教員紹介

FACULTY MEMBERS

言語・国際教育

HOSACK IAN 教授
HOSACK IAN

専攻

言語・国際教育

専門分野
英語教育、シティズンシップ教育
研究者学術情報データベース

研究テーマ

日本の中等教育におけるシティズンシップ教育(市民教育)と英語教育との関連性とその取り組み。現代社会に市民として参加するため必要な意識、スキル、価値観など、英語教育を通してどのように育成されるかについての研究

おすすめ書籍

ピエール・バイヤール (大浦康介 訳)、「読んでいない本について堂々と語る方法」、ちくま学芸文庫 、2016.

多くの人と同様に、ピエール・バイヤールのベストセラーの興味深い題名に惹かれた一人でしたが、これは私が読んだ中で最も面白い本の一つでした。学生や学者として、私たちは当然のことながら多くの時間を読書に費やし、読んだ本について話すことがよくあります。しかし、一冊の本を「読む」とは何を意味するのでしょうか?私の本棚にある本の中で、最初から最後のページまで読んだものは比較的少ないと思います。多くの場合、数章または数ページしか読んでいないこともあります。読んだことを覚えている本もありますが、それらを残念ながら忘れてしまい、その内容について何も語ることができないこともあります。この時折哲学的でありながら、常に楽しい本は、読書方法や本から学んだことについて考えるきっかけを与えてくれます。また、実際に読んだかどうかに関係なく、本について話す自信を持たせてくれることでしょう。

学生時代の思い出

私は1985年から1988年までマンチェスター大学で政治学と現代史を学びました。当時イギリスは失業率が高く、多くの人々にとって生活は困難でした。マンチェスターの学生の多くは、政治に強い関心を持ち、政府支出の削減に対するデモや南アフリカのアパルトヘイト制度に反対するデモ、イギリスにアメリカの巡航ミサイルを配備することに反対する抗議活動を行っていました。私もいくつかのデモに参加しましたが、自分を「活動家」と表現することはありませんでした。私自身の政治への関心は、より学術的でした。マルクス、ルソー、J.S.ミル、カール・ポッパーなどの著作を読むのを楽しみ、彼らについてのエッセイを書くのに多くの時間を費やしました。当時、私は市内のラッショルム地区の家に4人の学生と一緒に住んでいました。テレビを持っていなかったため、夜には同居している学生と様々なことについて会話する時間を多く持ちました。また、私はボランティア・サークルのメンバーでもあり、マンチェスター中心部の街路ではよくホームレスの人々に温かいスープ、パン、暖かい衣類を届けることがありました。イギリスにとっては困難な時期でしたが、学生としての私のマンチェスターでの3年間は生産的で幸せなものでした。

現在の学問分野に決めた理由

私の主な研究分野は、市民教育でこれは若者が現代の多文化社会において市民として参加するために必要な価値観、知識、およびスキルを育むことに関心を寄せています。具体的には、このプロセスにおける外国語教師の役割に関心があります。この研究領域は、私の英語教師としての経験と政治に対する長年の関心を組み合わせています。初めて日本に来た時、私は鹿児島県の中学校と高校で英語助手教師として勤務しました。その間に多くの日本人の英語教師と友人になりました。彼らは大学入試に合格するための文法や語彙だけでなく、環境問題への意識や異文化理解の重要性など、生徒たちの意識を高めるために尽力していました。これらの教師たちは私にとって感銘を受ける存在でした。現在、産社での私自身の英語の授業では、学生の異文化コミュニケーションスキルを育成すると同時に、彼らに民主主義、人権、環境に関連する現在の諸問題について批判的に考え、議論する能力を養うことを目指しています。これらの能力は、今日の市民にとって不可欠と考えています。
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