教員紹介

FACULTY MEMBERS

メディア社会専攻

谷原 吏 准教授
TANIHARA TSUKASA

専攻
メディア社会専攻
専門分野
図書館情報学、人文社会情報学
研究者学術情報データベース

研究テーマ

SNSとコミュニケーション、AIのガバナンス、世論と政治、定量的分析

おすすめ書籍

鳥海不二夫・山本龍彦(2022)『デジタル空間とどう向き合うか : 情報的健康の実現をめざして』日経BP

Google、X、Youtube、Instagram、Tiktokなど、私たちの生活はインターネットとソーシャルメディア(SNS)に囲まれています。ネット上で私たちが目にする情報には、オフラインやマスメディアにはない独特の「クセ」があります。各プラットフォームで機能しているAIが、私たちの過去の視聴履歴や検索履歴、何にいいねをしたかなどの行動データに基づいて、「あなた向けの」の情報を表示してくれているのです。これは、情報の偏りや炎上の集中など様々な問題をもたらします。上記書籍は、数多くの研究から得られた知見を用いて、ソーシャルメディアが抱える問題をその仕組みから丁寧に記述するとともに、これからの情報社会を適正にしていくための方法を模索しています。

学生時代の思い出

私は学部生時代は経済学を専攻していました。大学3年生当時、就職活動の最中にリーマンショックが起こり、日本を含む世界経済は大きく震撼しました。私の身近にも、インターンに行った企業が経営破綻したという学生がいました。その時、自分が普段授業で学んでいる経済の理論や時事的な話題などが、自分の実生活と直結し、非常に興味深く感じたことを覚えています。
私が所属する産業社会学部メディア社会専攻では、私たちを日々取り巻くメディアを学術的・科学的なレンズで相対化することにより、現代社会をクリティカルにまなざす視点の獲得を目指します。皆さんが当たり前のように使っているインターネットやSNSが、どのように社会に影響を与えているのか、私たちの情報行動はどのように規定されているのか、そうした日常に潜む現象を科学的に解き明かすことにより、現代社会を一歩引いた視点から分析することができるようになるでしょう。

現在の学問分野に決めた理由

ソーシャルメディアやAIは、もはや私たちの生活の一部になっています。それに伴い、フェイクニュースや誹謗中傷、AIによるプライバシー問題や不公平性の問題など、様々な課題を引き起こしています。ソーシャルメディアやAIを研究するということは、現在進行形で起こっているアクチュアルな課題に真っ向から取り組むというやりがいがあります。また私は定量的な分析を主軸として研究を行っています。これからの社会、データリテラシーやデータドリヴンな思考は生産性の核となってくるでしょう。こうしたことを踏まえて、学生の皆さんにもソーシャルメディアやAIに関する課題をデータ分析で解き明かす研究に興味を持っていただければ幸いです。
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