教員紹介

FACULTY MEMBERS

メディア社会専攻

飯田 豊 教授
IIDA YUTAKA

専攻
メディア社会専攻
専門分野
メディア論、メディア技術史、文化社会学
研究者学術情報データベース

研究テーマ

メディア論、メディア技術史、文化社会学。とくにテレビ、ビデオ、万博などに関する研究

おすすめ書籍

高野光平・加島卓・飯田豊編著『[新版]現代文化への社会学 90年代と「いま」を比較する』北樹出版、2023年

自著を挙げるのは厚かましいですが、メディア論や文化社会学の考え方を分かりやすく知ることができる教科書です。インターネットがまだ本格的に普及していない1990年代の文化と比較するという切り口によって、高校生や大学生のみなさんが、親世代と一緒に読んで楽しめる本を目指しました。

1990年代とはかろうじて、特定の雑誌を購読することを通じて、ある文化の動向を把握しやすい時代でした。雑誌のバックナンバーを手がかりにして文化をそれなりに追体験できる90年代と、インターネットがあらゆる文化を下支えしているように見える現在とのコントラストを、本書の随所で感じ取ってもらえると思います。現代社会を読み解くことの面白さと難しさについて考えてもらえるきっかけになればうれしいです。

学生時代の思い出

Billboard研究会というリスニング系の音楽サークルに入って、アメリカのBillboard Hot 100に入っている曲を片っ端から聴いていました。サークルのメンバーでライブやクラブに行くようになり、音楽を皮切りに、映画や演劇、アートやデザインなど文化的なことがら全般に、少しずつ興味関心が広がっていきました。

学部時代は工学部に在籍していて、いわゆるロボット工学を専攻していたのですが、ロボットの普及には多くの社会課題があることが分かってきたので、次第に開発よりも、技術と社会のインターフェースについて研究したいと考えるようになりました。そこで大学院では文系に転じたのですが、今から振り返れば、たくさんの音楽や映画などに接していたことも、文転を決意する後押しになっていたような気がします。

音楽、映画、演劇、アート、デザイン、ロボット、技術と社会……こうしたことがらに対する興味関心を深めていくうえで、メディア論がもっとも”しっくりくる”学問だったわけで、それが現在の研究活動の振れ幅にもつながっています。

現在の学問分野に決めた理由

大学院での文転を考えた当初は、工学部を卒業したことが活きるような研究をしようと考え、「技術」をキーワードに研究の方法や対象を模索していました。しかし、「メディア」という言葉のほうが、ロボットも含めて自分が研究したい対象を言い当てている、と気づきました。メディアは技術的な産物ですが、その様態は社会や文化の特性にも左右されます。技術と社会のインターフェイスを考えるうえで、格好の学問だったわけです。そこでメディア論が面白いと感じるようになり、大学院で本格的に学ぼうと決意しました。

その結果、メディア論の考え方にのっとって、「メディア技術史」というジャンルを開拓することになりました。近年では「メディア考古学」という視座も広く知られるようになってきました。立命館大学産業社会学部メディア社会専攻では、幸いなことに「メディア技術史」という専門導入科目があり、着任以来この科目を担当しています。
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