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高橋慶治教授

高橋 慶治 教授

専門分野:行動科学(モチベーション、リーダーシップ)、心理学(キャリア心理学、ポジティブ心理学、コミュニケ―ション、メンタルタフネス)

効果的な人材開発

厚生労働省は様々な労働相談に対応するため、総合労働相談コーナーを設置していて、その中で、圧倒的に多いのが、いじめ・嫌がらせ、いわゆるパワハラに関する相談だといいます。労働相談の件数は約28万4千件で、統計を取り始めた平成14年度以降、過去最多となったと発表した。内容別では10年連続で「いじめ・嫌がらせ」が最多で、約8万6千件に上った。パワハラが頻発しや旧態依然としたマネジメントの職場で人材が育成活用され、生産性が高い訳がありません。見方によっては、パワハラとはコーチングの失敗事例と言えるかもしれません。

さて、それではコーチングとは何でしょう?

コーチングという言葉がビジネスの現場で聞かれるようになって随分立ちます。書店でもコーチング関係の書籍がたくさん並んでおり、ネットでは○○コーチ、△△コーチなど様々なコーチが見受けられます。

私の教えるコーチングは、コーチング心理学をベースに、「個人や組織における意義のある変化や可能性に気づき、目的・目標構築、意志決定、主体性、積極性、自己成長、能力開発、学習、経験、パフォーマンスを促すためにあるコミュニケーション手法である。」と定義しています。

さらに、リーダーシップのサブスキルとしてのコーチングに焦点をあてた「ビジネスコーチング」であり、まさしく仕事の場面で上司やリーダー、先輩が部下のパフォーマンスを高め、組織を活性化していくという意味があります。契約で成り立つパーソナルコーチング(プロのコーチ)とは異なるものです。

また、コーチングは、人間どうしのコミュニケーションがある限り、どんな立場の人にとっても必ず役に立つスキルであることは、間違いありません。厳しい状況下にあるビジネスの世界で、部下とのコミュニケーションに悩む中間管理職の方に、あるいは上司や先輩との会話や意志の疎通に不安を抱いている新人にも、コーチングはきっと力を与えてくれるでしょう。

コーチングは、人間としての視野を広げながらも、決して精神論だけで終わるようなものではなく、組織の中で、あるいは個人へのマネジメントの場面で効果的に使っていくことのできる心強いスキルなのです。

また、コーチングの大きな特徴は、コーチを受ける側はもちろんコーチングを行う側も、大きな人間的成長をとげていくことがあげられます。コーチングをうまく使いこなせるようになることでコーチ自身も人望を集めリーダーとして成長していきます。

*コーチング心理学とは、既に学術の世界で確立している「心理学的研究法」や「心理療法」などの基本的なモデルを援用し、伝統的な心理学から、ポジティブ心理学などを活用して、「個人の目標達成」、生活や仕事における「Well-being」「QOL」の向上、「業務遂行力(パフォーマンス)」を向上させるためにある。