カリキュラム

文学部では、2回生より専攻での学習を始めます。英米文学専攻を希望する場合は、1回生時に「英米文学概論I」と「英書講読(Intermediate)」を受講することをすすめます。

英米文学概論I

英語圏文学のさまざまなジャンル(小説、演劇、詩など)のなかから、代表的な作家、作品について講義します。具体的には、作家を紹介するとともに、作品の概略を説明し、その社会的背景、問題点、意義などについて講義します。

在学生の声

英書講読

さまざまな文学作品を原書で読み、英語の言語感覚や、読解スキルを身につける授業です。まずはなじみのない単語や英語表現を確認しながら、内容の正確な理解を目指します。辞書や注釈を活用して原文を読み、作家や作品の特性をつかみ、自身の解釈を論理的に述べる力を磨いていきましょう。

主な専門科目の概要

科目名 内容 履修方法 対象
英米文学概論I・II イギリス・アメリカ文学のさまざまなジャンル(小説、演劇、詩など)のなかから、代表的な作家、作品について講義する。具体的には、作家を紹介するとともに、作品の概略を説明し、その社会的背景、問題点、意義などについて講義する。 履修指定 2回生以上
英書講読(Advanced) 英米文学に関する文献を精読する。英文法の知識を確認しながら、内容の理解を深めることを目的とする。 2科目
4単位必修
2回生以上
英文学史I・II
米文学史I・II
イギリス・アメリカそれぞれの文学の歴史的な流れを、各時代の社会背景や文学思潮に留意しながらみていき、主要な作家・作品について論じる。 履修指定 2回生以上
英米文学特殊講義 イギリス、アメリカの主要作家や作品について、また英語圏文化(おもに文学の領域に属するもの)について、今日問題となる話題をとりあげる。 選択 2回生以上
英作文法 英語の基本的な文法事項などをおさえた上で、それらを用いた文章が書けるように訓練する。 必修 2回生以上
英会話I・II 既存の文法事項を活用して、日常生活で実際に運用できる基本的な会話能力を養い、向上させる。ビデオ教材を使ってリスニング力を高め、またその場にふさわしい英語の表現が使えるように練習する。 選択 2回生以上
英文演習 「英作文法」で学んだ文法知識を活用し、構成の整った文章を英語で書く技能を身につける。 必修 2回生以上
英語論文演習 2回生までで習得した英文作成技術をさらに向上させ、アカデミックなトピックについて英語で論文を書く訓練を行う。 選択 3回生以上
翻訳演習 初歩的な翻訳理論について学び、英文和訳あるいは和文英訳の実践的な訓練を行う。 選択 3回生以上
文芸翻訳演習 初歩から応用までの翻訳理論について学び、文学作品の翻訳に関する実践的な訓練を行う。 選択 3回生以上
基礎講読I・II 英語の基礎文献の読み方を学ぶとともに、研究入門で学んだ専門研究の基礎をさらに発展させる。研究レポートの書き方、研究トピックの可能性、多様なアプローチなどについても紹介、演習する。 履修指定 2回生以上
専門演習I・II 主にイギリス、アメリカをはじめとする英語圏の文学作品を対象とする。
テキストの精読と学生の研究発表を中心とする。卒業論文に進む直前の演習であり、自分でテキストや研究書を読み、卒業論文を作成できるよう助言・指導も行う。
履修指定 3回生以上
専門演習Ⅲ・Ⅳ 専門演習I・IIでの学力を土台に、さらに専門知識を高め、卒業論文作成のための指導をおこなう。 2科目
4単位必修
4回生以上

学生の声

英米文学専攻に所属する3名の方に、英米文学専攻の魅力、将来の夢などをお話いただきました。

どのような研究をされているのか教えてください。

小坂榛菜さん 4回生

私はオスカー・ワイルドの『真面目が肝心』の研究をしています。『真面目が肝心』は、にせの名前を使って二重生活を送る男性の喜劇です。人々が架空の人物に惑わされてしまうこの作品における、虚構と現実の関係に興味を持ちました。
このテーマを選んだのは、ゼミでシェイクスピア劇を学び、劇っておもしろいなと思ったのがきっかけです。私は文学というよりも、英語を勉強したくて英米文学専攻に入ってきて、大学で初めて、オスカー・ワイルドやシェイクスピアに出会いました。

藤居賢さん 4回生

自分は現代文学がテーマで、ジョン・アーヴィングの研究をしています。ジョン・アーヴィングの作品では、次々と奇怪なことが起きるのですが、何故そのようなことが起きるのかといったことに興味をもちました。自分では、ジョン・アーヴィングの世界はポストモダン文学だと解釈しています。また彼の作品は50年など長い時間を描くのが特長です。映画だとどうしても50年を描くのが難しいので、部分的に切り取られてしまいますが、どんな長い時間を描くこともできるのが、文学の魅力ですね。

山下未央さん 4回生

私はドラキュラをテーマに研究しています。もともとゴシック小説が好きで、授業でブラム・ストーカーの作品に出会ったのがきっかけです。吸血鬼文学は18世紀初頭からあって、ドラキュラ自体は固有名詞ですが、ブラム・ストーカーが有名になったことで、吸血鬼=ドラキュラのような見られ方をしていますね。他の吸血鬼文学にも手を広げようかとも思ったのですが、いまはドラキュラに絞って研究しています。

立命館大学を選んだ理由を教えてください。

藤居さんここには色々な先生がいますね。自分にはそれが魅力でした。また、学生が全国から集まっていることも、他大学には見られない特徴だと思います。バックグラウンドの違う、個性のある人たちと出会うこともできます。

立命館大学は留学制度が充実していると聞いています。

山下さん私はワシントンDCのアメリカン大学に2年間、留学しました。1年目はGGPというプログラムで留学に備え、2年目の後期から2年間DUDPというプログラムでアメリカン大学に留学し、帰国してから立命館大学で学んでいます。DUDP(デュアルディグリープログラム)は、立命館大学とアメリカン大学の両方の学位が取得できるというものです。
留学生活の1年目は正直なところとても厳しかったです。とりあえず学位を取らなくてはと必死でした。授業が進むスピードがとても早く、予習復習は当たり前で、小テストやエッセイの提出も多く、とにかく知識を総動員していました。2年目からは授業への取り組み方にも慣れて、休みの日には出かけたりと、いま思えばとても充実していて楽しい生活でした。

アメリカと日本での学び方を比べると、アメリカでは歴史を追いながら多くの作品をざっと流すという学び方でしたが、ひとつの作品を深く読みこむのが日本での学び方です。じっくり研究するなら日本のほうがよいと感じました。

小坂さん私は半年間、カリフォルニアへ語学留学しました。周りの生徒もアメリカに勉強に来ている世界中の人だったので、ブラジルやサウジアラビアなど様々な国の人たちに出会い、アメリカにいながら世界を知ることができました。
立命館には留学のプログラムがたくさんあって、短期、長期という期間も選べますし、自分のレベルや希望に合わせて内容を選ぶことができます。サポート体制も整っています。また奨学金もあります。留学プログラムが充実しているのは、立命館大学のとても大きな魅力のひとつだと思います。

藤居さんは教職をとられたそうですね。

藤居さんはい、自分はもともと教員になりたいという希望があり、大学では教職を取りたいと思っていました。英米文学専攻だと教職の科目と重なっている科目が多く、単位を少し足すだけで取ることができます。英語の教職を取りたい方には、英米文学専攻はかなりおすすめです。将来は高校の英語の教師になりたいと思っています。

他のみなさんは将来どのような仕事をされたいですか?

小坂さん英語を活かせる仕事ができる会社にしぼって就職活動をして、あるメーカーに内定をいただきました。私は留学で初めて海外に行ったのですが、初めて日本を離れて、日本の良いところが見えて、それを世界に伝えたい、という思いが強くなりました。就職する会社はグローバルな展開をしているので楽しみにしています。

山下さん私も留学して海外からみたときの日本の良さを実感しました。海外の良いものを日本にとりいれるか、または日本の良いものを外に出すか、いずれにせよそのような架け橋の役割をしたいと思っています。4月から就職する会社でも、グローバルに英語を使っていきたいです。

受験生、高校生のみなさん、
これから大学生活を送るみなさんにメッセージをお願いします。

小坂さん立命館には留学を始めとして色々な制度がたくさんあります。そのような制度を使えば使うほど、学生生活は充実します。私は英語を学びたいと思って、英米文学専攻に入りましたが、同じように意識の高い学生が多いので、刺激し合ってきました。また早いうちから留学を意識することができたので、留学という制度を活用することができました。新しいことを始めるのは躊躇してしまうかもしれませんが、どんどん自分から動いていって欲しいと思います。

藤居さん英米文学専攻というと、本が好きな人が多そうだと思われがちですが、それだけではないと思います。たとえば洋画が好きという人が、その原作について英米文学専攻で学ぶのも面白いと思います。最近の作家のなかには、映画の制作に参加する人も多いですし、文学と映画という境界線は無くなってきているように思います。映画という切り口から、英米文学専攻に入ってみてもよいのではないでしょうか。

山下さんいまやりたいことが決まっていなくてもいいと私は思います。大学に入ったら、少しでも気になったことがあったら自分から動いてみてください。好きなことには積極的になって自分の興味ある分野を探して行ってください。そうすればやりたいことが見つかると思います。立命館では、他学部受講もできますし、選択肢がたくさんあります。引き出しを増やし、アンテナをはって、積極的に動いていくことで、自分を成長させることができると思います。

卒業論文

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