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姚 俊 先生(経営学部)

 

今回のテーマ:会計学の新たな発展を知るために

会計学の新たな発展を理解するために、経営学、経済学、社会科学、特に心理学等隣接諸分野の知識を把握しなければなりません。
今回は会計学の基礎知識を学ぶための入門テキストを紹介するとともに、会計学研究の理論ベースとなる経済学、ファイナンス、統計学、心理学および経営学各分野の理論、特に意思決定理論、国際比較文化論、知識創造理論などに関する定番テキストや研究書、また新たな会計課題に関する研究書を、会計を深く勉強したい学生にお勧めいたします。


『ゼミナール現代会計入門』第9版
伊藤邦雄著(日本経済新聞出版社、 2012年)

本書は、制度や理論にとどまらず、企業の現実にも焦点をあてた財務会計テキストである。第2章から第14章までの各章をそれぞれ3つのパートに分けている。最初から順番に読み進むこともできるが、「制度やルール」を学びたいなら各章の〈Accounting Today〉を、「理論や歴史」を調べたいなら各章の〈Theory and History〉を、「実務への応用例」を知りたいなら各章の〈Field Study〉を読み進むというように必要な箇所から読みはじめることもできる。学部生のみならず、院生やMBAの学生にも適用する財務会計の教科書である。

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『管理会計・入門 : 戦略経営のためのマネジリアル・アカウンティング』第3版
浅田孝幸 [ほか] 著(有斐閣、 2011年)

管理会計は、企業における意思決定への情報提供システムであり、計画・管理のみならず、戦略立案のためのツールとしても有用である。本書は進化を続けるその理論と手法を、経営の現場を踏まえた豊富な事例を用いてわかりやすく解説した入門テキストである。

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『グローバル財務会計』
古賀智敏著(森山書店、 2011年)

本格的な国際会計基準(国際財務報告基準IFRS)時代を迎えるにあたって、本書は、それに対応する財務会計の制度とその基礎をなす考え方を提示し、特徴づけようとするものである。本章では、IFRSの体系並びに各基準の基礎をなす会計思考ないし考え方を把握し、その特徴を浮き彫りにするとともにIFRSの各基準について、具体的設例やケースを幅広く提供することに特徴がある。

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『財務会計の理論と実証』
ウィリアム・R・スコット著(中央経済社、 2008年)

本書は、会計理論のテキストとして、必要とされる経済学、数学、統計学の知識を最小限取り入れ、最新の実証研究や理論研究をカバーしている点に特徴がある。現代の財務会計論の実情に最も適した会計理論のテキストである。会計研究を志向する学生にお勧めしたい。

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『心理会計学 : 会計における判断と意思決定』
サラ・E・ボナー著(中央経済社、 2012年)

近年多発する大型会計不正事件には会計における人間心理が大きく作用している。本書は、人間心理研究の学問的な蓄積と、現在社会科学全体で起こっている大きなうねりとを融合するようなかたちで編まれた、特に心理学をベースにした会計・監査における判断と意思決定(JDM)研究の包括的・体系的なテキストである。

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『Culture's consequences : comparing values, behaviors, institutions, and organizations across nations 』2nd ed(比較文化論)
Geert Hofstede( Sage Publications, 2001)

本書は50か国のデータを利用して、各国の基本的ビジネスの考えや行動の違いを文化の視点から比較分析した企業文化についての研究書である。本書は国際比較研究に最も影響が大きな本であり、国際会計のみならず、経営学の研究でもよく引用されている。
The Second Edition of this classic work, first published in 1981 and an international bestseller, explores the differences in thinking and social action that exist among members of more than 50 modern nations. Geert Hofstede argues that people carry "mental programs" which are developed in the family in early childhood and reinforced in schools and organizations, and that these programs contain components of national culture. They are expressed most clearly in the different values that predominate among people from different countries.

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『知識創造企業』
野中郁次郎, 竹内弘高著(東洋経済新報社、1996年)

本書は、日本を代表する自動車や家電メーカーなどがなぜ国際社会のなかで成功したのかを「知識」という側面から分析し、企業組織における知識の捉え方や考え方を根本的に変更するよう求めている。そして、企業組織による知識創造こそが日本企業の国際競争力の最も重要な源泉であるとする本書は、長引く不況にあえぐ企業経営者やビジネスマンに、日本的経営の良さを改めて感じさせてくれるものである。また、野中の知識創造理論は世界各国の知的資産研究に大きな影響を与え、知的資産経営と会計の研究によく引用されている。

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『知的資産の会計 : マネジメントと測定・開示』改訂増補版
著古賀智敏著(千倉書房、 2012年)

現在、各国の企業は、成長と生き残りをかけて熾烈な経済競争を行っている。こうした競争のバリュー・ドライバーは、ブランド、研究開発、情報ネットワーク、従業員の能力など物的形態をもたない知的資産である。本書は「見えない資産」(ブランド・技術力・特許・ノウハウ)=知的資産をいかに活用し、測定・開示するかを、海外の進んだ事例を用いて実証的に体系化されたスリリングな研究書である。本書は新たな会計理論と制度構築に向けて知識社会における会計はいかにあるべきかを総合的解明するものである。

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『Winning investors over : surprising truths about honesty, earnings guidance, and other ways to boost your stock price』
Baruch Lev(Harvard Business Review Press, 2012)

企業がどのように投資家とコミュニケーションするか、どうやって投資家の信頼を取り戻すかについて、会計学とファイナンス分野の第一人者であるアメリカの研究者Baruch Lev 教授が自ら20年以上の会計学、ファイナンスや経済学の研究結果に基づいて、実務家に対して対策を提言している。

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『日本の企業統治 : その再設計と競争力の回復に向けて』
宮島英昭編著(東洋経済新報社、 2011年)

「失われた10年」と呼ばれる時代は、同時に「改革と実験の10年」でもあった。その結果、メインバンク・株式相互持ち合い・内部者からなる取締役会などによって特徴付けられた日本の企業統治は大きく変容した。具体的には、伝統的な関係ベースの仕組みと、新たな市場ベースの仕組みとが結合したハイブリッドな企業統治が登場した。本書は、90年代後半の銀行危機以降に生じた企業統治の進化を、可能な限り包括的に解明したうえ、リーマン・ショック後の企業統治の再設計に関する含意を引き出すことを主な目的とする。

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