寄稿文

学びが見える、
学びに触れる、学びあえる
の更なる発展を祈念して

前立命館大学図書館長/経営学部特任教授
小久保 みどり

 昨年、立命館大学図書館は開設120周年を迎え、OICライブラリーは10周年を迎えました。また、平井嘉一郎記念図書館が今春10周年を迎えました。

 近年の図書館の歴史の中で、2015年大阪いばらきキャンパスが開設され、同時にOICライブラリーが開館しました。2016年には衣笠キャンパスに本学法学部の卒業生で、日本有数のコンデンサメーカー「ニチコン株式会社」の創業者・故平井嘉一郎様の御遺志を引き継がれた御令室・平井信子様の御寄附により平井嘉一郎記念図書館が開設され、2年続けての図書館設立という画期的な出来事となりました。両館ともにキャンパスの知的創造活動の象徴として、高等教育と学術研究活動を支える情報基盤として、旧来の図書館と比べるとよりゆとりと快適性(居心地の良い空間で健康的な学びを促進するといった意味での)、開放性にあふれた主体的な学びを形成するための学習空間・環境を提供しており、そのことは、以下のような5つの特徴に現われています。

● 自主学習を支援するキャレルデスク、共同学習を支援する「ぴあら」などリラックス 空間・交流としての多様なスタイルの学習環境を整備していること

● 明快でゆとりのある書架・閲覧席の配置、視覚的にもオープンなデザインにより、全ての人が情報へアクセスしやすいバリアフリーに配慮した計画にしていること

● 内装・家具の設えにオリジナルのデザインを採用し、照明の色合いにも変化を持たせ、上階ほど静かで落ち着いた居心地のよい雰囲気を演出し、長期滞在型図書館を実現していること

● 間接照明を適切に設置し、落ち着いた柔らかい光で快適な学習空間・環境を提供していること

● 各種資料を探す支援のため常駐しているライブラリアンの専門性とスキルにさらに磨きがかかったこと

 立命館大学図書館のコンセプトは、「学びが見える、学びに触れる、学び合える」です。近年、グローバル化を前提とする知識基盤社会において学士レベルの資質能力を備える人材養成は重要課題として、学びの質向上が大学に問われています。とりわけ大切なのは、初年次教育での学習時間の持ち方、具体的には図書館等で自立した学習を行う習慣を身につけることです。そのためには、学びの質向上を担う「使いたくなる図書館、使わなければならない図書館」の実現に向けた工夫が必要ではないでしょうか。

  学生たちが学術的刺激や知的交流を通じて主体的な学びを確立し、新たな価値を創造・発信する拠点として、読書や思索、学習や研究、議論やプレゼンテーション、学習を通じた仲間づくりの場としてますます活用いただけることを祈念しています。

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