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橋本 健志 先生(スポーツ健康科学部)

 


今回のテーマ:生命科学や生理学のおもしろさに触れよう!

『知のミネラルウォーター : nature初級篇 : nature science update』
ネイチャー・ジャパン編(徳間書店、2001年)

Natureはイギリスで創刊された国際的に最も著名な科学誌のひとつです。これまでに知られている大きな成果(DNAの二重螺旋構造の発見など)の多くは、この雑誌から発信されています。本書は科学の進化するスピードを考えると少し古いですが、10年程前のNature誌に掲載された大変興味深い科学的知見を紹介しています。この10年でそれらの知見がどの程度発展しているのかを調べてみるのも面白いと思います。

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『空飛ぶガチョウはなぜ太らないか : ヒトと動物の進化戦略』
E・P・ウィドマイアー著(化学同人 、2000年)

生理学の面白さはこの本の中にある!と言っても過言ではないくらいに興味深い本です。我々の周りに 生息しているありとあらゆる生物、とりわけ哺乳動物の生理学を探求することは、我々ヒトのからだを生理学的に探求する上で極めて重要なことに思います。例えば潜水性海生ほ乳類のアザラシは、30分以上の 潜水が可能です。それを可能にしているメカニズムは??このハテナが多ければ多いほど、その探求は面白くなります。是非、皆さんの知的好奇心を高めてみてください。

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『脳はなにかと言い訳する : 人は幸せになるようにできていた!?』
池谷裕二著(新潮文庫 、2010年 他)

脳は私たちの行動を制御しています。スポーツ科学の立場では、生理学的あるいは生化学的に筋肉や心肺機能を高めることを目的のひとつとしますが、最終的には脳の指令によって運動パフォーマンスは制御されているとも考えられます。この本では、まだまだ謎めいている脳についての最新の科学的知見を、非常にわかりやすく、おもしろく紹介しています。例えば、柔道着が「白」よりも「青」の方が勝てる?ど忘れするのは歳のせいではない!?モチベーションはどうやって高める?などなど、身近な疑問や、え?と思うことを、科学的に見事に教えてくれるのです。これの運動生理学版を何とか私も書いてみたい!と意気込むのですが。。。。

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『からだの生化学』
田川邦夫著(丸善 、2008年 他)

スポーツ健康科学部の基礎理科の「化学」で、生物学との境が微妙であると感じた(あるいは感じる)学生も多いことでしょう。それもそのはず、「生命現象の基本的特性の一つは、酵素に媒介される不断の化学反応である」(本書の序より)からです。本書は特に、細胞の生命現象を支えるエネルギー代謝について、非常にわかりやすく書かれてあります。また、組織と組織の生理的な関連性がよくわかる本です。大学院レベルかもしれませんが、理解が深まるはずです

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『できそこないの男たち』
福岡伸一著(光文社新書 、2008年)

本書は、性決定遺伝子SRY(Sex-determining region Y)の発見を巡る科学の世界を見事に綴ったものです。著者である福岡伸一氏は、米国でポスドクとして(ポスドクがわからなければ是非次の「生物と無生物のあいだ」を読もう)過ごし、その後学際で教授として活躍する分子生物学者ですが、その文章力たるやただただ感嘆するばかりです。サイエンスの世界の臨場感、そして面白さが伝わる本です。

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『生物と無生物のあいだ』
福岡伸一著 (講談社現代新書 、2007年)

生命科学分野のこのような本を待っていた!と思ってしまう、そんな待望の本書を是非読んでみて欲しいと思います。科学の歴史を変えた様々なノーベル賞受賞研究、そこに至る過程にはどのような人間模様が繰り広げられてきたか、その裏にはどんな事実が潜んでいるのか、読み出すと止まらなくなります。
また、著者の研究者としての苦悩なども書かれており、研究の世界を少し疑似体験できるかもしれません。

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『からだと健康大研究』NHKウルトラアイ 1
(日本放送出版協会 、1983年)

現在で言うところの「ためしてガッテン」でしょうか。日常の様々な疑問や関心事について実際に簡単な実験をし、それを検証して結論を導いています。非常に古い本ですので、もしかしたら今では常識となっていることも含まれるかもしれませんが、逆にどのようなアプローチがなされていたかについて触れると、また面白いかもしれません。

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『体温を上げると健康になる』
齋藤真嗣著(サンマーク出版 、2009年)

世間では大変話題になった本です。医師の立場から、低体温と病気との関係をわかりやすく解説しています。風邪をひくとやっぱりつらいものですが、そうならない為には、、、、?本書には科学的根拠に基づいて、理想的な日々の過ごし方について記載されています。私には無理かな、と思いつつも、本書でのロジックには興味あるところです。是非、実際に読んでみて、自身の感想を持ってみてください。

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『病気にならない生き方 : ミラクル・エンザイムが寿命を決める』
新谷弘実著(サンマーク出版 、2005年)

これも非常に話題になった本です。私は乳製品が大好きですが、この本では奨励されていません。乳製品のみならず、お肉やお酒など、食の楽しみを減らされる感のある本です。なぜこの本を手にしたかというと、私の友人の女性がこの本に感銘を受け、大好きでそれまで欠かさず飲んでいた牛乳はじめ、本書で奨励されていない食べ物を食べないようにしていったところ、悩んでいた頭痛、生理痛、便秘がことごとく解消されたということで、私に一読を勧めて来たのです(私は生理痛は勿論、頭痛や便秘で悩んでいるわけではありませんでしたが読んでみました)。賛否両論あると思いますが、是非読んで、自身の意見を持ってみてください。

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『スポーツ科学でわかる身体 (カラダ) のしくみとトレーニング』
小河繁彦著(丸善 、2011年)

著者は私の尊敬する先輩研究者です。循環器系の生理学で「世界のOgoh」と呼ばれる著者が、現在のスポーツ科学では、どのようなところまでわかっていて、どのようにトレーニングに応用できるのか、幅広いテーマを分かり易く、そして鋭く切り込んで解説しています。是非読んでみてください。

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