TOPICS & EVENTS

トピック & イベント

TOPICS

【授業風景】ソーシャルデザイン・スタディーズ実践「Jリーグクラブ京都サンガF.C.とソーシャルデザイン:サッカーを核にした地域づくりの実践」

【ソーシャルデザイン・スタディーズ実践とは】

 「ソーシャルデザイン・スタディーズ実践(SDS実践)」とは、産業社会学部の学生が専攻を超えて履修できる、社会問題の認識を通して実践的な「解決」を志向するソーシャルデザインプログラムの一環で開講されている授業です。 
 複数開講されているSDS実践クラスのうち「Jリーグクラブ京都サンガF.C.とソーシャルデザイン:サッカーを核にした地域づくりの実践」というテーマを扱うクラスでは、京都サンガF.C.の協力の下、日本のプロサッカーリーグであるJリーグおよび京都サンガF.C.の理念や戦略、そして実践活動に触れることを通じてスポーツを使ったソーシャルデザインのありようを学んでいます。

【観戦ツアーの企画に至るまで】

 4月に7人の受講生ではじまったこのクラスでは、京都サンガF.C.から頂いた「(大学のまち、京都でありながら)大学生がサッカーに興味を持てていない」という課題を解決し「大学生の新規サポーターを獲得し、京都サンガF.C.のリピーターになってもらう」ため、11月に開催される京都サンガF.C.のホームゲームにおいて、大学生が実際にチケットを買って参加する観戦ツアーを企画し、集客することを目標に活動を行いました。
 そのために、京都サンガF.C.をはじめ、地元自治体、スタジアムでのイベント実施に参加している企業の方等から話を聞いたほか、8月にはホームゲームでの試合運営にボランティアとして参加し、京都サンガF.C.について理解を深めました。一方で、サッカー観戦経験のない友人等からの情報収集も行いました。
 これらの知識、情報を基に、学生同士が様々な話し合いを重ねた提案に、京都サンガF.C.から頂いたフィードバックも踏まえ、観戦ツアーおよびそのプロモーションのための企画を完成させました。観戦ツアーでは、参加者が京都サンガF.C.のことを知り、サポーターとしての当事者性を創出することを目的に、役立つ情報を詰め込んだしおりの作成やピッチサイドでの記念撮影、特別賞品のあたるサッカー用語ビンゴ、フォトコンテストなど予算をかけなくてもできる企画を計画し、プロモーション活動では、学生を集めたプレゼンテーションや学内での手作りポスター掲示を行いました。これらの企画には、産業社会学部卒業生である川﨑颯太選手も、集客のためのメッセージや観戦ツアー参加者のみに向けた特別インタビュー映像の作成などに協力して下さいました。 

news20241225_img01
企画にむけて準備作業の様子
news20241225_img02
ボランティア参加にむけて説明を聞く
news20241225_img03
川﨑選手へのインタビュー
news20241225_img04
学内に掲示した手作りポスター
news20241225_img05
学生にツアー参加を募るプレゼンテーション

【観戦ツアー当日】

 当日は28人の学生が参加し、貸し切りバスで試合会場となる亀岡市のサンガスタジアムby KYOCERAに向かいました。車内では履修学生がガイドとなって、しおりを使って試合の楽しみ方を説明したり、特別インタビュー映像を視聴してもらい、参加者の気分を盛り上げられるようにしました。会場に到着し、グッズ購入やスタジアムグルメ、写真撮影なども楽しんでもらいましたが、何より試合が始まれば参加者のテンションも上がり、スタジアムの雰囲気、京都サンガF.C.サポーターの大迫力の応援に心も体も飲み込まれ、皆声を出して手を叩きながら応援し、観戦を楽しみました。そして、点が入れば盛り上がりも最高潮で、立ち上がって隣の人とハイタッチをしながら喜びあいました。帰りの車内では、参加者も「楽しかった」「また来たい」と言っており、ツアーは大成功でした。 

news20241225_img06
得点の瞬間に盛り上がる参加者のみなさん

news20241225_img07
ピッチサイドでの記念撮影

【企画を終えて】

 この後、一連の企画を踏まえ京都サンガF.C.のみなさまに報告と今後の提案をするプレゼンテーションが残っていますが、今回、観戦ツアーの企画までを通して、我々は多くの体験と学びを獲得しました。中でも、実際にプロスポーツチームを相手に企画提案を行った体験は貴重なものでした。京都サンガF.C.が抱える課題に対し、我々が提案する企画を通じてチームと参加者にどのような価値を創出できるのかという観点が非常に重要であり、何度もメンバーで話し合いを重ね企画を作り上げました。このような体験は課題に対して実践的にアプローチしていく能力の向上や将来のキャリア形成につながるよい機会になったと感じています。 
 また、スポーツを通じた社会課題の解決という取り組みについても実践的に学習することができました。プロスポーツを通じた取り組みの中では、観客とクラブという二者間だけの関係にとどまらず、クラブを支えるホームタウンやそこに住む地域の住民、スポンサー、多様な人々が関わり合っていることを実感しました。そして我々学生が関わることで、こうした関係者の方々にどのような利益をもたらすことができるのかを考えることが一番難しいところでした。しかし、このような経験は本を読み、講義を受けるだけでは体験することのできない素晴らしいもので、貴重な財産となりました。
 引き続き、最後までがんばっていきたいと思います。

news20241225_img08
〈受講生一同〉

【備考】
授業担当者:漆原 良教授 松島 剛史 准教授 
記事作成:SDS実践受講生
写真提供:漆原 良教授 、松島 剛史 准教授、立命館新聞社

一覧へ戻る