2026.02.27

【開催報告】2月21日(土)立命館土曜講座

「えん罪被害を受けた人の生活再建 ー 無罪になれば解決するのか?」
講師:森久智江 教授 (立命館大学 法学部)

会場には34名、オンラインでは延べ42名が参加しました。

2月21日の立命館土曜講座では、立命館大学法学部の森久智江教授を講師に迎え、えん罪被害者の生活再建をめぐる現状と課題についてお話しいただきました。
誤った捜査や裁判により、無実の人が長期間にわたり自由を奪われる「えん罪」。社会全体としてその深刻さは認識されつつありますが、無罪となった後の生活については、十分に共有されていない現実があります。本講座では、その実態と制度の課題、さらに今後求められる支援のあり方が紹介されました。

■ 無罪判決で終わらない えん罪と、救済のむずかしさ
森久教授はまず、日本で近年明らかになった、えん罪事例を紹介しました。
なかには死刑確定後に無罪となった事件もあり、40年以上の長い拘束を経て無罪が明らかになった例も紹介しました。
無罪判決を得ても、本人は
 ・精神的後遺症
 ・社会復帰の困難
 ・家族関係の断絶
など、深刻な課題を抱え続けることが多いと指摘しました。
さらに、日本では再審制度の複雑さや支援の担い手不足などにより、救済が進みにくい現状も説明されました。

■ イノセンス・プロジェクト・ジャパン(IPJ)の取り組み
講座では、えん罪救済を支援する「イノセンス・プロジェクト・ジャパン(IPJ)」の 活動も紹介されました。弁護士・専門家に加え、各大学の学生ボランティアが調査支援や啓発活動を行っており、立命館大学の学生も積極的に参加しています。
また、刑事補償制度・国家賠償制度の限界や、無罪後も偏見が残る状況など、経済的補償だけでは回復できない課題についても触れられました。
森久教授は最後に、
修復的司法とは、犯罪の背景にある事情や、当事者・周囲の人々が受けた影響に目を向け、社会全体で「なぜ起きたのか」「同じことを繰り返さないために何ができるか」を考える考え方であり、罰することだけに焦点を当てず、社会の側も変わっていこうとする視点として紹介されました。

参加者からは
「修復的司法という考え方を初めて知りました。犯罪を当事者間の問題として他人事にはせず、社会が生み出した問題として捉えていきたいと思います。」
「現実の問題について考えるキッカケになった。無罪判決で終わらないこと、被害の連鎖を防止することに共感しました」
といった声が寄せられました。

2月21日エッセイ
RADIANT

写真1
写真2