教員紹介

FACULTY MEMBERS

メディア社会専攻

藤嶋 陽子 准教授
FUJISHIMA YOKO

専攻
メディア社会専攻
専門分野
文化社会学、ファッション産業史、消費社会論
研究者学術情報データベース

研究テーマ

日本のファッション産業の歴史、ファッションメディア、SNSやECサイト(商品を売買できるウェブサイト)の登場が消費に与えた影響、ファッションとテクノロジー

おすすめ書籍

「蘆田裕史・藤嶋陽子・宮脇千絵(編著)、『クリティカル・ワード ファッションスタディーズ:私と社会と衣服の関係』、フィルムアート社、2022」

ファッションについて学ぶ入門書ですが、自分にとって身近なものからメディア環境の変化や生産・流通構造のグローバル化の加速、多様性やサステナビリティへの意識といった多様な社会的状況を捉える視点を持つための参考にしてもらえると思います。色々なモノやコトが研究の対象となり、それを問う視点はひとつではありません。たとえば、今日のメディア環境のなかで流行のサイクルはどうなっているのだろう?とか、デジタル技術の進展によって私たちの消費の仕方は変化するのか?など、様々な角度から考えていくことができます。身近なものから広がる多様な学びの一例として、ぜひ手にとってみてほしいと思います。

学生時代の思い出

自分の関心のあることを、ひたすら突き詰めていた大学生時代でした。当時の私にはファッションデザインを仕事にしたいという夢があり、ファッションショーを実施する団体に所属し、大学での勉強と並行して服づくりの専門学校に通いながら制作を行なっていました。学内外の様々な研究者の方々にお世話になり、他大学のラボに出入りしたり、徹夜でひたすら物づくりをしたりと、仲間と熱中して活動に取り組んだことは良い思い出です。またシュルレアリスム芸術に関心を持ち、友人と研究会を立ち上げて学内外の先生のお話を聞きに行きました。学生の自分たちに快く時間を割いて貴重な資料を見せてくださり、その魅力を楽しそうに語る姿に、とても刺激を受けたことを覚えています。私にとって、こういった経験は自分の興味を深めること、そして、そこからまた新たな関心を広げていく学びの楽しさを知る大切な機会でした。

現在の学問分野に決めた理由

私は幼少期から、ファッションというものを自己表現の手段として重視していました。特に思春期には自分の凡庸さに不安を抱き、奇抜なファッションを身にまとうことで不安を発散させていました。その後にファッションデザイナーを目指し、そして諦めた経験を通じて、「何が良いファッションとされるのか?」、「モノの価値はどう決まるのか?」に関心を持つようになりました。私たちは毎日、どんな人でも服を選び、着用しています。日々繰り返されるありふれた行為ですが、その背後には産業が抱える様々な社会問題に対する自分の選択、こういうモノを身につけるべきという社会規範や伝統的な価値観との対峙、テクノロジーの進化など、多様な問いが存在しています。ファッションのような身近なものから自分と社会との繋がりを考えてみる、そんな視点を大切にしたいと思い、今もファッションや消費文化について考えることをつづけています。
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