Career NetworkingOBOG会紹介
6期生による出雲フィールドワークが開催されました。
2025年1月25日(土)~26日(日)、6期生によるOBOG会を開催、今回は島根県を9名で訪問しました。
【スケジュール】
▼1月25日(土)
荒神谷遺跡・古代出雲歴史博物館・稲佐の浜・出雲大社・石見銀山世界遺産センター・石見銀山の跡地/坑道
▼1月26日(日)
美保神社・松江城・神魂神社・足立美術館・日御碕灯台
今回のフィールドワークに参加された6期生の山川知俊さん(住友電設株式会社)のレポートです。
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今回のフィールドワークの舞台は、神秘的な成り立ちや古代の大和や筑紫との繋がりなど、その歴史に興味を持ちながらも、これまで漠然としか知らなかった、なんとなく取っ付きにくい印象のあった出雲地方です。そのような出雲について少しでも理解を深めようと、慣れないカタカナで書かれた数々の古代の神様の名前、その偉業の理解に四苦八苦しつつ、梅原猛先生の著作「葬られた王朝 古代出雲の謎を解く」を事前に読み込み参加することにしました。
出雲神話は、過去、フィクションとされる説が主流であったようです。その説が改まるきっかけのひとつとなったのが、弥生時代の遺跡である荒神谷遺跡です。それまで日本国内で発見された総数を超える358本もの銅剣が一度に発見された当時の研究者や古代史ファンの興奮は想像するに余りあります。実際、梅原先生もご自身のフィールドワークや研究を重ねることで、「出雲神話は事実に基づいた物語であった」と考えを改められたようです。遺跡見学後、ガイドの方の勧めにより島根県立古代出雲歴史博物館を訪問、実物の銅剣・銅鐸・銅矛などが整然と陳列された様子は、正に圧巻の一言でありました。
出雲大社は、「縁結びの神社」という認識しか持ち合わせておりませんでした。御祭神は大黒様としても有名な大国主大神で、天照大神に国譲りをしたとされる神様です。「国譲り」とは言え、当時の覇権争いなどを想像することもできる訳で、それでもなお、現在にいたるまでこれほどの存在感を示しているこの大社に、悠久の歴史を感じ取ることができました。また、驚いたのは、2000年に境内の地下から3本1組のスギの大木が3箇所から発見されたという事実です。それが本殿の支柱ならば、当時、本殿は数十メートルにも及ぶ高さを誇ったとも考えられます。将来、発見されるかもしれない歴史的な新事実に、今後ますます興味を惹かれそうです。
美保神社や神魂神社、日御碕神社については、ほんの一部ではあるものの予備知識を頭に入れ、その御祭神の功績などを想像しながら拝観することで、これまで漫然と見てきた神社仏閣とは違った思いで訪れることができました。また、世界遺産となった石見銀山のある大森町の住民憲章(おだやかさと賑わいの両立)への思い、そして、足立美術館を創設した足立全康氏の破天荒な経歴や収集された作品なども興味深く拝見させていただき、大変貴重な体験となりました。