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  • 菊間 隆志講師
  • Takashi Kikuma
  • 生物工学科
  • 研究室生体分子化学2研究室
  • 専門分野微生物学、分子細胞生物学
  • 担当科目分子生物学実験、微生物学実験、顕微鏡観察基礎実験、生体機能工学
    • ゲノム
    • バイオテクノロジー
    • 微生物
Q1研究の内容を教えてください。

 麹菌の研究をしています。麹菌は酒、味噌、醤油に欠かすことのできない重要な微生物であり、日本の「国菌」に認定されています。我が国で1000年以上昔から利用されている麹菌ですが、細胞の中がどうなっているか、どうやって醗酵するのかなどか科学的に分かってきたのは実はつい最近のことです。2005年にゲノム解読が完了し、様々なアプローチの研究が可能となりました。私は麹菌の細胞内でどのように物質が輸送されるのか、また分解されるのかを研究しています。とくに麹菌のオートファジーの分子機構や生理機能を解明し、それらを制御することで、麹菌による有用な物質の生産やより優れた麹菌を作ることを目指しています。

Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。

 私の生まれた新潟県は昔から酒どころとして知られ、また「かんずり」などの麹菌を利用した発酵食品が多くあります。私は子供の頃から食べることが好きで、醗酵食品(もちろんお酒以外です)にたくさん触れてきました。その頃から目に見えない微生物の不思議に興味がありました。その後地元の高校に進学しましたが、私の出身高校の大先輩に坂口謹一郎東京大学名誉教授がいます。坂口先生は「酒の博士」として知られる日本の麹菌研究の基礎を築いた先生です。大学入学後、二十歳を越えてお酒を飲めるようになりますます微生物に興味が湧きました。そして、坂口先生ゆかりの研究室で麹菌の研究をしたいと思い大学院に進学し、その後も研究を続けています。

Q3高校生へメッセージをお願いします。

 現代の生命科学の進歩はものすごい勢いですが、生命の不思議はまだまだ解明されていないことがたくさんあります。というよりまだまだ全然分かっていないと言ってもいいと思います。研究の方法も最近では非常に高度化、多様化し、いろいろなこと勉強しなければなりません。高校のときにしっかりと基礎学力をつけておきましょう。そして大学ではそれをもとに「生命を科学する」方法を学び、さらに「生命を科学する」こと楽しんでくれたら嬉しい限りです。

おすすめの書籍

石川 雅之 著『もやしもん』