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野一色 直人 先生(経済学部)

 


『こころの処方箋』
河合 隼雄 著(新潮社)

「努力すれば、目標は必ず達成できる」、「自己啓発」といった言葉をよく聞きますが、常に、やる気を維持することは無理です。自分はダメかもしれないと思うようなふとした時に、自分自身や周りを振り返る機会にこの本が参考になると思います。例えば、「人の心などわかるはずがない」や「マジメも休み休み言え」といった言葉が並べられているのが、この本です。この言葉はなんだろうと気になる人はぜひ手にして下さい。

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『ベスト&ブライテスト』
デイビッド・ハルバースタム, 浅野 輔 著(二玄社)

日本は米国に先の大戦で負けましたが、果たして、米国のシステム・判断等は常に正しいのでしょうか。この本では、ベトナム戦争において、米国が、泥沼・負け戦に陥る様子が如実に示されています。当時の最高の頭脳を集めたと言われる大統領のスタッフですが、現状(現場)を見ない姿勢、自分にとって都合の良い情報をのみを選択する姿勢、上の意向に沿って数字をでっち挙げる現場の様子等が克明に描かれています。
これらの問題は、外国のシステム等が常に正しいわけではなく、また、運用する人間によって、失敗がもたらせる一例を示しています。

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『鉄道と刑法のはなし』
和田 俊憲 著(NHK出版)

「鉄道と刑法という組み合わせは一見斬新なもののように思われるかもしれない。しかし、いずれも我が国の近代化に関わる重要な道具として国家が調えたものであり、この二つはじつのところ極めて相性のよい、必然性すら感じられる関係」とのはしがきにありますように、法律と鉄道の関係を興味深く知ることができます。鉄道が好きな方、なんとなく法律に興味がある方にとっては、法律の勉強のおもしろさを知ることのできる本の一つと思われます。

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『失敗の本質-日本軍の組織論的研究』
戸部 良一 他 著(中央公論社)

今年は戦後70年です。日本が戦争に負けたのは物量の差がその理由とされていますが、果たして、それだけでしょうか。この本では、相手(敵)への理解の不足(情報の欠如)、あいまいな目的、合理的な考え方の欠如、精神力への過度な依存、組織内部の不毛な争い等が説明されています。
これらの問題は、70年前だけの問題ではなく、現在の会社を含む組織の問題と言えます。

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『史上最大の決断-「ノルマンディー上陸作戦」を成功に導いた賢慮のリーダーシップ』
野中 郁次郎, 荻野 進介 著(ダイヤモンド社)

第二次世界大戦の欧州における最大の作戦としては、ノルマンディー上陸作戦が挙げられます。この作戦は、連合軍が大成功した作戦として、有名ですが、なぜ、連合軍が勝利できたのか、あるいは、負けなかったのか、逆に、ドイツ軍が負けに至ったのかを説明したが本書です。
この本では、周到な準備の大事さ、トップの最後の決断の重要性、トップとして必要な素養、逆に、トップとしてやってはいけないことの具体例等が説明されています。
これらの問題は、『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』と同様、70年前の問題ではなく、現在の会社を含む組織にも通じる材料を提供していると思われます。

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『日本のいちばん長い日(決定版)-運命の八月十五日』
半藤 一利 著(文藝春秋)

「何事も永遠には続かない」とは誰かが言った言葉ですが、ただ、物事を終わらせるかについては、当事者は何らかの決定をしなければならない時があります。特に、負け戦(後ろ向きな仕事等)においては、誰もが責任を取りたがらない中、どのようにして、終わらせるかについては、困難な仕事と言えます。果たして、どのようにして、70年前の終戦(敗戦・無条件降伏)のような困難な仕事について、決断し、どのように実行したのかでしょうか。
本書は、困難な決断を実行する上で、一つの参考になる事例と思われます。

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『国家はなぜ衰退するのか-権力・繁栄・貧困の起源』
ダロン・アセモグル, ジェイムズ・A・ロビンソン 著(早川書房)

文明の発祥の地や四大文明は、エジプト等とされていますが、果たして、これらの地は、現在の世界において、先進的な国(地域)、あるいは、豊かな国(地域)と言えるでしょうか。なぜ、数千年前の文明国がその地位を失ったのか、維持できなかったのかとの疑問を抱いたことはないでしょうか。
例えば、資源よりむしろ、社会の制度、例えば、所有権の制度、裁判制度等が確保されていることが重要であると本書では説明されています。
本書を通じて、多くの人にとって、当たり前と思われる所有権の制度、裁判制度、職業の選択の自由等の重要性を確認できると思われます。

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『プロ弁護士の思考術』
矢部 正秋 著(PHP研究所)

本書は、法律を仕事とする弁護士の具体的な思考術を説明しています。弁護士といっても特別な考え方ではなく、どのように相手に説明するのか、相手から情報を如何に整理するのか、あるいは、最悪の事態を想定し、どのような準備をするのかといった点が説明されています。
弁護士の仕事に興味を抱いた方、物事の考え方を整理したい方は、本書を手にして下さい。

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『手ごわい頭脳-アメリカン弁護士の思考法』
コリン・P.A.ジョーンズ 著(新潮社)

本書は、『プロ弁護士の思考術』と同様、法律を仕事とする弁護士の具体的な思考術を説明しています。法律の知識の多寡も重要ですが、むしろ、モノの考え方が重要であることを説明するのが本書です。弁護士の仕事に興味を抱いた方、米国のロースクール等に興味のある方等は、本書を手にして下さい。

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『座右の古典-賢者の言葉に人生が変わる』
鎌田 浩毅 著(東洋経済新報社)

古典を読むべきと多くの人が言いますが、いざ何を読むべきか迷う人は多いと思います。本書は、古今東西の古典の概要について、作者の独自の視点から説明したものです。
数頁で説明されていますので、興味のある部分のどこから読んでも差支えないものです。

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『豪商列伝』
宮本 又次 著(講談社)

明治の文明開化という言葉を聞きますが、果たして、明治までの時代は否定すべきものでしょうか。江戸時代についてが、見直しが進んでいますが、特に、江戸時代の商業については、色々と注目するべきものがあります。例えば、河村瑞賢といった豪商のチャレンジ精神にあふれる逸話は、今も学ぶべきところがあると思われます。

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『雨の降る日曜は幸福について考えよう-Think Happy Thoughts on Rainy Sundays』
橘 玲 著(幻冬舎)

「自分探し」は本当にできるのでしょうか、「マイホーム」は本当に買う必要があるのでしょうか、なぜ、マンション投資等の有利な投資を他人に業者が勧めるのかといった疑問を抱いたことはないでしょか。現実の世界を、冷静に見つめ、分析する姿勢を本書は教えてくれます。
本書は、羅針盤のない中、何かを、ある意味、冷徹に決断をする上で、一つの参考になる考え方を提供しているのではないかと思われます。

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『ローマ人への20の質問』
塩野 七生 著(文藝春秋)

ローマ帝国が、なぜ、滅亡したのかとの疑問を抱いた人はいないでしょうか。逆に言えば、なぜ、あれだけの長期間にわたって、帝国を維持できたのかとの理由を考えたことがないでしょうか。
本書は、例えば、質問14「<パンとサーカス>とは何であったのか」との問いに対して、数ページの解説が示されています。興味のある部分のどこから読んでも差支えないものです。

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『贈与の歴史学-儀礼と経済のあいだ』
桜井英治 著(中央公論新社)

贈与(プレゼント)は果たして本当にダダ(一切の負担がないもの)と言えるのか。例えば、誰かに何をもらった時、何も負担感を感じずに、プレゼントをもらうことができるでしょか。本書は、中世(室町時代等)に目を向けて、贈与とはどのような意味を有するのかを考えた本です。例えば、なぜ、室町幕府の将軍が頻繁に寺を訪れたのかといった話に贈与(プレゼント)の別の意味を見出すことができるのではないかと思われます。

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『贈与論』
マルセル・モース、吉田禎吾、江川純一 著(筑摩書房)

世界においても、贈与の意味については、研究の対象となっています。『贈与の歴史学 儀礼と経済のあいだ』で見られましたが、人間社会において、単なるダダのもののやり取りと言えるのでしょうか。例えば、南洋諸島やアメリカン・ネィティブ(米国)にみられる贈答の意味を見ますと贈与(プレゼント)の多様な意味を見出すことができると思われます。

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