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2011年度研究会報告

「グローバル化とアジアの観光」研究会(2012.1.28)

テーマ Policy on Community Tourism Development in Thailand
報告者 Niti Wirudchawong
(Director Investigation Bureau 1, Office of the Ombudsman)
報告の要旨

Tourism policy in Thailand has been simultaneously developed by several governmental sections/organizations. (1) TAT (Tourism Authority of Thailand), (2) Ministry of Tourism and Sports, (3) The department of Local Administration, Ministry of Interior and community tourism.

This presentation will analyze role of each sections/organizations in the course of tourism policy development, with special focus on policy of community tourism. Case study of Koh Yao Island located in Phangnga will be introduced to promote the understanding.

Additionally, current policy and future expectation of tourism policy shall be introduced. (1) The Eleventh National development plan of Thailand (2012- 2016) and the community tourism, and (2) The Thailand 's National Tourism Development Plan 2012 - 2016 will be roughly introduced.


テーマ ダークツーリズムとその研究動向
報告者 江口 信清(立命館大学文学部教授)
報告の要旨
 

ツーリズムには、死・事故・災害などに直接結びつく場・呼び物などへの旅が含まれることは少なかった。1980年代以降、これまでどちらかといえば避けられる傾向にあったこういった場・呼び物へのツーリズムが増え、それを対象にした研究も徐々に増加する傾向を見せている。この種のツーリズムを総称してここではダークツーリズムといっておく。この同じ時期、いわゆる「ポストモダン」的風潮も顕在化し、ダークツーリズムを実践する人たちの増加もその一部であると考えられる。今回の報告では、1990年代から2011年の期間に発表された英語でのダークツーリズムに関する論文をもとに、研究動向を簡単にまとめ、その特徴について考えてみたい。


テーマ 東日本大震災後の地域再生に果たす観光の役割
―石巻市小渕浜集落の事例を通して―
報告者 山田 耕生(帝京大学経済学部)
報告の要旨
 

本報告では、東日本大震災により被災した漁村集落である、宮城県石巻市小渕浜における産業とコミュニティの現状とその再生の課題を明らかにし、今後の集落の復興プロセスにおける観光の役割を考察する。

牡鹿半島に位置する小渕浜は集落内の家屋、漁港・港湾施設、生産施設は壊滅的な被害に遭い、集落の再建が課題となっている。そういった状況の中、小渕浜の住民は集落内に建設された仮設住宅に入居・生活し、地域外の人々の支援を受けながら、漁業を再開し、復興に向けたさまざまな活動を試みている。

今回の報告では、小渕浜における震災発生から2011年10月までの復旧、復興の状況について、主要産業である漁業および民宿業に焦点を当てながら現状と課題を整理する。さらに、今後、地域外の人々からの支援や交流を契機とした、地域再生に果たす観光の役割について検討を加えたい。

テーマ ボランティアツーリズムにかんする研究動向
報告者 中根 智子(さとこ)(龍谷大学国際文化学部)
報告の要旨
 

日本では、いわゆる「ボランティア元年」と呼ばれる1995年阪神淡路大震災をきっかけとしてボランティア活動が普及し始めた。現在では、人口の30%以上がボランティア活動経験を有しており、ボランティア活動は日本の市民生活に定着しつつあると言える。ボランティア活動と観光とを融合したボランティアツーリズムも日本では、海外ボランティアの分野で増加傾向にあり、若者を中心に人気が高まっている。しかし特筆すべきことに、ボランティアツーリズム実践が多様な展開を見せ始めている一方で、ボランティアツーリズムにかんする研究はそれほど展開されていない。日本では、ツーリズム研究者が派生的にボランティア研究に取り組んでいるが、ボランティア研究者たちはこれまでボランティアツーリズムにほとんど注目してこなかった。今回の報告では、上記のような背景を踏まえて、ボランティア研究とツーリズム研究が交差する接合点としてのボランティアツーリズム研究の可能性について考えてみたい。


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