THE INFLUENTIAL READS⽴命館⻄園寺塾で「出会えてよかった1冊」

最初に分厚いこの本が送られてきた際は、どうすれば良いのかと思った。この本をすべて読むのは無理だと直ぐに悟った。そういう意味で、西園寺塾がなければ自ら手に取ることのなかった本であり、時間が経った中では、自分が西園寺塾で学ばせてもらったことの証になってきた。中国は、日本にとって地理的に直ぐ近くの大国であり、古代から様々な交流を重ねてきた結果、好む好まざるを超えて、「私たちが考えている、行動していることの由来は何なのか」を考える時に、中国の影響を抜きにすることは適切でないと思っている。思っていながら、日常の生活の中で、中国とは何かなどを考える機会がない中で、この本はあまりの厚さゆえに、何かが書いてあるかも知れないという気にさせてくれるところがある。初めから全部を読み通すのではなく、むしろ様々な項目をバラバラに読むことに適していて（著者や訳者の意に反するかも知れないが）、それぞれの思想がどのような背景で生まれてきたかなどを知ることができるため、中国の歴史や哲学に詳しくなくても、時間の流れの中での背景を知ることができる。もっと長い時間をかけないと、私には分からないことが多いが、この本が手元にあると、いつか分かるかも知れないという気にさせてくれるところがあるのだ。