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細木 るみこ 先生(薬学部)

2021.11.01


『ストックホルムへの廻り道:私の履歴書』
大村智著(日本経済新聞出版社、2017年)

2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞された大村智先生が著述されました。大村先生は、土壌から分離された微生物の生産する、寄生虫に有効なエバーメクチンを発見され、それを基にイベルメクチンを開発され、寄生虫感染症の治療法確立に貢献されました。本書では、今まで歩んで来られた道を振り返られ、その時の心情や故郷愛、健康管理・一期一会・研究推進の「黄金のトライアングル」等について述べられており、短期間で読み終えることができます。

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『元素創造:93~118番元素をつくった科学者たち』
キット・チャップマン著;渡辺正訳(白揚社、2021年)

本書は、周期表を拡張した発見の物語で、専門領域に関係なく読み進めることができます。終戦直後の科学者たちの思いと悲しみ、幻の43番「ニッポニウム」の思いを引き継ぎ、「百年の宿題」を終え、113番「ニホニウム」Nhが発見・合成されたくだりは、胸が熱くなりました。

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『異端の統計学ベイズ』
シャロン・バーチュ・マグレイン著;冨永星訳(草思社、2013年)

「何かに関する最初の考えを、新たに得られた客観的情報に基づいて更新すると、それまでとは異なった、より質の高い意見が得られる」。ベイズ派は異端視され長期にわたり批判されていましたが、コンピュータの普及により、ビッグデータや機械学習の分野で役立っています。また、ベイズの手法がソフトウエア化され多分野で活躍するようになり、医療分野でも応用されるようになりました。本書は、これらの経緯が綴られており、勇気づけられる一冊です。

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『レギュラトリーサイエンスの政治学(ポリティクス)FDA(米国食品医薬品局)の正体(上)』
フラン・ホーソン著;栗原千絵子、斉尾武郎共監訳(篠原出版新社、2011年)
『レギュラトリーサイエンスの社会学(ソシオロジー)FDA (米国食品医薬品局) の正体(下)』
フラン・ホーソン著;栗原千絵子、斉尾武郎共監訳(篠原出版新社、2012年)
        

FDAとは米国食品医薬品局(Food and Drug Administration)のことで、本邦では(独)医薬品医療機器総合機構(PMDA: Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)が該当しますが、規模がかなり違います。それでもPMDAの審査スピードがFDAに追いついてきたのは驚くべきことです。序文にもありますが、PMDAは常にFDAを意識しています。FDAに、そしてPMDAに興味のあるヒトは一度読んでみると良いと思います。

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『THE創薬:省資源国家"にっぽん"の生きる道』
日本薬学会編(薬事日報社、2021年)

創薬研究や医薬品開発の現状や将来の可能性などについて、製薬企業やアカデミアの先生方が分担して執筆され、分かりやすく紹介している書籍です。第1部では日本における製薬産業の位置づけや欧米の違いと方向性について、第2部では既存の医薬品がどのようにして見出され開発されたのか、第3部では創薬に向けた最近の研究について、iPS細胞の創薬への応用、ビッグデータと人工知能を用いる創薬など、第4部では医薬品の経済学的分析がなされ、学部を問わず読み進めることができます。

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『新型コロナワクチン本当の「真実」』
宮坂昌之著(講談社、2021年)

免疫学の第一人者でいらっしゃる宮坂昌之先生(大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授)が、新型コロナウイルスとワクチンについて科学的知見を分析・取りまとめられた、読みやすい新書です。皆さんに取って身近な話題の「mRNAワクチン」が免疫反応を起こすしくみについても、分かりやすく説明されています。批判的な眼を持ちつつ読んでみてください。

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