教員紹介

FACULTY MEMBERS

人間福祉専攻

桜井 啓太 准教授
SAKURAI KEITA

専攻
人間福祉専攻
専門分野
社会学、社会福祉学
研究者学術情報データベース

研究テーマ

現代日本の貧困問題。社会福祉、特に生活保護制度に関する研究

おすすめ書籍

・ブレイディみかこ、『アナキズム・イン・ザ・UK―壊れた英国とパンク保育士奮闘記』、Pヴァイン、2013年

大学で生活保護の授業をしていると学生さんから「あんな人たち助ける必要あるんですか?」という質問を年に1回はいただきます。堂々とそんなこと言っちゃう人にはもちろん、心の片隅でこそっとでも考えたことのある人にもおすすめできるパンク・ミュージックと社会福祉をつなげる一冊。

——駄目な人間には救われる資格はないと思っている人びとには、それがないのである。 あんたたちは駄目なのよ、屑なのよ。の、その先にあるもの。とは、“それ”に他ならない(p.256)

その先にある“それ”に興味があればぜひ。

学生時代の思い出

自分の「学生時代の思い出」は特に書くほどのことないです。。。「大学生の時にしかできない」ことなんて本当はありません(遊びも仕事も勉強でも何歳からでもできます)。でも大学を出て働いて少し稼げるようになると、ちょっとしたお金よりもちょっとした時間の方が稀少性が高くなります。そして人生では大学4年間よりもそんな期間の方がずっと長い。

バイトはそこそこに(といってもそんな事情が許されない状況の人もいますが)、授業選びは慎重に、サークルや遊びもいいですが、ゆっくり自分でなにかを学んだり調べたり考えたりするには「自分のために使える時間と空間」が必要で、大学はそんな価値のなさそうなものを提供してくれるところです。胸を張っていえる「思い出」とかなくてもいいけれど、みなさんがなるべくそんな時間と空間をもてますように。

現在の学問分野に決めた理由

「日本の貧困・貧困政策」が私の研究領域ですが、大学卒業後に地方公務員として市役所で配属された生活保護ケースワーカーの仕事がきっかけです。その仕事をして初めて「現代日本で貧困であるとはどういうことなのか」、「社会福祉とか公共政策というのはいったいなにをして、なにをしないのか」について少しだけわかった気がします。

でも研究者になろうと思ったのは、「貧困な人びとをもっとうまく助けたい!」というようなのではなくて(それなら実践現場にいるのが一番です)、というよりは「(かわいそうな)生活保護世帯をどうやって自立させるか」という世の中の風潮が気持ち悪くて大嫌いだったからです。

もしこれを見ている方が、進路(学問分野)に悩まれている方なら、自分が感銘受けたり知的好奇心にマッチした本や人から分野を決めるというのもアリですが、社会にたくさんある「事象/問題」に対して「自分はなにに怒りを感じるのか」というのを一つのきっかけにするのもいいかもしれません。
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