Voices for future leaders修了生紹介
4期生
佐々木 健Sasaki Takeshi
独立行政法人中小企業基盤整備機構
人事グループ 人事課 課長
- 総務部業務改善推進室 室長
- 人事グループ 人事課 課長(2024年4月1日)
立命館西園寺塾を通じてのご自身の変化や成長について
学生時代、社会人の二十数年間、世の中の現象・歴史・文化・海外情勢など、それなりに向き合ってきたつもりでしたが、西園寺塾で学んだ内容は、知らなかったこと、普段は意識していないことばかりで、「気付き」の1年間でした。自分のアンテナでは触れようとしなかった分野での経験は、今後の人生が広がる良い機会になりました。
年齢を経た今だからこそ、西園寺塾で見たこと、聴いたこと、知ったこと、読んだこと、すべてが「意味」のある感覚で入ってきました。ただ知識を得るだけではなく、深く考える、議論することでさらに学びが進化できる。これは、仕事においても生きるうえでも大切なことだと感じます。
西園寺塾には多くの時間と力を費やし、苦しく感じたときも多かったのですが、だからこそ、これからの自分を支える宝になると思えます。他の塾生たちは、私より多忙にもかかわらず、課題を軽くこなし、しかも楽しんでいるように見えました。こうした同期の仲間からの刺激がまた大きな学びです。自分の枠を広げるためには、外部、異質と触れることの大事さを本当に強く感じました。仲間に感謝しています。
特に印象に残っている講義・フィールドワーク・出来事はどのようなことでしょうか。また、その理由についてお教えください。
新たなものに触れることから領域を広げる、また、今の自分はこのままでよいのだとの想いを深め再認識することなどもありました。哲学的思いにふけることが多かったですが、誰に聞いても羨ましがられる講師陣による講義は、どれも楽しかったです。
わかりやすく解説していただける講師の先生もいれば、自分の世界観をストレートにぶつけてこられる方など多彩な講師陣でした(笑)。中でも、北川フラム氏による「アート」の講義では「~しなければいけない」というあるべき論が自分を縛っていることに気づかせてもらいました。「もっと自由に、楽に、好きなことを大切にして生きる」新しい扉を開いていただいたような気がします。簡単にシフトチェンジできませんが、意識していこうと思います。
4回のフィールドワークでは、実際の現場・現物に多く触れたことが、自分だけでは開けられない本質に近づく現実の扉が開いた気がします。「フィールドワーク」「本物に触れる」、現地現物に触れることで自分の何かが動く。福島の復興に「本気」で取り組む方々とお話ができたこと忘れません。
全ての講義・フィールドワークを通じて共通したメッセージは、「共感」と「多様性」。ありふれた言葉になっているかもしれませんが、真の意味を理解し、学び続け、実践し、生涯大切にしていきたいと強く思っております。
今後の夢や目標を教えてください。
西園寺塾に通って過ごした約1年間、政治情勢や海外情勢に多くの変化がありました。これまであまり真剣に見ていなかった「世界」に眼が向くようになり、周囲との会話も一段と深みが増しました。自分に何ができるかはわかりませんが、考えること、話し合うこと、少しでも率先して行動すること、日本人として何ができるかを考え、次の世代に未来をつないでいくことをしたいと思います。大きなことは言えませんが、これこそがリーダーシップの一つであると考えています。
私の仕事は中小企業を応援し、日本を元気にすること、元気な日本を次世代につなぐことです。明治維新から戦後復興まで乗り越えた日本、この過程で多くの変化が起こり、便利になり、生きやすくなりました。その中で、忘れてはいけない日本の良さ、地方を支えた文化や産業、効率化の波の中でも残すべきもの、大切にしたいものについて、仕事を通じて追い求めていきたいと思います。
かつては世界の中心であったアジア、そのアジアの良さを受け入れた日本、そして今またアジアの時代へと向かっているように思います。規模の大小や量にかかわらず、暮らし・まち・地域・日本を支えてきた人たち・文化をつくってきた人たち、加えて、これからつくる人たちを応援し、ともに、よりよい社会を次世代へつないでいきます。幸せな日本人が増えるとよいです。
未来の西園寺塾 塾生にメッセージをお願いします。
「世界を感じる」「異質に触れる」。年を経れば経るほど遠くなりがちです。大人こそ定期的にインプットし、対話というアウトプットで深める。自分の人生を生きるため、自分の人生が世の中につながるため、新しき(外)を知り、自分(内)を深めること。とても意義深いです。
2019年4月25日掲載
More Interview