木田真理子氏のダンス・ワークショップ:スポーツ社会専攻

Posted on 2017.07.28

前期のテスト期間も終盤となりました。あと少しで夏季休暇
を迎えます。学生たちにとって、この長く自由な時間をいか
に過ごすのかということは、自身の成長に大きくかかわる大
切な問題であり、海外で積極的に活動してくる人も少なくあ
りません。
近年、国連の「ミレニアム開発目標」「持続可能な開発目標」
に基づく、スポーツを通じた開発と平和構築の取り組みなど、
スポーツのチカラで社会を活性化し開発する活動が国内外で
幅広くなされています。こうした取り組みは、スポーツ社会
専攻の教学と重なる点もあり、本専攻ではスポーツを現代社
会の諸課題の解決に貢献する手段・媒体・触媒として捉えた
教学を展開しています。その一つが「身体表現プロジェクト」
であり、これはオリンピックのような競技とも、教育の手段
としての体育とも異なる、身体文化の価値や意味に着目した
プロジェクトになります。特に、バレエ、コンテンポラリー・
ダンス、日本舞踊、民族舞踊等は、卓越や勝利、健康増進な
どを目的とするスポーツとは異なり、表現やコミュニケーショ
ン、スピリチュアルな意味、内省、身体への気づきといった
価値を持っており、これらは体育や競技とは違った影響を私
たちや社会に与えてくれています。




今回のワークショップは、学生たちがダンスを通じて身体活
動の多様性や身体感覚、自文化(自らの振る舞い・身体に刻
まれた慣習・伝統等)などについて理解を深めること、さら
にはそうした研究テーマを追求するきっかけになってほしい
という思いから、スウェーデンのストックホルムを拠点に世
界のダンスシーンでご活躍の木田真理子さんにご協力をいた
だき、開催したものです。当日6月1日は、金山千広ゼミと
松島ゼミの3回生が参加し、衣笠体育館でさまざまなワーク
を行いました。木田さんは、産業社会学部の卒業生であり、
2014年にはバレエ界のアカデミー賞と言われる「ブノワ賞」
を日本人で初めて受賞され、同年のノーベル賞晩餐会で披露
されたその踊りが世界中に配信されるなど、産業社会学部が
誇る卒業生のお一人です。そのような著名な方を前に、当初
は学生も緊張した様子でしたが、木田さんの巧みな誘導やワ
ークの数々に、次第に心身ともにほぐれたようでした。学生
からは、「自分のイメージ通りに身体が動かなかったり、身
体を動かそうとすると、イメージがぼやけてしまったり、自
分の体なのに、なんだかもどかしいというか、不思議だった」
「バレエをやっていたので、あこがれの人と同じ時間を過ご
せることに素直に感動した」などの声が寄せられました。当
日は、小澤亘先生も見学にお越しくださり、木田さんも懐か
しのゼミの先生とお会いし、喜びと同時に新たな刺激も受け
ておられたようでした。



文責:スポーツ社会専攻 松島 剛史 准教授

 

2017年度 西園寺記念奨学金・+R Challenge奨学金給付証書授与式

Posted on 2017.07.26

7月7日(金)に「西園寺記念奨学金(成績優秀者枠)」
と「+R Challenge奨学金」の給付証書授与式が以学館
Visual Labで行われました。※奨学金制度については
記事の最後に紹介します。
産業社会学部では、51人の西園寺記念奨学生と4人の
+R Challenge奨学生が選ばれました。

授与式では、景井充副学部長より開式の辞、竹内謙彰学
部長より祝辞が述べられました。その後、奨学生を代表
してスポーツ社会専攻4回生の東野快生さんから謝辞が
あり、「将来の目標を諦めたときに、産業社会学部の環
境が自分の生活を見つめ直すきっかけを与えてくれまし
た。そして、たくさんの学生や教職員の方々との『繋が
り』が自らの学びに最も大切であることに気付きました。
この『繋がり』を生かしながら常に笑顔を忘れず、日々
精進していきたい」と産業社会学部で学べたことへの感
謝を述べられていました。
最後に各回生で記念撮影も行い、和やかな雰囲気のなか
給付証書授与式は終了しました。
 


 


 


 



授与式後はラウンジに会場を移し、奨学生が企画した交
流会を実施しました。
交流会では各回生でグループを作り、産業社会学部の卒
業生が経営しているイタリア料理店の料理を囲みながら、
「西園寺生・+R Challenge生が立案する自主企画」をテ
ーマにグループワークを行いました。
 



グループワークには奨学生全員が参加し、「専攻の枠を
越えた企画」「学生と教員の交流」など、産業社会学部
だからこそできる『繋がり』を生かした企画が考案され、
発表されました。短い時間でしたがとても有意義な内容
の交流会となりました。
 



奨学生のみなさんが、これまで以上に高い目標を持ち、
一層充実した学生生活を送られることを大いに期待して
います。おめでとうございます!

※成長支援型奨学金について
立命館大学では2017年度から奨学金制度が新しくなりました。
特に正課での学びと成長を支援するために、以下の3つの奨学
金制度を設けています。
「西園寺記念奨学金(成績優秀者枠)」…優秀な成績を修めた
学生を褒賞し、周囲の規範となることを奨励するもの
「+R Challenge奨学金」…自らの問題意識を発展させた学習
テーマを追求する学生を支援するもの
「学びのコミュニティ学外活動奨励奨学金」…正課授業を単
位とした主体的・能動的な学習集団の育成を支援するもの

詳細はこちらのページをご覧ください。
https://www.ritsumei.ac.jp/scholarship/regular-grow.html/

文責:産業社会学部事務室

子ども社会専攻:ランチタイムコンサート

Posted on 2017.07.24

今年も、前期子ども社会専攻「ランチタイムコンサート」を
7月7日に行いました。この「ランチタイムコンサート」は、
セメスターごとの「音楽Ⅰ」「音楽科教育法」の学習成果発
表会として、毎週の授業の終了前10分ほどの時間でとりくん
だ混声合唱を中心に、子ども社会専攻の学生、関係教職員で
自由にプログラムをくんで、みなで〈ミュージッキング〉を
楽しみます。
2回生は短期間で難しい曲をよくしあげ、オープニング《手
紙》の全体合唱をはじめ、積極的に演目にエントリーして、
独唱、ピアノ独奏、木管二重奏など豊富で充実したプログラ
ムを提供して、コンサートをもりあげてくれました。
3回生が選曲した《群青Azure》は、東日本大震災で、津波
によって甚大な被害を受けた福島県南相馬市立小高(おだか)
中学校の卒業生と教員がつくった印象的な曲です。小高(お
だか)中学校は3月11日、卒業式が終わった数時間後に津波
に襲われ、4人の生徒が犠牲になりました。その後の福島原
発事故によって、20キロ圏内警戒区域に指定されたため避難
を余儀なくされ、新学期に間借りして再開した小高(おだか)
中学校では、106人いた1年生のなかで2年生に進級した生徒は
7人にとどまったといわれます。もどってこない同級生への思
い、生徒たちの日常のつぶやきをつなぎあわせて詩が完成し、
音楽教諭の小田美樹氏が曲をつけました。
3回生は、前日自分たちで服装を黒に統一することに決めた
そうです。スピーチをまじえ、素晴らしい感動的な合唱とな
りました。
エンディングの全体合唱が終わったあとには、「感動した!」
とたくさんの声がきかれ、授業の中で繰り返し議論した「技
術主義に偏らない音楽教育」「みなが参加できる音楽教育」
の姿を一歩づつ自分たちの手でつくりあげているようでした。

(子ども社会専攻 笹野恵理子 教授)




今年も子ども社会専攻「ランチタイムコンサート」を無事終
えることができました。
「音楽Ⅰ」「音楽科教育法」の学習成果報告発表会として混
声合唱をはじめ、独唱、ピアノ独奏、木管ニ重奏と学生たち
が主体となって作り上げた大変充実したプログラムとなりま
した。出演者の学生たちからは、「緊張したけど、みんなで
合唱が出来てとても楽しかった。また機会があったら出演し
たい」など喜びの声が数多く寄せられました。大学生活のな
かで舞台に上がって演奏披露したり心を合わせて合唱したり
する機会は数少なく、大変貴重な経験が出来たと思います。
この学習成果発表会で経験し得られた事を今後の教育実習や
教育現場で生かし、子どもたちにも表現する楽しさや感動を
伝えてほしいと願います。

(小学校教員養成課程 サポートセンター 佐藤 真由子)




この「ランチタイムコンサート」は、私の学生生活のなかで、
とても貴重な経験となりました。私たちが主体となってプロ
グラムを進行し、学年に関係なく音楽というものに感動をす
るこのような機会は、大学生活のなかで少ないと思います。
「クラスのみんなと合唱できて良かった」「後輩の演奏に感
動した」という声は、私の耳にもたくさん届き、私自身も本
当に感動しました。「音楽って楽しい」ということについて、
ランチタイムコンサートを通して会場全体で共有できたこと
は、本当に貴重な経験でした。この音楽に対する素直な感情
を、教育現場で子どもたちにも気づかせてあげられるような
活動をしていきたいと思います。

(子ども社会専攻 3回生 中野 優和)









スポーツドキュメンタリーの鑑賞:スポーツ社会専攻企画

Posted on 2017.07.20

京都は暑い夏を迎えています。この時期、産業社会学部は
定期試験を前に賑わいを増し、1回生は初めての試験を控
えて緊張した面持ちをみせています。今回は、こうした
1回生に向けておこなったスポーツ社会専攻の企画をご紹
介します。
スポーツ社会専攻では、スポーツを、時代や社会・人々の
人生との関わりから理解し、問題を解決するというミッシ
ョンのもと、さまざまなプログラムを提供しています。そ
の一つとして、例年、基礎演習4クラスでおこなっている
のが、スポーツドキュメンタリーの鑑賞会です。
今年は、5月25日(木)に以学館1号ホールで、NHK
スペシャル『カラーでよみがえる東京:不死鳥都市の
100年』を鑑賞しました。この作品は、世界の巨大都市
「東京・TOKYO」に関する過去の記録映像をカラー化し、
東京および日本の100年の歴史を描いたものです。日本
は、2020年にオリンピック・パラリンピックを控え、
過去3度のオリンピック大会招致に成功しており、その舞
台はすべて東京です。日本におけるオリンピックの意味と
は、この都市や日本をめぐる歴史社会的な背景にひきつけ
なければ理解できません。1940年大会が関東大震災か
らの復興を目指しつつも、日中戦争の勃発や日本の軍事化
などの理由で返上され、1964年大会は戦後の敗戦から
高度経済成長を経て、再び国際社会に復帰する象徴となっ
たように、映像からはオリンピックやスポーツが時代や国
内外の情勢にいかに翻弄されてきたかが見えてきます。そ
れは、現在の私たちに、スポーツを時代や社会と切り離し
て捉えることの危うさを教えてくれているように思います。
学生からも、「第二次世界大戦中、学徒出陣壮行会が行わ
れた場所で、その20年後に東京オリンピックの開会式が行
われたということを、今回のドキュメンタリー映像を見て
初めて知りました。同じ場所で、同じ行進でも、その意味
はまったく違う」、「映像では関東大震災や戦争からの復
興についても取り上げられていた。そのなかで東京オリン
ピックの招致が与える影響は経済的にも国民の心情面にし
ても大きなものだったとわかった。2020年の東京オリンピ
ックでもただ開催するのではなく、東日本大地震や熊本地
震の復興の架け橋になってほしい」などの声が寄せられま
した。こうした意見を聞くと、学生たちにとって今回の企
画が、過去から現在・未来を問うていくことの大切さを学
ぶ機会となったと考えられ、本専攻で学びを積み重ねるう
えで有意義なものとなりました。



文責:スポーツ社会専攻 松島 剛史 准教授 

スポーツ社会専攻:障害者シンクロナイズドスイミング・フェスティバルのボランティア

Posted on 2017.07.06

本年度から東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年の
先を含む5年間(2017年4月~2022年3月)のスポーツ政策として、第2
期スポーツ基本計画がスタートしました。計画では、「する」「見る」
「ささえる」といった多様な形での「スポーツ参画人口」を拡大して、
「一億総スポーツ社会」を実現する意義が謳われています。



中でも障害のある人のスポーツ実施率の向上(成人の週1回以上のスポ
ーツ実施率:現在19.2%→40%を目指す)は、豊かな共生社会を誘う一
助であるとしています。

スポーツ社会専攻では、スポーツの現場に実際に携わり、スポーツの持
つ意味や役割を肌で感じることで専攻での学びを深めたいという考えの
もと、毎年課外活動の一環として障害者スポーツ大会でのボランティア
活動に取り組んでいます。今年も、5月14日(日)に京都市障害者スポ
ーツセンターで開催された、「第26回障害者シンクロナイズドスイミン
グ・フェスティバル」の会場設営、フェスティバルの運営・補助に、ス
ポーツ社会専攻に所属する1回生から4回生の有志学生の約60人とスポー
ツ社会専攻の教員4人が参加しました。この障害者シンクロは、性別・
年齢・障害の有無に関わらず誰もができるシンクロナイズドスイミング
を通じて、障害の種別を超えた自己表現を可能にしています。参加者に
とって、このフェスティバルで発表することは、自己の可能性にチャレ
ンジすることであり、その演技は競技者だけでなく家族やチームの仲間、
観る者に感動を与えてくれます。昨年に続いて台湾からの参加者を迎え、
国際的なフェスティバルとなりました。



今回、スポーツ社会専攻の学生が行なったボランティアの内容は前日か
らの会場設営、リハーサルの補助、当日の受付、進行、アナウンス、音
響、式典・招集、救助介護、通訳など多岐にわたりました。参加した学
生たちは皆で力を合わせて、大会の成功へ大きく貢献しました。スポー
ツ社会専攻では、今後もこの大会のボランティアを継続して行っていく
方針であり、授業だけではなかなか学ぶことのできない、スポーツイベ
ントの運営や意義、そして役割をボランティアという形で身を持って経
験してもらいたいと考えています。
 また今回は、このような取り組みに共感した現代社会専攻、メディア
社会専攻、文学部、国際関係研究科から、それぞれ1人ずつの学生が参
加してくれました。台湾チームの通訳を担ってくれた留学生もいます。
このフェスティバルにボランティアとして2年連続参加しているスポー
ツ社会専攻3回生の市谷優香さんは「今回のボランティアでは昨年と同
様音響係を担当させていただきました。音源を返却する際、笑顔であり
がとうと言ってくれる方々からは、やりきった!という雰囲気が感じら
れました。障害の様子はさまざまですが、それぞれに「やりがい」や
「生きがいを」感じながらシンクロに取り組んでおられることが伝わっ
てきました」同じく3回生の須田菜月さんは「今回、初めて参加しまし
た。障害のある方もない方も今まで練習してきたことを発揮し、シンク
ロを楽しんでいるという印象を持ちました。また、たくさんのボランテ
ィアスタッフに支えられながら大会が成り立っていることを実感しまし
た。これからさらにアダプテッドスポーツが世の中に広まればと感じま
した」と感想を述べてくれました。参加した多くの1回生は、今回のよう
に「スポーツを通してさまざまな方に接する機会は貴重な経験になる」
と意欲的に取り組んでいました。



文責:スポーツ社会専攻 金山千広 教授

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