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島村 靖治 先生(経済学部)

 

島村 靖治 先生

島村 靖治 先生の研究概要


テーマ:世界の貧困問題を考える

『貧困の終焉 : 2025年までに世界を変える』
ジェフリー・サックス著 (早川書房 2006年)

序文をU2のボノが記すこの本は、世界の貧困をなくすために援助額を増やし、2025年までに貧困を撲滅することを提案するコロンビア大学のサックス教授による本です。世界中に蔓延する貧困問題を考える上で、国連に対しても大きな影響力をもつサックス教授の考え方を知ることは「はじめの一歩」ともいえるでしょう。

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『傲慢な援助』
ウィリアム・イースタリー著 (東洋経済新報社 2009年)

援助額の増額を提案するサックス教授に対し、ニューヨーク大学のイースタリー教授は真っ向から反論します。本のタイトルにもなっていますが、イースタリー教授は先進国による援助は極めて傲慢であり、援助方法の見直しなしに、貧困を削減することは困難であると主張します。彼の前著「エコノミスト南の貧困と闘う」と共にお勧めの一冊です。

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『最底辺の10億人 : 最も貧しい国々のために本当になすべきことは何か?』
ポール・コリアー著 (日経BP社 2008年)

オックスフォード大学のコリアー教授は、サックス教授の援助に対する考えを楽天的すぎ、イースタリー教授の考えは悲観的すぎると評します。コリアー教授は本書のなかで、世界の最底辺にいる10億人の人々が何故貧しいまま取り残されるのかを論じ、貧困をなくすためには援助だけでなく幅広い政策的な対応が必要であると説いています。

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『文明の衝突』
サミュエル・ハンチントン著 (集英社 1998年)

冷戦が終わり、イデオロギーの対立後、文明の対立が起こっていると指摘したハンチントン教授の書です。コリアー教授も貧困の罠のひとつに紛争を挙げていますが、現在起こっている複雑な紛争の意味を理解する一助となるでしょう。「文明の衝突と21世紀の日本」と共に一読の価値ありです。

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『貧困の克服』
アマルティア・セン著 (集英社新書 2002年)

アジアで初めてノーベル経済学賞を受賞したセン博士による書です。セン博士の書物は数多ありますが非常に読みやすい一冊です。後書に「人間の安全保障」という作品もありますが、UNDPやJICAの援助政策に大きな影響を与えたセン博士の思想にふれてみてはいかがでしょうか?

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『貧困のない世界を創る : ソーシャル・ビジネスと新しい資本主義』
ムハマド・ユヌス著 (早川書房 2008年)

アジアからもう一人、貧困対策として近年注目を集めるマイクロ・ファイナンスを始めたユヌス博士を紹介します。ユヌス博士はバングラデシュで貧困層向けの少額融資を行うグラミン銀行を創設し、貧困削減に大きな貢献をした人物です。本書では、グラミン銀行のビジネスモデルを更に進化させたソーシャル・ビジネスというアイディアについて語っています。

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『なぜ貧困はなくならないのか : 開発経済学入門』
ムケシュ・エスワラン, アショク・コトワル著 (日本評論社 2000年)

次に、立命館大学も提携するUBCの先生方の本を紹介します。彼らはインドについて調べていますが、工業化によって大きな経済成長を遂げるインド。その一方で、特に農村は貧しいまま取り残されています。なぜそうした結果になってしまうのか?そのメカニズムの解明に力を注いでいます。

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『フェアトレード : 格差を生まない経済システム』
ジョセフ・スティグリッツ, アンドリュー・チャールトン著 (日本経済新聞出版社 2007年)

貧困がなくならないのは、先進国が途上国の農作物を安く買い叩いているせい?グローバリゼーションが進む現在、貿易の自由化は不可避の流れだと考えられます。しかし、格差を生まない公正な貿易制度とはいったいどのような制度でしょうか。積み重ねられてきた学術研究を多数引用しつつ、この難問に挑む世界的に著名な経済学者の書です。

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『チョコレートの真実』
キャロル・オフ著 (英治出版 2007年)

甘いチョコレートの裏に潜む「児童労働」という苦い真実。コートジボワールのカカオ農園で働く子供たちはチョコレートの味を知らない。そもそもチョコレートが何なのかを知らないのです。カナダ人ジャーナリストが身の危険をかえりみず取材を敢行し「児童労働」の真実を世に暴いた作品です。

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『教育と経済発展』
大塚啓二郎, 黒崎卓著 (東洋経済新報社 2003年)

最後になりますが、日本の開発経済学者たちの最近の研究をまとめた本を紹介します。本書に続き「市場と経済発展(澤田康幸、園部哲史)」と「貧困と経済発展(大塚啓二郎、櫻井武司)」が出版されていますが、気鋭の研究者たちの最新の研究成果を覗いてみてください。

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