
何をする場所?
立命館大学衣笠キャンパスの動物行動研究室では、動物(ハト)を用いた行動研究や実験法・技法の学習が行われています。またハトの飼育もしています。
2014年9月30日更新
あなたは立命館大学のキャンパスに、「秘密の扉」があることを知っていますか?
「秘密の扉+R」では、みなさんが知らない、聞いたことがない、見たことのない、キャンパス内の特殊な施設をご紹介します。
あなたの興味を刺激する新たな発見があるかもしれません。扉の向こうの世界を見てみましょう。
立命館大学衣笠キャンパスの動物行動研究室では、動物(ハト)を用いた行動研究や実験法・技法の学習が行われています。またハトの飼育もしています。
理由は2つ。1つめは、ハトはラットやマウスと異なり、視力・色覚が優れている動物で、ハトを用いることで、より人間の特性に近い条件を用いて研究することができるからです。2つめは、動物実験には、使用する動物の餌の種類や食べる回数など、基本的な情報が必要になり、ハトは古くから伝書鳩として利用・研究されてきたので、必要なデーターが十分に蓄積されているからです。
実験には「スキナーボックス」という箱型の実験装置の中にハトを入れます。箱の中のランプの点灯などの刺激を手がかりとして、ハトが反応スイッチ(反応キーといいます)を(何回か)突くと餌が出てくる仕組みです。刺激の回数などを設定できる他、刺激や反応は記録紙に自動的に記録されていきます。
ハトが反応キーを突けばその直後に餌を出す、という両者の「関係」によって、ハトの行動にどのような変化が現れるかを調べる実験が行われています。
ヒトや動物の行動を左右する要因には、「生物種としての要因」、その個体の「経験の要因」、そして「現在の要因」の3種類が考えられます。ハトは空を飛べますがヒトは自力では飛べません(生物種としての要因)。習った外国語なら話せる(経験の要因)、例えば食事行動は、そのときに食べる料理や食器があって初めて可能となります(現在の要因)。
ヒトや動物の現在の行動や過去の行動を、このような要因から分析・比較することによって、行動を理解しようとするのです。
ハトの飼育は、文学部の藤先生、中鹿先生、恒松先生、心理学専攻の特任助教、助手、研究生をはじめ、ボランティアの学生など飼育班のみなさんが交替制でされています。1日1回の給餌・給水と飼育室の清掃のほか、動物の感染予防にハトの健康状態をチェックしています。
飼育作業と飼育しているハトの健康状態の確認など、実験室の毎日の状況を記録する実験室日誌は、1989年に動物行動研究室が開設されたときから続いています。
サフラワーやエンドウ、コウリャンの種、とうもろこし、混合飼料などを混ぜたもの。
実験を終えて次の実験までハト達が暮らす部屋。室内の温度は一定に管理されています。
実験中のハトが一羽ずつ、ケージで飼育されています。個別飼育室には、太陽光に近い照明や、室内に入った空気が一方向に流れ、浄化フィルターを通って排出するシステムを採用しています。
実験に使用する道具や装置の製作や修理などを行います。
実験後の日誌付けや学習の場。動物実験準備室からは、ガラス越しに集団飼育室内を見ることができます。
私は、心理学特殊実験実習の「ハトの動機付け操作」を受講しています。動物の行動を分析することで、ヒトを含む動物行動の原理について学ぶことができます。この授業を受けて人間の単純な行動についても心理学の観点からみられるようになりました。今年5月から自分の実験用として1羽を担当することになり、初めのころは上手く捕まえることができず、体重を測ることも一苦労でした。飼育には土日も休みがありませんが、ハトも私も互いに慣れるようになり、今ではハトが可愛くて仕方ありませんね(笑)。
今まで魚類(キンギョ)や霊長類(ニホンザル、アカゲザル)のオペラント行動や、オペラント技法を用いた動物の感覚・知覚機能の研究をしてきました。ハトでは、準自然場面における摂食・摂水行動の分析をしています。ひとつの研究を終えるのに、3年間程かかる気の長い研究ですが、分析の結果、ハトが示した行動の規則性をみると、大変感動します。動物と実験者とのインタラクションが、とても面白いですね。
2010年から助手として勤務しています。動物行動研究室は藤先生や学生のみなさんだけでなく、心理学研究室の教職員もハトの飼育を担当しており、私もその一人です。飼育のほかにも、飼育班の学生のみなさんのマネージメントも仕事の一つです。清掃やエサの時間には、ハトが頭の上に止ったりするなど懐いてくることがあります。哺乳類と近い一面もあってとても可愛いですよ。
2014/9/30掲載
動物行動研究室
2014/10/16掲載
工作センター
2014/10/31掲載
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2014/11/18掲載
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2014/12/5掲載
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2014/12/18掲載
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2015/2/19掲載
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