言いたいことが言えずにガマンしたり、無理な人間関係を続けてストレスを抱えたことのある人は少なくないでしょう。そこで、人々のコミュニケーションをスムーズにするため、「アサーション」に注目しました。「アサーション」とは、自分の気持ちや考えを正直に言いつつ相手の意見や考えも尊重することをいいます。しかし、実際に行ってみると、正直に伝えたばかりに相手を傷つけたり、怒らせたりしてしまいます。そこで次に、相手との関係やその場の状況に合わせて自分の気持ちを伝える「機能的アサーション」を思いつきました。
その実験として、「先生との面談がうまくいかない」と悩む、子どもを持つ保護者に「機能的アサーション」のトレーニングを行いました。これまで、先生に子どもへの支援についてお願いする際に足りていなかった「感謝の表現」や「具体的な依頼を増やす」ことで、先生側も保護者の話を聞き入れやすくなることが明らかになりました。近い将来、この相手や状況に合わせて柔軟に自分の気持ちを表す「機能的アサーション」が、世界のスタンダードになるかもしれません。