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Microsoft×Microsoft Base Ritsumeikan×立命館

マイクロソフトとの連携による特別版「QULTIVA(カルティバ)」
成長の軌跡-AIとの共創で描くみらい- 活動レポート

OUTLINE

2026年2月6日、大阪いばらきキャンパスH棟のMicrosoft Base Ritsumeikanで、「立命館とマイクロソフトとの連携による特別版「QULTIVA(カルティバ)」参画」学生メンバーによる「Final Pitch」が行われました。

「QULTIVA」は、実社会の課題をテーマに、仲間と協力しながら解決策を考えることで、一人ひとりの可能性を掘り起こし、育てる、立命館大学社会共創推進本部独自の人材育成プログラム。2024年の始動以来、正課授業や課外プロジェクトなど、さまざまな場面で活用がされています。マイクロソフトとの連携による、この特別版「QULTIVA」は、マイクロソフトと参加メンバーそれぞれが試行錯誤しながら、マイクロソフト製品、特にMicrosoft Copilotを使うことによって、テクノロジーをビジネスや課題解決に活かす能力を育てるコミュニティです。2025年後半期(10月~12月)は、目的ごとに4つのコースに分かれて活動しました。

「Final Pitch」は、各コースの代表者4名が、プロジェクトを通して得た成果を発表する活動の集大成。各コースのファシリテーターに加え、日本マイクロソフト株式会社 コーポレートソリューション事業本部 クラウド&AI導入推進本部本部長の宮崎翔太氏も見守る中、各コースの代表者4人による発表が始まりました。

QULTIVA(カルティバ)とは

成長の軌跡-AIとの共創で描くみらい -マイクロソフトとの連携による特別版QULTIVA(カルティバ)-

EPISODE

EPISODE01

マイクロソフトや大阪府との伴走
AIエージェント作成など4コースを設定

2025年10月~12月期の特別版「QULTIVA」では、学生メンバーは、以下の4つのコースから自由に選んで活動しました。

Aコース
行政との伴走型プロジェクト

ファシリテーター:大阪府政策企画部企画室

関西地域の若者(ユース)を対象に、SDGsの達成につながるアイデアや実際のアクションを募集・発表・表彰する取り組み「第7回 関西SDGsユースアクション2025」へのエントリーを目指しました。

身近な社会課題とSDGsをつなぎ、Microsoft Copilotも使いながら、解決へのアクションを提示するもので、必要に応じて大阪府に意見を求めたり、協力を依頼したりなどの支援も受けられるようになっていました。

参考:第7回 関西SDGsユースアクション2025 受賞作品|関西SDGsユースアクション

  • 最終的には本特別版QULTIVA参加者より3名が受賞しました(ベストアイデア賞1名、グッドアクション賞2名)
Bコース
マイクロソフト伴走型プロジェクト

ファシリテーター:Microsoft Japan Education Industry DX戦略室長 阪口 福太郎 氏 ほか

マイクロソフトでは、データやアイデアをどのように形にしているのか、社内で実践されているメソッドについてレクチャーを受けながら、Microsoft Copilotを使って自身のアイデアを具体化するコース。4回のオンラインレクチャーでは、社会課題とは何か、その課題に対してどう考え、どう対応するかなど、主に物事のとらえ方について、事例も交えてのていねいな説明がありました。その後、各自の課題意識からアウトプットにつなげる活動が行われました。

Cコース
独自型プロジェクト

課題やテーマを自由に設定し、Microsoft Copilotなど新しい技術を使って個人でプロジェクトを遂行しました。必要に応じてMicrosoft Base Ritsumeikanの運営を担うカコムスホールディングの朝山氏の支援も受けられるようになっていました。

Dコース
AIエージェント構築プロジェクト

ファシリテーター:カコムスホールディングス株式会社 経営戦略統括本部 研究開発室長 朝山 悟 氏

Microsoft Base Ritsumeikanに常駐する朝山氏のアドバイスを受けながら、Microsoft Copilotを使って自分に必要なAIエージェントをつくるプロジェクトです。2回のオンラインレクチャーを受けた後は、学生個人がそれぞれAIエージェントを作りながら自分の課題と向き合い、朝山氏のアドバイスも受けながらアウトプットにつなげました。

EPISODE02

「自分の興味関心を言葉にできないことで悩み
『QULTIVA』に参加しました」
Aコース
そろばんで広げる数の学び

最初に発表したのは、Aコースの目淑乃さん(情報理工学部4回生)。SDGsが掲げる目標の「4. 質の高い教育をみんなに」「10. 人や国の不平等をなくそう」に着目していた目さんは、小2児童の22%がくりあがり・くりさがりの計算でつまずき、算数嫌いになって進路の選択肢が狭まることに課題意識を持っていました。この課題に日本の伝統的なそろばんを使ってアプローチし、「第7回 関西SDGsユースアクション2025」でグッドアクション賞を受賞した活動について報告が行われました。

オンラインでのそろばん個別指導、そろばんワークショップの開催、補助教材作成といった活動を通して利用者から高い満足度評価を得た目さんは、今後、実現性の高いアプロ―チとして商業施設でのブース出展も計画中です。「AIを活用しながら自分で考えること、軸を持ってAIを使うことが大切だと思いました」と話した目さんは、Teamsのチャットによって他のメンバーの活動状況を知ることができ、相談もできる特別版「QULTIVA」の活動を通して「一人で抱え込まず、困った時は周囲に相談することが大切だと思いました」との気づきも発表しました。

目 淑乃 さん
情報理工学部 4回生

そろばんの活動を始めて1年。少し行き詰まりを感じつつ、相談できる相手もない状態でした。Aコースに参加したのは「関西SDGsユースアクション2025」への応募によって人に説明できるプレゼン資料を作ることができ、活動を一つの形にできると考えたからです。活動を評価いただいて、グッドアクション賞を受賞できたのもよかったですし、大阪府さんにご紹介いただいた方々へのヒアリングを通して、今後どう進めればよいのか、どんな場所でワークショップを開催すべきか、費用はどうするのかなどについて考える機会ができたのも良かったと思っています。

Bコース
若者の自己肯定感向上を目指す新SNSサービス提案

次の発表はBコースの水口歩実さん(経営学部1回生)による「若者の自己肯定感向上を目指す新SNSサービス提案」です。自分自身の経験からも、SNSの普及による比較ストレスの増加によって自己肯定感が低下し、健康に悪影響を与えているとの課題意識を抱いた水口さん。「自己と向き合う習慣」が必要との仮説に基づく、新しいSNSサービスを提案しました。

サービスの基本コンセプトは、「心理的安全性」と「自己成長」。完全プライベート空間で人の評価を気にせず自己表現ができ、AIによるポジティブなフィードバックや、自己理解を深めるサービスも提供されるもので、うつ病リスクや自殺率の低減も期待できます。「若者が自分を好きになれる社会になってほしい」と話す水口さんは、「自分の興味関心を言葉にできない、発信できないことで悩み『QULTIVA』に参加しました。AIとのやり取りを通して自分を高められることを実感できましたし、一人で悩むのではなく、こうして自分の考えを発信する経験を積み重ねて自信に変えていきたいと思います」と活動を振り返りました。

水口 歩実 さん
経営学部 1回生

このテーマはもともとSNSを使う中で私の中に生まれた小さなモヤモヤでした。でも、Bコースのセッションの中で「そういうのがアイデアになる」と教えていただき「このモヤモヤってなんだろう?」と考え続けてアイデアを掘り起こすことができました。「アイデアだけでは社会に実装されない」とも学んだので、人の意見や社会通念なども加味しながら練り上げていった結果が今日の発表です。今はまだ提案の段階ですが、「私も使ってみたい」「こんなの欲しかった」といってもらえるととても嬉しいし、私がこの提案を実現するためのスキルを学べば、私も、その人たちも幸せになるのではないかと考えているところです。

Cコース
生成AI×定理証明支援系で変える数学証明問題の採点

Cコースの鈴木瞭賀さん(生命科学部2回生)は教職志望。教員の過重労働、記述式問題における採点基準の不公平さや自己採点の難しさを課題に設定し「生成AI×定理証明支援ツールによる数学証明問題の自動採点」に取り組みました。自然言語による問題文と回答文をMicrosoft Copilotが柔軟に理解し、その理論が本当に正しいかどうかを定理証明ツールLean4が厳密・公平に判定するというものです。使用のデモ動画も公開されました。

鈴木さんは、Microsoft Copilot出力の不安定さなど技術的な課題の解決に向けて、Microsoft Base Ritsumeikanの朝山氏との対話が大きなヒントになったと言います。「プロンプトや前提知識の与え方がいかに大切かをアドバイスいただきました。今後はこの経験を通じて得た、利用者としての視点と提供者としての視点の両方を一致しながらAIを活用した仕組み作りに取り組んでいきたいと考えています」と話しました。

鈴木 瞭賀 さん
生命科学部 2回生

課題解決に向けて、自分のペースで取り組みを進められる点が面白そうだと感じ、参加しました。Cコースでは、壁に当たった時にMicrosoft Base Ritsumeikanさんの支援を受けられるのが大きな魅力でした。AIを利用する人と、設計し、提供する人の視点のギャップが見えたことが、一番大きな学びになったと思います。大学での教授からの学びとはまた違う知見を得られたのも大きかったです。自分一人だけで取り組むのではなく、他の学生との交流や、Microsoft Base Ritsumeikanさんのサポートを通じて、自分の考え方や取り組み方が広がっていく点が『QULTIVA』の一つの大きな魅力だと感じています。

Dコース
対話劇で学ぶための戯曲生成AIエージェントの作成

Dコース宮城呼生さん(情報理工学部4回生)の活動は「対話劇で学ぶための戯曲生成AIエージェントの作成」です。通常AIが提供してくれる「わかりやすい回答」だけではなく、複雑なものをそのまま受け入れて悩むことができる、Open-Endedな気づきが得られる応答をしてくれるAIエージェントを作成したいと考えた宮城さん。たどりついたのは、さまざまなタイプの人物が登場する対話型の戯曲を出力するAIエージェントでした。読むことによってあるテーマについての対話に参加でき、人の発言に違和感を持ったり共感したりしながら自分の考えを深め、気づきを得ることができるものです。

宮城さんは、出力されたシナリオを紹介しながら設計意図を説明。今後は大量のナレッジ登録によって出力内容の平準化をはかり、よりよいアウトプットにつなげたいと話しました。特別版「QULTIVA」に参加したことでメンバーから大きな刺激を受け、自分も人に刺激を与えられた経験を語り「1+1が3以上になる経験をしました。チャレンジングな人が集まる場で、人と話すことによって生まれる価値を実感できたのが大きな学びとなりました」と締めくくりました。

宮城 呼生 さん
情報理工学部 4回生

AIエージェントの作成に試行錯誤する中で、AIへの指示によってなぜ出力が変わるのかなど、因果関係が十分に理解できない部分がありました。そうした疑問から、今後は自分で技術書を読み、人工知能の根本の部分や、数式や統計的な仕組みを学びたいと考えています。さまざまな講評をいただけたのもうごく良かったです。マイクロソフトの宮崎さんから「戯曲でなら、普段人に会えないような環境にいる人も、疑似体験として多様な意見に触れることができるのがすごくいいよね」と、自分自身が認識していなかった点に気づくきっかけもいただきました。今後は、留学生などさらに多様な人物が登場する展開も構想しています。

※学生の所属・回生は2026年2月時点のものです

EPISODE03

「『QULTIVA』での経験は、皆さんの
今後の活躍を大きく後押しするでしょう」

4人の発表からは、自らの課題をつきつめて考え、AIと共に試行錯誤してきた3カ月の成長ぶりが伝わってきました。制限時間ぴったりのスムーズな話しぶりにも、普段から自らの活動の成果や考えを発表する機会を大切な学びとしている様子がうかがえました。

プロジェクトの関係者からもあたたかいコメントがありました。大阪府 政策企画部企画室 課長補佐 菅野光美氏からは「今の大学生のすごさを改めて感じる発表でした。SDGsの掲げるターゲットの達成にはAIの活用も不可欠だとされています。今日は、皆さんがAIを活用した取り組みを通じて多くの学びを得られたことを聞き、大変嬉しく思いました。この学びをぜひSDGsの達成にも活かしていただけたらと思っております」とコメント。

日本マイクロソフト株式会社 コーポレートソリューション事業本部 クラウド&AI導入推進本部本部長の宮崎翔太氏からは、それぞれの発表に対する詳細な感想が4人に伝えられ、さらに「我々のAIも使っていただきながら、AIが主役にならずに皆さん自身がすごく考えられていることを感じられた素晴らしい発表に、我々もすごく元気になりました」との言葉を4人に贈りました。

朝山悟氏は「Dコースで、私はAIエージェントの作り方を2時間レクチャーし、後は皆さんの感じる社会課題に対してAIにどんな情報を流し、何をしてもらいたいのかをAIと一緒に考えてくださいと伝えただけでした。事前のDコースの発表で、これほど秀逸なものができるのかと驚かされましたが、今回の発表会で学生たちが発表するのを聴いて、アイデア次第ではAIも柔軟にコントロールできるということを、皆さんにぜひ見ていただきたかった。そのような思いでお話ししていました」とコメントしました。

最後に、全体の総括として、学校法人立命館 企画担当常務理事の山下範久教授から「皆さんは『QULTIVA』で世界を変える何かを作り出す経験をされました。ものを作り出す時に必ずAIが関わるようになる、世の中がそんなステージに移行する時に、この経験は、今後の皆さんの活躍を後押しする大きな糧になるのではないでしょうか」との言葉がありました。この特別版『QULTIVA』が、大学にとって大きな一歩となっていることが力強く伝えられるものでした。

生成AIの活用によって、テクノロジーをビジネスや課題解決に活かす能力を育てるコミュニティ「QULTIVA」での実践は、社会の変化や生成AIの進化によって今後も変化していきます。その未来予想は、続けて実施されたOIC CONNECT#42「Learning Innovation Night」の大きなテーマとして、オンライン参加を含む多くの参加者に共有されました。

※登壇者の役職は2026年2月時点のものです

REFLECTION

プロジェクトを終えて、関わった方々の
振り返りをお聞きしました

  • 学校法人立命館 企画担当常務理事

    山下 範久教授

    今回の特別版「QULTIVA」を通じて、学生一人ひとりが自分の課題意識を起点に、AIを手段として使いながら粘り強く考え抜いていたことが、4人の発表から鮮明に伝わってきました。テクノロジーと協働しつつ、あくまで人が考え、人がアウトプットを生み出すという姿勢は、まさに私たちが大学教育で育てたい力そのものです。
    マイクロソフトや大阪府、カコムスホールディングスの皆様との連携によって、学生が学内の壁を越えて社会と接点を持てる環境が整ったことも、この取り組みの大きな意義だと感じています。「QULTIVA」は単なるAI活用の場ではなく、人と人がつながり、互いに刺激し合いながら価値を生み出すコミュニティとして育ちつつあります。
    生成AIが社会に深く組み込まれていく時代において、自分なりの軸を持ってAIと向き合える人材を育てることが大学の重要な役割だと改めて確信しました。この経験を積んだ学生たちが、今後どのような場でどのように活躍していくか、非常に楽しみにしています。

  • 大阪府 政策企画部企画室 課長補佐

    菅野 光美

    SDGsを進めるうえで、未来を生きる学生さんと一緒にやりたいという思いがあったので、立命館大学でのAIを活用した素晴らしい取り組みにぜひご一緒させていただきたいと思いました。これまではAコースの取組みしか見ていなかったのですが、どのコースの内容も素晴らしく、本当に驚きました。発表スライドも、大人が作るのとは違い、とても見やすく作られていました。今、世界では2030年以降のSDGsを考えようとの動きが始まっています。機会があればまたぜひご一緒させていただきたいと思っています。

  • 日本マイクロソフト株式会社 コーポレートソリューション事業本部 クラウド&AI導入推進本部本部長

    宮崎 翔太

    本当に楽しく聴かせていただきました。私たちの提供する製品やサービスはあくまでも手段、素材です。それをどう使うかは人に考えていただかなければなりません。学生の皆さんは、その大切な軸をぶらすことなく、主体的に考え、取り組んでおられました。この素晴らしさを、他の高等教育機関にもお伝えしていきたいと思います。
    学生さんたちの発表は、アイデアも良く、独自の切り口もあり、主体性も意識されていて、何よりも、テクノロジーが主役になっていない点が良かったと思います。気づかされること、教えていただいたこともたくさんあり、私にとっても貴重な学びの場となりました。

  • Microsoft Japan Education Industry DX戦略室長

    阪口 福太郎

    まだ世界に存在しないものを生み出そうとする時、どれだけシミュレーションを重ねたか、どれだけ壁にぶつかり、どれだけ悩み抜いたかといった試行錯誤の積み重ねが、品質を含めた成果を左右すると私は考えています。Bコースのメンバーは、プロジェクトを通してまさにそれを経験し、世界にまだ存在しないもの、そして社会的価値のあるものを生み出すことの充実感を実感してくれたのではないでしょうか。
    不要な回り道をせず、本当に必要なことに集中するための、過去の知恵から生まれたメソッドやフレームワークも存在します。Bチームのメンバーにはレクチャーを通してそれを伝えることができました。今後は、他のチームの皆さんにも共有できるような仕組みを整えていくことが課題となるでしょう。

  • カコムスホールディングス株式会社 経営戦略統括本部 研究開発室長

    朝山 悟

    発表を聞いていると、それぞれの学生さんが真摯にプロジェクトに取り組んでいたことが思いだされました。一人ひとり自分の中に持つものが違えば、自ずと発想も違ってきます。そのオリジナリティがアウトプットに表れていたことがとても良かったと思いました。これこそが「QULTIVA」の意味、僕たちが伴走する意味なのではないでしょうか。学生メンバーの皆さんには、オリジナリティを引き出すツールとしてAIを使ってほしいと常日頃から考えてきたので「QULTIVA」に関わることができて本当によかったと感じています。
    立命館大学には私が常駐するMicrosoft Base Ritsumeikanがあります。「QULTIVA」のメンバー以外の学生の皆さん、地域の皆さんにももっと活用していただきたいと思っています。

※登壇者の役職は2026年2月時点のものです

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