世界にはいまだに治療法のない病気が数多くあり、多くの患者が薬を待ち望んでいます。しかし新しい薬が作られる成功率は数万分の一とも言われる上、開発には莫大な費用がかかります。中でも日本の製薬企業は今、欧米の巨大な製薬会社に後れを取る厳しい状況に置かれています。
こうした状況に新しい風を吹き込み、日本とりわけ関西から製薬産業を盛り立てることはできないか。そうした志のもと2016年、立命館大学に創剤研究コンソーシアム・ヒト吸収性評価技術分科会が設立されました。
この分科会のユニークなところはライバルである国内の製薬企業12社が参画し、共同で研究に取り組むとともにその成果を共有する、コンソーシアム型の研究体制をとっていることにあります。加えて企業が抱える課題をテーマにしてその解決策を探求する企業主体の連携であることも特徴的です。世界でも例を見ないコンソーシアムから生まれる研究成果に大きな期待がかかっています。