伊坂 忠夫 先生(スポーツ健康科学部)
『Muybridge's complete human and animal locomotion : all 781 plates from the 1887 Animal locomotion I,II,III』
Eadweard Muybridge 著 (Dover Publications 1979年)
写真の技術が開発されて、初めて動物と人間の動き(連続写真撮影)を捉えた写真集である。今から150年前のものである。「動き」を観察するために、日常動作を含めあらゆる動作が収められている。科学の第一歩である観察を定量するための記録集ともいえる。動きに興味ある人は必見である。
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『デクステリティ巧みさとその発達』
ニコライ A. ベルンシュタイン著 (金子書房 2003年)
人間の巧みな運動・動作についての学習、運動制御についてのベルンシュタインの深い洞察を読むことができる。ベルンシュタインは、半世紀前の神経科学者であり、現在もその明晰な理論は評価されている。人の巧みさを考察上では欠かせない本である。
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『好きになる解剖学 ; Part 2 : 関節を動かし骨や筋を確かめよう』
竹内修二著 (講談社 2005年)
人間の身体運動は、関節をまたいでいる筋肉が活動することで実現している。人間の筋肉の着き方は、動きに影響を与える。この本では,名称暗記に陥りがちな解剖学を、「なぜこんな風に筋肉が着いているの?」と素朴な疑問に明快に答えてくれている。興味溢れる人体の構造と機能を解説してくれる一冊である。
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『世界は分けてもわからない』
福岡伸一著 (講談社現代新書 2009年)
人間を構成している細胞の中のタンパク質は、20種類のアミノ酸の連鎖によって構成されている。そのアミノ酸をつくる情報が遺伝情報である。我々の身体をいろんなレベルのスケールで分析することは可能であるが、それぞれの解析レベルをつなぐ視点が必要なことをこのタイトルは物語っている。
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『脳を鍛えるには運動しかない! : 最新科学でわかった脳細胞の増やし方』
ジョン J. レイティ, エリック・ヘイガーマン (日本放送出版協会 2009年)
脳科学研究はこの間、目覚ましい勢いで次々と新しい知見が解明されてきている。この本は運動が脳の機能へどのように影響を与えているのかを最新の研究論文をもとにまとめたものである。これまで常識とされてきた「脳細胞は成人後に減るばかりである」というのは事実ではなく、脳細胞新生は、年齢に関係なく起こることも指摘されている。特に、運動がこの脳細胞新生に影響し、認知機能との関連についても興味深い。脳科学から運動を見つめ直す本である。
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『新インナーゲーム』
ティモシー・ガルウェイ著 (日刊スポーツ出版社 2000年)
この本の著者は、もとテニスのレッスンプロである。そのときの指導の中から、「コーチング」についての著者の理論をまとめた本である。現在では、ビジネスコーチングのカリスマ的存在になっている。指導する、相手の能力を引き出すことに興味ある方は、スポーツ、ビジネスに限らず是非読んでもらいたい。
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『最後の授業 : ぼくの命があるうちに』
ランディ・パウシュ, ジェフリー・ザスロー著 (ランダムハウス講談社 2008年)
ガンにおかされ、余命半年と宣告されたパウシュ教授が、これまでの人生ならびに研究生活を総括した本であり、そのメッセージは関連研究者のみならず幅広い層から共感をえている。実際の「最後の授業」はインターネットでも公開されている。
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『カラマーゾフの兄弟』
ドストエフスキー著 (光文社古典新訳文庫 2006年)
誰もが知っている世界の名著である。また、多くの小説にも引用されているほど文学を語る上では外せない存在である。これまで通読を何度となく試みたが、亀山郁夫訳のおかげでついに読み通せた感がある。大学時代に、この歯ごたえのある名著を是非とも読んで人間の内面世界を広げて欲しい。
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