太陽電池の面白さに惹かれ、研究の道へ
太陽電池を研究するきっかけは、立命館大学3回生の時、太陽電池の研究で名高い濱川圭弘教授・髙倉秀行教授の研究室を志望したことでした。著名な教授の下で、次代のクリーンエネルギーと目されていた太陽電池を研究できることに興味をかき立てられたのが、すべての始まりでした。
大学時代から一貫してCIGS系といわれる太陽電池を研究しています。Cu・In・Ga・Se(銅・インジウム・ガリウム・セレン)の4つの元素を材料に用い、圧倒的シェアを持つ一般的なシリコン太陽電池では実現が容易ではない柔軟性・軽量性を有し、しかも低コストで作れる化合物半導体薄膜太陽電池の開発に取り組んできました。
修士課程1回生の時には、「連携大学院制度」を活用し、松下電器産業株式会社(現・パナソニック)中央研究所で研究する機会に恵まれました。先進の実験装置が揃った環境で、半導体薄膜やデバイスの作製、性能試験を行い、研究の面白さを実感。研究チームのリーダーから「博士号を取ったら?」と勧められたこともあり、博士課程に進学したものの、「研究者を目指そう」と考えていたわけではありません。岐路に立つたび、「面白い」「やってみたい」と思える道を選んできました。