立命館大学図書館

   
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「第16回:学生の居場所II」清水 裕子 先生(経済学部)

インタビュー:学生ライブラリースタッフ 竹井

清水 裕子 先生
清水 裕子 先生の研究概要

―― 先生は図書館をよく使われますか?

最近は忙しくて図書館をほとんど利用していないですね。
学生の利用も少ないように感じます。レポートや試験期はよく利用しているようですが、普段は使う人だけが使っているように思います。図書館は「大学の顔」になる場所なので、活気があってほしいですね。

―― なぜ図書館を利用しない学生が多いのでしょうか?

インターネットの普及ですぐにほしいデータが見つかることになったことがあるのかもしれませんね。インターネットのみに頼っている人が多いと思いますが、紙の文献やPDFで入手できる論文もよく調べるべきです。せっかくアカデミックな環境に4年あるいはそれ以上いるわけですから。

―― 私の基礎演習の授業では、インターネットの情報は信用性が低いので、根拠を述べるときは出版された本を用いることを教わりました。

学生は自分が読みたくなる本がどこにあるかイメージできてないのかもしれませんね。図書館は本との出会いの場所ですからね。きっかけがあればいろんな学生が活用できるかもしれません。以前、図書館で「英語フェアー」のような形で英語の本の展示をしたときは、目に見える位置に多くの本が陳列されて、多くの学生が本に触れ、借りている姿をよく見ました。

―― なるほど、定期的に学生が目を引くようなイベントを考えないといけないということかもしれませんね。
先生の学生のときは図書館をよく使われていましたか?

私が学生のときはよく利用していましたね。私が学生時代を過ごした大学は立命館大学に比べて学生の数が少なかったですけれど、二人に一つキャレルデスクをもらいましたよ。キャレルデスクに英語や他の分厚い辞書をたくさん積んで、それを調べながら自習をしていました。

―― すごいですね。立命館大学の図書館にも個別学習用のキャレルデスクはありますが、学生全員に与えるとなると足りないですね。一方で、グループでの学習のために、図書館にはグループ学習室という個室があります。

学部によって異なるかもしれませんが、授業やゼミナール大会の発表に向けて、学生がプレゼンテーションの練習をしたり、グループワークの話し合いをしたりするために、グループ学習室をよく利用しているそうですね。

―― 私もプレゼンテーションの打ち合わせで利用します。

大学の中での自分の居場所が持てない学生もいると思いますが、友達と集まることはいいことだと思います。大学で過ごす時間の中で何の時間が一番好きかと調べたところ、ランチの時間が一番好きという学生が結構いましたが、友達と集まれる場所は、図書館や食堂になりますよね。

―― 食堂や教室など打ち合わせの場所は他にもありますが、図書館のグループ学習室には大型ディスプレイがあり、パソコンをディスプレイにつなげると実践的にプレゼンテーションの練習ができて、みんなの意見が出やすいと思います。
では、先生のお薦めの本を教えていただけますか。

英語学習の本ならお薦めがあります。たとえば、『マーフィーのケンブリッジ英文法(中級編)』ですね。中は問題形式であり、カラー版で見やすいです。この本の特徴はいままで勉強してきた英文法では英文の規則を決まりごとのように覚えていたものを一問ずつの英文の意味を考えて解いていき、納得という形で英文法を再確認できるものなのです。これは、『AERA English2月号』にも紹介されていました。この雑誌の影響かはわかりませんが、私の近所の書店では品切れになっていましたよ。

―― 春休みの間、学生は勉強をする時間のゆとりができると思うのですが、英語の勉強方法を教えていただけませんか。

「だらだらやるのではなく、1ヶ月間で集中的にやる」と決めて勉強するのもいいと思います。たとえば、英文法ならこの期間内に集中して問題を解くなど自分で計画を立ててはどうでしょうか。また、いきなり難しい英文を読んでは理解ができず、面白くなくなり、長続きしないと思います。それでは英語の能力は上がらず、意味がないと思います。英語の能力を上げるために大切なことは、英文を読んでわかったという実感を得られることだと考えています。興味がある分野や知っていることが書かれた文章を読んだ場合、推測ができて理解が進みます。たとえば、アメフトが好きな人ならアメフト関係の英語の本を読めばいいと思いますよ。そうやって読む量を増やしていけばいいと思います。簡単すぎても難しすぎても力はつかないので、『PENGUIN READERS』などのシリーズもお薦めですね。これはレベル分けされているので、自分のレベルにあった本が選べてとてもいいですよ。

―― 最後に、先生にとって図書館とは何でしょうか?

私の言葉ではなくCiceroの引用ですが、こういうのはどうでしょうか?「A room without books is like a body without a soul.」何かあったときに頼れるのは本だと思います。図書館は、行ってみるといろんな発見があります。専門分野以外でもいろんな発見があります。図書館が自分の居場所の一つとなればいいですね。

―― 今日は、英語の勉強法も含めて貴重なお話をしていただき、ありがとうございました。

今回の対談で紹介した本

マーフィーのケンブリッジ英文法/Raymond Murphy著/United Publishers Services 版 2005
AERA English/朝日新聞社編/1988
PENGUIN READERS/Penguin Books