堀 一三 先生(経済学部)
自己紹介も兼ねて、研究に関連する書物を紹介した後、好きな書物を紹介することとする。
『市場を創る : バザールからネット取引まで』
ジョン・マクミラン著 (NTT出版、2007年)
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『経営戦略のゲーム理論 : 交渉・契約・入札の戦略分析』
ジョン・マクミラン著(有斐閣、1995年)
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私の研究分野は、戦略的関係のある経済主体が自己利益を追求し、その結果、社会的利益と如何に乖離するのか、またその結果、発生する問題をどうしたら(特に、明示的、暗黙的契約によって)解決することが出来るかにある。この2冊はその良解説書である。どちらも、分かりやすく書かれている上に、訳も秀逸である。
『組織の経済学』
ポール・ミルグロム, ジョン・ロバーツ著(NTT出版、1997年)
現在の研究の原点ような本である。学部生時代に翻訳の手伝いをした思い出の一冊。元来、経営学(組織論)に興味を持っていたのだが、現在のような研究をするに至るきっかけを作った書物である。
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以下は、研究とは「直接」無関係な本である。ただ、経済学は、人間行動の科学であるから、どんなことでも、無関係ではいられない。役に立つとか、考える前に、いろいろな本を読んでみて欲しい。
『雨月物語』
上田秋成著 青木正次全訳注(講談社学術文庫、1981年)
日本文学の最高傑作(と思っている)。江戸時代に書かれた霊異記。この書物の本当の意図を当初理解することが出来なかった。青木氏の解説は、判りやすい。村上春樹と比較すると興味深い一冊である。
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『大和古寺風物誌』
亀井勝一郎著(新潮文庫 、1997年)
絶望に対して、古来の人々がすがった信仰。本書は、その信仰の形を紹介する。この書物が書かれたのは戦中、戦争直後。法隆寺の門前もこの頃とは大きく様変わりしてしまっている。しかし、そこから、法起寺、法輪寺に足を向けると、この本に書かれた様なのどかな風景が残っていた。この本を持って、奈良に出かけよう。
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『中島敦全集』
中島敦著(ちくま文庫、1993年)
悩みを解決する方法の一つは、その悩みは誰でも持っているものなのだと知ることだろう。中島敦の小説は、軽快に読める上に、この悩みについての洞察を与えてくれ、明日からはどうするべきかを考えるきっかけを与えてくれるであろう。
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『スピノザの世界 : 神あるいは自然』
上野修著(講談社現代新書、2005年)
哲学とは何かという疑問を持ってみたら?哲学書の中で、スピノザの「エチカ」は、短く、簡潔である。でも読んでみると、無機質な感覚しか残らない。この本は、そうではないんだ、どうしてスピノザがこの本を書いたのか、から、彼の考え方に至るまで、分かりやすく解説されている。
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『ゲーデル,エッシャー,バッハ : あるいは不思議の環』
ダグラス・R・ホフスタッター著(白揚社、2005年)
20年ほど前に流行った本。ここで取り上げたのは、このような本は、大学生の時ぐらいしか読む暇がないから。内容は、まだ十分理解していない。
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『The missing piece』
Shel Silverstein著(HarperCollins、1976年)
児童書。でも大人が読んでもいいじゃない。訳本も出ているが、簡単な本だから、原著で読むことをおすすめ。続編の「The Missing Piece Meets the Big O」(HarperCollins、1981年)も合わせて。
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