立命館大学図書館

   
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「第34回:シャワーを浴びるように色々な本にチャレンジしてほしい」植松 健一 先生(法学部)

インタビュー:学生ライブラリースタッフ 西野、関根、向山

植松 健一 先生

植松 健一 先生の研究概要

―― 先生は大学生のとき、どのように図書館を利用されていましたか?

もちろん授業の準備のためにも使っていました。また夏などは一番涼しい環境が手に入るのでよく行っていました。大学の図書館は専門書も揃っているし、授業で使う本以外の本との出会いもありました。試験期などは自己逃避をして、小説など専門とは違う分野の本を読みたくなって時間をつぶしてしまいましたが、それが結果として自分の肥やしになっている気がします。

―― 先生が学生時代に読んだ本の中で、影響を受けた本などありましたら教えてください。

たくさんありますが、まず『大杉榮語録』。大杉榮は大正時代の社会運動家で今から80年以上前の人だけれど、この本に納められているのはすごく瑞々しい文章で、今でもけっこう読み返します。考え方というよりは生き方の影響を、この本から受けたかなと思います。また、ノーベル賞も受賞したドイツの劇作家兼詩人のベルトルト・ブレヒトという人の詩集『ブレヒト詩集』も好きです。僕のやっている法律学は堅い文章ですけれども、結局は言葉で人を説得する世界なので、小説や詩などの文学や、評論ともどこかで共通していると思います。意識的に勉強したというよりかは、シャワーのように浴びていく中で、どこかで今の仕事にも影響しているのではないかと思っています。

―― 先生がいま研究されている専門分野(法律学)に興味を持たれたきっかけは何ですか?

それは20分間のインタビューでは語りつくせません(笑)。まあ結果からすると、大学時代に自分が思い描いていたものとはだいぶん違う人生になっているので、人生は面白いなと思います。

―― それでは学生の頃はどのような職業を目指していたのですか?

親には司法試験とか公務員試験を受験しようかな、と言っていました。また演劇など芸術関係の仕事にも興味がありました。

―― 立命館大学の図書館と、前任校の島根大学の図書館に違いはありますか?

立命館の方が学生数や教員数が多いので、図書館の規模も大きいです。規模が大きい分、本も揃っているし充実しているので便利ではあります。島根大学の図書館は規模が小さいので、どこにどんな本があるかが覚えやすく使い勝手が良かったです。

―― 最後に学生へのメッセージをお願いします。

学生時代は時間が自由に使えるので、検索システムを使うよりも遠回りかもしれませんが、自分で実際に手にとって本を探すとよいと思います。目に入った本の目次をパラパラと見るだけでもよいです。背表紙の装丁の気に入った本があれば手にとってみたり、先生のお薦めの本でもいいので、色々な本にチャレンジしてみるとよいと思います。また、せっかく京都にいるのだから、京都らしい歴史や文化に触れて欲しいですね。歩いてすぐ行ける場所に世界遺産がたくさんあるという状況は、なかなか経験できないことだと思います。僕も大学生の頃はよく行っていましたが、映画や演劇や音楽など、自分の興味のあるものには、時間があるうちにたくさん触れておいた方がいいと思います。

―― 本日は貴重なお話をありがとうございました。

今回の対談で紹介した本

『大杉榮語録』/大杉榮著:鎌田慧編/岩波現代文庫/2001年
『ブレヒト詩集』/ベルトルト・ブレヒト著:野村修訳/世界現代詩文庫/2000年
『わが解体』/高橋和巳著/河出文庫/1997年
『二十歳の原点』/高野悦子著/新潮文庫/2003年