教員紹介
FACULTY MEMBERS
メディア社会専攻
住田 翔子 准教授
SUMIDA SHOKO
研究テーマ
戦後日本の廃墟イメージの研究、アートと都市空間・都市イメージ、視覚文化論、感性文化論
おすすめ書籍
イーフー・トゥアン『空間の経験―身体から都市へ』山本浩訳、ちくま学芸文庫、2005年
学生時代の思い出
学生時代のわたしは、授業への参加はもちろん、アルバイト、サークル活動、留学、インターンシップへの参加、資格取得など、およそ大学生がするであろうことに片端から手をつけていました。それらすべてに思い出はあるものの、いまから振り返って印象的なのは2回生のときに留学をしたことです。短い期間でしたがアメリカのオクラホマ州に滞在し、授業を受けつつ乗馬をしたりショッピングをしたりと楽しかった記憶があります。他方でオクラホマ州といえば、ネイティブアメリカンの歴史と切っても切れない土地であり、ホームステイ先もネイティブアメリカンの家系でした。当時のわたしは、彼らのたどった歴史に関心を持ち、彼らの歴史と文化についてレポートを書きました。そのときはまったく意識していませんでしたが、いまから思えば「ひとびとがいかに空間を経験しているのか、ものごとを見ているのか」に当時から関心があったことがわかり、驚きです。
現在の学問分野に決めた理由
わたしは、「わたしたちはどのようにものごとを見ているのか」という疑問に答えたいと考え、さまざまな題材(絵画、写真、映像)を対象にこれまで研究を行ってきました。なぜこうした疑問を持ったかといえば、学生時代のある経験がひとつのきっかけとなっています。当時大学3回生のわたしは京都に住んでいましたが、街中を何気なく歩いていたときに、ぽっかりと空いた土地を見つけました。わたしは「空き地があるな」と思うと同時に、空き地以前の風景を覚えていないことにも気づき、「ひとがものごとに注目するときとしないときの差はなんだろう」と考えたのです。そして、当時所属していたゼミナールの先生がアートや観光を専門としていたこともあり、その疑問を芸術社会学、文化論的視点から研究したいと思ったのがもうひとつのきっかけです。わたしの扱う題材は一見するとバラバラで統一性に欠けるのですが、わたしのなかでは常につながっています。