系の著者が事実を分析して分配ルールを引き出し、それに基づいて対価の額と特許への貢献度を計算した。企業での技術開発経験のある身としては納得出来る内容ではあるが、実際はそれをはるかに下回る額で和解してしまったのは残念である。

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『挑戦』
日経エレクトロニクス編(日経BP社、1999年)

副題に「開発者だけが知っていた苦悩と葛藤の舞台裏」とあるように、NHKのTV番組「プロジェクトX」と同様な、「青色発光ダイオードの日亜化学工業」を筆頭に電子業界の開発実話7編が異なる著者で採録されている。脚色され過ぎている面もあるが、技術者の真摯な姿の一面がうかがえる。

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『宇宙授業』
中川人司著(サンクチュリア・パブリッシング、2006年)

アメリカの博士課程で天文学を学び、宇宙開発事業団を経て大阪で高校教師をしている著者が、宇宙に関する疑問に簡潔に答えている宇宙への入門書。宇宙のスケールの大きさを楽しめる。

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