学部長メッセージ 教員紹介
科学技術の社会に与える影響が今ほど注目されている時代はありません。
先端科学技術は、科学的な探求からはじまって、新素材、新デバイス、新エネルギー、新システムといった社会に有用な「もの」を創造しますが、それらが社会に与える影響も含めて評価される時代になっています。
創造理工学専攻では、化学から電気、機械、建築、環境までを包含した広い分野を融合して社会に有用な「もの」を創造する教育研究体系を構築し、マネージメント能力や技術者倫理を含めて、単なる知識に留まらない社会における実践的な能力を涵養します。
創造理工学専攻には、応用化学コース、電子システムコース、機械システムコース、環境都市コース、および先端融合科学コースの5つのコースを置いて教育研究を展開します。
応用化学コース
 本コースは、物質・材料、エネルギー、環境、生命、情報など人類の生存と発展に関わる21世紀における極めて重要な学問分野を扱い、大きく応用化学分野と生物工学分野から構成されます。学生は、本コース内での充実した研究・教育、および学内外の各機関との連携、共同研究を通じて、視野の広い高度で実践的な研究能力・技術力を習得することができ、修士(工学)または修士(理学)の学位を取得します。
 応用化学分野では、ミクロな立場から物質の構造と機能を解明し、新材料の創製、新機能の発現、エネルギーの発生・変換、環境保全などに資するため、溶液の構造・物性、電池、ガラス・セラミック、センサー、ナノ材料、液晶、有機分子・高分子、酵素・蛋白質などに関連する先端的研究・教育を行います。
 生物工学分野では、「化学の言葉で生物・生体を語る」ことのできる力を基礎に、最新の遺伝子工学、分子生物化学から生物有機化学、微生物生態学にまで渡る幅広いカリキュラムにより、エコロジー、環境・資源、バイオテクノロジー、生体超分子や生体有用成分に関連する領域で最先端の研究・教育を遂行します。
電子システムコース
 高度情報化社会を支える[1]電気・電子分野における材料・デバイスやシステム、[2]電子技術、光技術、情報技術などの融合による光情報通信や機器、新エネルギー、[3]VLSIなどの分野を体系的に学びます。[1]では環境問題の解決や医用・福祉分野に寄与するシステム応用分野。ITSなど無線通信の新応用や移動体通信、無線LAN等の情報通信分野、新材料、新機能デバイス。ナノテクノロジーなどのデバイス材料分野。[2]ではインターネットを使った映像配信やテレビ電話などブロードバンド通信の基盤技術。次世代超大容量光記憶やディスプレイ、セキュリティー、エネルギー分野、[3]ではユビキタス・ネットワーク社会やユビキタス・コンピューティングの中核を成すVLSI技術をカバーし、日本のIT業界の発展において一層の高度化と振興を図ることを目的としています。本コースでは産業界からのIT技術に於ける強い要請を踏まえた人材育成、新たな技術シーズの創出と展開、産官学連携や技術者交流を積極的に推進しています。高度な専門知識と共に柔軟かつ複眼的な思考を持ち、HowからWhatへと創造性ある人材の育成は産業界や社会からの大きな要請であります。本コースの修了者は各種製造業、ソフトウェア・システム産業、官公庁、研究機関などの多くの分野で活躍しています。
機械システムコース
 モノづくりにおいては、企画、設計、試作、評価、生産という一連のプロセスを高水準で有機的に結びつけることが重要です。
 このようなことから、機械システムコースでは、ナノテクノロジーや情報科学などの先端技術を融合させつつ、モノづくりの根幹となる知識や技術の習得に重点を置いた学習の場を提供しています。
具体的には、材料力学、流体力学、制御工学、電磁気学、熱力学、加工学などの基盤分野に加えて、ロボット工学、生体工学、福祉工学、マイクロシステム工学などの応用分野についても、次世代を担う技術者・研究者の育成に相応しい教育体系・研究体系を構築しています。
 同時に、ゼミや演習などを通じて、問題を発見する能力、発見した問題を解決する能力、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力などを効果的に身につけられる教育体系・研究体系を構築しています。
環境都市コース
 地球環境問題は、資源・エネルギー問題であると同時に、人間を様々な災害から守り、快適な生活環境を自然と共生しながら持続的に創造していく問題でもあります。
 この環境問題の解決には、人間、社会、生態系などを視野に入れて、土木工学、環境工学、システム工学、建築学などの幅広い知識と問題解決能力を持った人材の育成が求められています。
「環境都市コース」は、力学、設計法などを基礎とする、災害等から社会を保全する技術の開発、自然環境を保全し、自然と共生できる社会基盤施設の建設を中心とした社会保全工学、社会基盤施設などの分野と、情報処理、システム化手法、社会学、経済学、建築学などを基礎とする、環境現象のシステムモデル化、社会基盤施設建設の費用効果と環境評価、新しい都市・建築のデザイン法や景観計画を中心とした社会設計学、環境システム、都市・建築デザインなどの分野の、新しい学際領域の教育、研究を行っています。
 大規模化する環境問題を総合的な観点から捉え、解決の方向を探ることができる人材の養成は社会的急務となっており、本コースの修了者は、環境管理、建設技術、都市・地域計画、都市・建築デザインなどの幅広い分野における各種企業、研究機関、官公庁等で活躍しています。
先端融合科学コース
先端融合科学コースは、重点的に推進しなければならないと考えられる先端学問分野において、機動的に学際的教育研究体系を提供するためのコースとして設置します。このコースでは、本学が採択されている21世紀COEプログラムのうち、「放射光生命科学研究」、「マイクロ・ナノサイエンス・集積化システム」、「文化遺産を核とした歴史都市の防災研究拠点」の3つのプログラムを包括します。
「放射光生命科学研究」プログラムでは、新しい医療の提唱、新しい生命モデルの提唱、新たな生命概念の確立を目指し、本学教員が世界で初めて開発に成功した2台の卓上型放射光を用いた独創的な生命現象研究を展開します。プログラムは、量子力学と生命科学の融合に取り組みます。それは、生物学、化学、医学、物理学、工学を融合した新しい生命科学を展開するものであり、ハード及びソフトの両方を理解できる学生を育てます。21世紀の社会及び企業は、生命科学と物理学及び工学を幅広く理解する人材を求めています。
「マイクロ・ナノサイエンス・集積化システム」プログラムでは、スーパーICチップ(ナノサイエンス・システムLSI)という概念を目標に、MEMS(マイクロマシン)、エネルギー・情報通信、知能情報システムという3つの研究分野を融合した新しい学際的研究分野について、マイクロシステム工学、半導体工学、知能情報工学を融合した「ナノサイエンス・システム工学」の教育を展開します。
「文化遺産を核とした歴史都市の防災研究拠点」プログラムでは、歴史都市の防災システムに関する技術開発を進め、文化遺産や歴史都市への造詣の深い防災研究者を育成することを目的としています。文化遺産を災害から守ることについては、研究や技術開発が未だ十分ではなく、また早急に対応すべき課題が多いのが現状であり、土木工学、自然災害科学、建築学、情報学、人文・社会科学等を連携させた歴史都市防災の教育を展開します。
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